岐阜県の東海道線あれこれ26 |
岐阜県の東海道線についてあれこれ紹介します。 |
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岐阜貨物ターミナル4 コンテナ輸送とJRの貨物輸送 11/11/07記述 |
このページでは、JR貨物のコンテナ輸送の詳細を、岐阜貨物ターミナル駅等の写真と数々のグラフ・表・説明図を使って、やや詳しく説明します。写真はそれほど貴重品ではありませんが、グラフ・表・説明図の中には貴重なものもあるかと思います。 |
国鉄及びJRのコンテナ輸送の発達 |
鉄道の強みの一つは、長距離を高速を利して短時間に時刻どおりに輸送することです。 |
これらの努力の甲斐もあって、コンテナ列車の運転所用時間は、年々改善されて来ています。 |
コンテナ列車の形式をすべて説明するのも煩雑ですから、以下に現在の主力である最高時速110km/hのコンテナの開発系統図を掲載します。その次に、代表的なコンテナ貨車を紹介します。 |
写真26−01 コキ50000形式コンテナ車 (撮影日 11/10/24 名古屋貨物タ) |
1971年から量産された国鉄時代を代表するコンテナ車(37トン積み)。10.7ft(5トン)のコンテナを5個、もしくは20ft(10トン)のコンテナを3個積載。金属ばね式の台車と新しい制御弁を用いた空気ブレーキを装置を備え、速度95km/hのコンテナ車となりました。総計3609両が生産され、現在も80%ほどが活躍しています。 |
写真26−02 コキ100形式コンテナ車 (撮影日 11/09/19 岐阜貨物タ) |
1971年から量産されたコキ50000形式のコンテナ車は最高速度95km/hであったため、JR貨物時代となってさらに高速輸送を目指すためには不十分でした。そこで開発されたのがコキ100・101形式です。最高速度が110km/hに上がっただけではなく、床面高さ8ft6in(2591mm)の国際海上コンテナも輸送できるよう車台の床面を110cmから10cm低い100cmに下げ、荷重は長さ20ftコンテナを3個搭載できるように40.5トンとし、新しい制御弁を採用したCLE電磁自動空気ブレーキ装置をつけ、また台車のオイルダンパ機構を改良し軸ばねに防振ゴムを装備しました。 |
写真26−03 コキ200形式コンテナ車 (撮影日 11/10/24 名古屋貨物タ) |
このあまり見かけない赤いコンテナ車は、2000年に開発されたもので、総重量24トンのタンクコンテナを2個積載できる48トン積みのコンテナ車です。重いタンクコンテナを運ぶため、100形式に比べて車長は短く、また、台車の間隔も狭くなっています。 |
国鉄・JRコンテナと私有コンテナ(ついでに私有貨車) |
同時にコンテナそのもの開発も進みました。 |
写真26−04 C20コンテナ(下)(撮影日11/10/20) |
写真26−05 C20コンテナ (撮影日 11/10/24) |
国鉄時代の主力コンテナ、C20形式。荷重5トン・長さ12ft(3658mm)・容量17立方mは、現在のコンテナに直接つながる基本形となりました。 |
JR貨物は、会社発足後すぐにコンテナ輸送の発展のために利便性及び物流効率化に効果的な新しい規格のコンテナを多数製作しました。これが18A形式以降のシリーズです。コンテナ種類一つ一つ説明していては、貨車以上に煩雑になりますから、以下にそのまとめを掲載します。 |
写真26−06・07 左:V19C・19E・V19B (撮影日 11/10/31) 右:20C (撮影日 11/10/08) |
駅を通過していくコンテナ列車を何気なく見ていても早く通り過ぎて何もわかりませんが、コンテナホームに置いてあるものを一つ一つ確認すると、ずいぶん多くの種類があることに気がつきます。 |
ここまでの説明は、コンテナのうち国鉄やJRが保有するコンテナについてです。 |
表05を見ると、JR時代になってからも、私有コンテナの個数はおおむね増加し、2000年以降は減少気味であると確認できます。 |
写真26−08 30ftの私有コンテナ (撮影日 11/10/08) |
左:日本通運のU47A−38093、30ft(13.7トン積み)で、両側の扉が上に折り曲がって全開(ウイング・ルーフ)するタイプ。先頭の記号Uは私有コンテナを示します。 |
写真26−09 無蓋車・特殊車 (撮影日 11/10/31) |
左・右:日本通運の無蓋コンテナ、UM12A−5880、同5854。荷物は不明です。鋼材か何かでしょうか?UM12AのMは無蓋コンテナを示す記号です。 |
