まず、「刀筆の吏」という言葉の意味そのものは、 1下級武士 2上級武士 3下級文官 4上級文官
の中から選べば、3の下級文官です。
この問題は基本的に「吏」という漢字の意味がわかっていれば、正解に行き着きます。「吏」という言葉は、官吏という時に使う言葉です。官吏は役人のことを総称する言葉ですが、「吏」そのものは、そもそも「役所の下役」という意味です。「吏」という文字の成り立ちは、「一」と「史」を合わせたもので、「心を一つにして公の記録を書く人」という意味になります。古来、記録を司る人は官吏の中の下級の者でしたから、常識にも符号しています。日本史の教科書で教える、律令制の四等官制(役人の4つのランク、長官かみ、次官すけ、判官じょう、主典さかん)のうち4ランク目のポストは、記録・文書を作成する担当の下級役人です。
※参考文献1 長澤規矩也編『新漢和中辞典』(三省堂 1972年) P47・353
ダミーの選択肢に武士というのが挙げてあるのは、「刀筆」の「刀」の部分を誤解させるためのものです。
「吏」という漢字だけで、「下級文官」という答えに行き着けるわけですが、それでは、誤解を招くような、「刀」という文字を使って、あえて「刀筆の吏」というのは何故でしょうか。
言い換えれば、ここでいう、「刀」がどのようなものかということです。普通に連想する戦い用の刀か、それとも何か他のものでしょうか?
もう一度、黒板クイズで考えてみて下さい。 |