岐阜県の東海道線あれこれ25
 岐阜県の東海道線についてあれこれ紹介します。
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 岐阜貨物ターミナル3 岐阜貨物ターミナル駅の概要と着発線荷役 11/10/24記述

 このページでは、岐阜貨物ターミナル駅の概要と着発線荷役について、説明します。
 このページの目次は以下のとおりです。
   ○着発線荷役駅(E&Sの駅)とは  ・「説明図13大阪貨物ターミナル構内配線図
    ・「地図50岐阜貨物ターミナル駅」「説明図14岐阜貨物ターミナル駅構内配線図
    ・「説明図15岐阜貨物ターミナル駅ホーム標準断面図
   ○着発線荷役を可能にした工夫着発線と架線 12/09/14追加記述
   ○トラックとの提携


 岐阜貨物ターミナルは、1986(昭和61)年11月1日に営業を開始しました。この年度はJR最後の年度であり、その最終年に、日本で初めて着発線荷役(E&S)方式の本格的実施という、夢を担って誕生したわけです。

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 着発線荷役駅(E&S方式の駅)とは 

 「着発線荷役(E&S=Effective & speedy Continers Handling system)方式」とはどういうシステムでしょうか?
 
着発線とは、文字通り、貨物列車が到着したり出発したりする線路のことです。また荷役とは、ごく普通にコンテナなどの荷物を積み降しする仕事のことです。
 つまり、着発線で荷役する、コンテナの積み降しをするという意味です。しかし、これだけの説明でご理解下さいというのは無理な話です。
 この説明には、貨物駅・コンテナターミナル駅の「常識」をご存じないと話が進みませんので、ちょっと強調する意味で、次の黒板クイズで学習します。


 ※例によって、黒板をクリックしてください。答が現れます。

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 貨物列車がコンテナターミナル駅でどのような動きをするのか、大阪貨物ターミナルの図面を参照しながら説明します。


参考文献一覧へ

 上の写真は、Google から正式にAPIキーを取得して挿入した、大阪貨物ターミナルの写真です。
 上が北です。貨物駅の南側に隣接している白い細長いものは、車両基地に並んでいる新幹線です。拡大していただくとよく分かります。


  東海道線を走って吹田信号所(旧吹田操車場)方面から入線してきたコンテナ貨物列車は、そのまま着発1~4番線のいずれかに停車します。東海道線ですからここまで牽引してきたのはもちろん電気機関車です。
 ところが、上図にあるように、荷役を行うコンテナホームに面した
荷役線は架線が張ってありません。そこで、コンテナ列車は、ここで電気機関車から切り離され、別のディーゼル機関車に牽引されて荷役1番~6番線のいずれかに入ります。
 この荷役線でコンテナの積み降しが行われます。
 コンテナ列車が出発する時は、到着の時とは逆に、ディーゼル機関車に
着発線まで牽引してもらい、そこで牽引役を電気機関車に交代し、本線へ向かうのです。
 つまり、大阪貨物ターミナルのような通常のコンテナ貨物駅では、着発線と荷役線が別々で、コンテナ列車は、着発線に到着した後、荷役線に牽引されてそこでコンテナの積み降しを行うわけです。この通常の方式には名前は付いていないのですが、便宜上着発線・荷役線別々方式と名付けましょう。


  ちょっと説明がくどくなりますが、岐阜に一番近いところでは、名古屋駅の南にある名古屋貨物ターミナル駅が、この着発線・荷役線別々方式です。写真を見ながら確認をします。

 写真25-01 名古屋貨物ターミナル駅入り口                 (撮影日 11/10/24)

 名古屋駅から分岐するあおなみ線に乗車すると程なく名古屋貨物ターミナル駅につきます。あおなみ線の小本駅・荒子駅・南荒子駅・中島駅に隣接している南北に長いターミナル駅です。北側に入り口があって、南側は行き止まりです。東京貨物ターミナルも、大阪も名古屋も、大都市のコンテナターミナルは、行き止まり方式の駅です。
 この写真は、同駅への入り口です。一番右の2本の線路があおなみ線の上下線です。左側から2本の線路が上電気機関車待機線(上機待線)、中央は上引き上げ線です。
 この写真は、小本駅を出て、カーブしつつ荒子駅へ向かうあおなみ線電車の先頭車両から撮影しています。中央の線路をこのまま進んでディーゼル機関車DD51形に衝突しそうな感じですが、そんなことはありません。 


 写真25-02  着発線北側(撮影日 11/10/24)

 写真25-03  着発線南側(撮影日 11/10/24)

 いずれもあおなみ線電車から撮影した着発線の部分です。右の写真の一番右端に、下機関車待機線(下機待線)に待機中のEF200-10が居ます。


 写真25-04・5 待機中の電気機関車、左EF200-10と、右EF66-113    (撮影日 11/10/24)

