まずは、火縄銃の構造です。
火縄銃は、弾と火薬を銃口から込める(挿入する)、いわゆる形式上、前挿銃です。
現代の銃器は、前挿銃ではなくて、弾を銃身の後ろから挿入する、後挿銃です。
下の図のAは銃底部(火薬が爆発するところ)の構造図です。
Bは、全体の構造図です。
※図と説明は、佐々木稔編『火縄銃の伝来と技術』(吉川弘文館 2003年)P1・2を参考にしました。
A図の銃身の中は、火薬と弾丸が詰められた状態です。
尾栓ネジは、種子島に伝来した火縄銃を日本人が模倣する時、なかなかまねができなかったあのネジです。
銃口内部と火皿とは、火穴という小さな穴でつながっています。
火皿を覆う蓋(ふた)が、火蓋です。
B図をご覧ください。
火縄銃ですから、火縄の火が直接火薬を爆発させる元となります。
火鋏(ひばさみ)に付いた火縄は、引き金を引くと、バネ仕掛けで火皿(ひざら)に押しつけられる仕組みとなっています。すると、火皿の火薬が小爆発して、その火力が火穴を通って銃身内部の火薬に引火して爆発し、弾丸が飛び出す仕組みです。
火皿の火薬は、いわば、着火薬です。
火蓋は、火皿を覆う蓋ですが、その役割は、二つあります。
火縄の火が間違って火皿に引火しないための安全装置。
火皿の火薬が落ちたり飛んだりしないための覆い。
銃口の下には、銃身に沿って、火薬や弾丸を詰める木の棒、朔杖(カルカ)が備えてあります。
以上が、簡単な火縄銃の構造の説明です。
|