写真26−10 これはホッパ車 (撮影日 11/10/08) |
こちらは、MCLC三菱化学物流株式会社のUH17A−5091、5050、5086です。これはポリ・スチロール専用のホッパーコンテナです。下部の穴からペレット状の荷物を降ろすことができます。UH17Aの記号Hは、ホッパ車を示す記号です。 |
写真26−11 JOTコンテナ (撮影日 11/10/11) |
写真26−12 タンクコンテナ(撮影日 11/10/08) |
左:岐阜貨物ターミナル駅では一番多く見かけるJOT(日本石油輸送)のコンテナ。日本石油輸送ですから一般的なイメージでは、タンク車やタンクコンテナによる石油や化学品の輸送ですが、広告によると通常の有蓋・通風コンテナでは、青果物や食品を輸送すると書いてありました。写真のコンテナの中味は何でしょうね。 |
写真26−13 トヨタコンテナ (撮影日 08/08/09) |
写真26−14 名古屋臨海鉄道(撮影日 08/07/21) |
左:最も有名な私有コンテナ列車のひとつ、トヨタ自動車の部品等を、知多半島の工場群から名古屋臨海鉄道−東海度本線−東北本線経由で岩手県盛岡まで運ぶ列車。撮影場所は、東京の京浜東北線上中里駅、早朝でした。 |
ちょっと余談ですが・・・・・、あの時の新鶴見操車場の貨車群は?−国鉄貨車売却− |
ちなみに、全国の貨車の総数は、最盛期の1969(昭和44)年には169,240両を数えましたが、2004(平成16)年3月の時点ではその数は、私有貨車も含めて、14,841両となっています。 |
上記のようにコンテナ列車のスピードアップやコンテナ輸送の拡大がなされていきましたが、その間の1984(昭和59)年2月1日のダイヤ改正においては、駅の位置づけとしての貨物操車場(ヤード)が全面的に廃止され(ヤード的機能そのものはこの時点でもいくつかの駅に残される)、貨物列車の1日の本数は、それまでの3204本から一挙に1670本減の1534本となりました。 |
写真26−08 神奈川県の新鶴見操車場です (撮影日 1984年) |
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航空写真で見るとまるで小さな虫の行列のようにも見えるこの物体は、新鶴見操車場に停留されている、貨車群です。といっても仕分けされてこれからどこかへ向かうという列車ではなく、上記の国鉄の貨物輸送の改正とヤードの廃止によって必要がなくなり廃車となる運命の貨車群です。1983年末には85,000両もあった貨車群のうち、45,000両が廃止対象となりました。
一応計算すると、以下の様な数字がはじき出され、国鉄にも、購入する民間団体・個人も利益があるという寸法です。 |
ところが、蓋を開けてみると、この貨車売却商売は、大成功を収めました。その様子を新聞で見ていきましょう。
正式申し込みの前にすでに問い合わせが殺到し、中には全国にチェーン店を持つ外食業者から倉庫として200両から300両の申し込みもあったとのことでした。
貨車売却から、28年。 |
写真26−09 ワム380000形(撮影日11/10/20) |
写真26−10 売却貨車(撮影日 11/10/24) |
左:国鉄時代最後の新造貨車、有蓋車ワム80000形の一部は、JRに移管されたあと、1991年から荷台の強化、側方扉のアルミ化などを施し、紙輸送専用ワム380000形として現在も使われています。ただし最高速度は75km/hです。 |
ついでに、JR貨物全体の貨車保有数とその内訳を掲載しておきます。JR貨車といっても、92%以上がコンテナ車です。 |
究極のスピードアップは・・・スーパーレールカーゴ |
JR貨物の一般的なコンテナ列車の最高時速は、110km/hです。ところが、JR貨物には、1列車(一往復)だけ特別に、最高時速130kmで走る列車があります。 |
写真26−01 コンテナ電車、岐阜貨物ターミナル駅通過 (撮影日 11/11/05) |
「この真っ黒の写真は何だ」、ノートパソコンをご利用の方は、ただの真っ黒に見えているかもしれません。 |
このページでは、JR貨物のコンテナ輸送について、コンテナ貨車・コンテナ・廃棄貨車・スーパーレールカーゴなどを題材にやや詳しく説明しました。 |
【岐阜県の東海道線あれこれ26 岐阜貨物ターミナル駅4 参考文献一覧】
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