 右のEF66-113は、今待機線を出発して、ポイントへ向かうところです。反対側のステップに係員が旗をもって乗って誘導中です。このあと、EF66-113は、たくさんのコンテナ列車を引っ張って、出発していきました。


 写真25-06  荷役線部分                 (撮影日 11/10/24)

 名古屋貨物ターミナル駅の一番南に荷役線があります。荷役線部分も、着発線側(写真の手前)部分には架線があります。しかし、下の写真で明らかなように途中でなくなります。写真中央の3本の線路は仕分け線で、ここには架線は全くありません。
 コンテナ列車は、この部分では、ディーゼル機関車に押されて荷役線や仕分け線に入ります。
 一番右はあおなみ線の南荒子駅と出発して金城ふ頭に向かう電車です。  


 写真25-07・8 一番南の架線柱                        (撮影日 11/10/24)

 中央の架線柱が、荷役線部分の一番南の架線柱です。この地点よりもさらに南に荷役線は広がっていますが、架線はありません。


 荷役線に架線がない理由は、コンテナの積み降しに架線があると作業の邪魔になり、かつ危険だからです。

 しかし、この
着発線と荷役線が別々の方式は、二つの点で、無駄があります。
 第一は、
敷地の問題です。
 コンテナ駅は着発線と荷役線の両方を備えなければならず、それだけ広い敷地が必要となります。現在のコンテナ貨物列車は、最大で26両編成でありこれに機関車を加えると、長さは550m程になります。余裕を見て600m程の着発線・荷役線をつくらなければなりません。
 第二は、
時間の問題です。
 駅に着いたらすぐにコンテナの積み降しというわけではなく、発着線→荷役線(積み降し)荷役線→発着線と機関車を付け替えて移動しなければならず、到着から出発までに時間がかかります。
 東京や大阪のような大都市の拠点駅なら少々時間がかかることは止む得ませんが、岐阜のような東海道線の途中の駅では、できるだけ早く積み降しして、できるだけ早く出発することが必要です。

 そこで、考え出されたのが、
発着線荷役方式というわけです。
 つまり、本線から分岐して
到着した線路(発着線)でそのまま荷役を行い、終わったら、すぐに発車するという方式です。
  ※参考文献5 中島啓雄著『現代の貨物輸送』P64-75

 この方式は、山陽本線の
山口県新南陽貨物駅で実験されてきたもので、1986年11月から、岐阜貨物ターミナル駅だけではなく新南陽貨物駅でも、同時に初めて本格的な運用の開始となりました。
 これによって、岐阜貨物ターミナル駅は
面積的にはコンパクトな構造になり、また、同駅のコンテナ列車の停車時間はおおむね20分から30分ほどに短縮されました。→岐阜貨物ターミナル23「岐阜貨物ターミナル発着・通過列車一覧」参照
 

 着発線荷役
では、上に架線がある着発線上で荷役を行います。架線に触れる危険とかは大丈夫なのでしょうか?更に説明をつづけます。

 ただし、その前に
岐阜貨物ターミナル駅の概要を説明します。 

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 上の地図の写真は、国土交通省のウェブマッピングシステムのカラー空中写真から借用しました。
 →国土交通省ウェブマッピングシステム http://w3land.mlit.go.jp/WebGIS/)

   上の地図50と下の説明図14とでは、対象エリアが少し違います。上の地図は右側(東側)が旧県道173号線の部分までしかありません。西岐阜駅は、さらに右(東)側にあります。 

 岐阜貨物ターミナルの航空写真(地図50)と線路配置図(説明図14)です。上の地図50が正確な位置関係ですから、説明図14は、左右(東西方向)に対して上下(南北方向)が著しく拡大してあります。
 長さ400弱の長大なコンテナホームが2面ありそれぞれ
着発線が付いていますが、そこで荷役を行うため、それ以外の荷役線はありません。上下本線の間には、貨物列車や電車の待避線となる中線があり、また、下り本線と着発1番線の間には、下1番線があります。
 全体として、東海道線の途中駅としては最低限の施設をコンパクトに配置した感じです。  

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 次に中央部の断面図を掲載します。 


 長さは節約できても、横幅は節約するわけには生きません。
 通常のホームとは違ってコンテナホームはかなり広い幅が必要です。岐阜貨物ターミナルの場合でも、
着発1番線と2番線の間に、中央にコンテナ置き場左右にそれぞれトラックの通路帯と作業帯が設定してあり、ホームの幅は35mにもなります。
 コンテナ輸送の課題のひとつは、通常のコンテナ貨物駅はもちろん、発着線荷役方式の駅でも、かなりの土地を必要とし、
「土地生産性」は非常に低いという点にあります。


 ただし、全体としては着発線荷役(E&S)方式の拡大によって、駅の規模はそれまでの貨物駅や操車場よりはコンパクトになり、これによって節約された国鉄用地は、国鉄の債務償還用地としての役割を果たしました。


 写真25-01  岐阜貨物ターミナル駅を東側から撮影しました            (撮影日 11/09/12)

 下り本線の電車の先頭車両からの撮影です。下り本線のすぐ左側が下1番線、電気機関車が停車しているところが発着1番線です。左手分岐して大きくカーブしている線路が着発2番線です。下り本線から右側に分岐しているのは中線(待避線)です。一番右手の黄色い柵の更に右側に上り本線があります。  


 写真25-02  岐阜貨物ターミナル駅を発車するDD51-889牽引の列車     (撮影日 11/09/12)

 この写真は西岐阜駅のホームの西端から撮影したものです。 上の写真25-01よりも更に東側からの撮影です。
 貨物列車は、岐阜貨物ターミナル駅を出発しポイントをわたって、
上り本線(写真の一番右)に向かうところです。撮影の瞬間は、機関車は下り本線の上にさしかかったところです。中央、架線柱の背後は中線(待避線)、一番左端の線路は電気機関車の付け替え等に使う上引き上げ線です。手前の分岐線は西岐阜駅の作業用車両等の留置線です。

 ところで、この列車は、不定期に朝時々
着発1番線に停車し、9時過ぎに出発していきます。時刻表上は、たぶん、試2750列車と思われます。名古屋ターミナル発の稲沢行きで、岐阜で折り返すわけですが、不思議なことに時刻表上は、岐阜貨物ターミナル駅では、荷役は行いません。謎の列車です。


 写真25-03  岐阜貨物ターミナル駅を西側から撮影しました          (撮影日 11/09/12)

  上り本線の電車の先頭車両から撮影しました。上り本線中線下り本線と並んでいます。下り本線へ合流するのは下1番線着発1番線(電気機関車とコンテナ列車が停車中)、右手の草の向こうの線路は下引き上げ線(機関車の入れ替え等に使います)です。
 右手の建物が駅舎です。駅舎は駅構内の西端にあります。
 駅舎の後の方から続いている線路が、
着発2番線です。着発2番線が建物に隠れる所に、構内踏切の表示があります。 


 写真25-04  着発2番線に入線する5060列車                (撮影日 11/10/14)

  着発2番線に入線する、朝08:32着の5060列車(広島貨物ターミナル21:15発、札幌貨物ターミナル行き、着10:59)です。上り本線から、中線・下り本線と渡って、駅構内に入り、一番南側にある着発2番線に入ってきたところです。
 
着発1番線2番線は、どちらが上り列車が利用しどちらが下り列車が利用するとかはいうものではありません。その時の列車の運行・停車の状況に従って、運用されます。 

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 着発線荷役を可能にした工夫

 さて、着発線荷役の詳しい説明の続きです。
 上の説明の大阪貨物ターミナルのような貨物駅で
着発線と荷役線が分離していたのは、架線があっては荷役が難しいことが理由でした。
 それでは、岐阜貨物ターミナルでは、架線のある着発線で、どうやって荷役をしているのでしょうか。
 その工夫の一つが、下の2枚×2組の写真に示されてます。
 それぞれ左右を比べて、何が工夫されているか考えて下さい。写真の組み合わせは、機関車は違っても、1枚は
本線上、1枚は着発線上です。2組とも同じ工夫です。


 写真25-05         (撮影日 11/09/12)

 写真25-06         (撮影日 11/09/12)

 EF210-127に牽引された仙台貨物ターミナル19:55発、広島貨物ターミナル行き(着20:37)の5085列車です。
 左は、西岐阜駅の手前、右は、そのあとで岐阜貨物ターミナル駅に到着し(10:30)、
着発1番線で荷役を行っているところです。右の写真は、上り線を通過中の電車の先頭車両から撮影のため、ピントが今一です。


 写真25-07         (撮影日 11/09/28)

 写真25-08         (撮影日 11/09/28)

 EF200-9に牽引された福岡ターミナル14:57発、西浜松行き(着12:58)の7090列車です。
 左は岐阜貨物ターミナル駅
着発1番線で荷役中、右は、そのあと出発し(09:56)、下り線・中線をまたいで、上り本線に入ったところです。 


 わかりましたでしょうか?
 着発線の架線が、片側の支柱のみからの懸架線によって支えられていることは、簡単にわかります。荷役側に架線柱があったら邪魔で仕方ありません。
 それだけではありません。
 本線と着発線上とでは、パンタグラフの高さが違います。着発線上の方が、パンタグラフが伸びています。つまり、
着発線上は、荷役がしやすいように、架線が少し上の方に張ってあるのです。これが工夫その1です。


 写真25-09 パンタグラフの角度の違い                        (撮影日 11/10/22)

 手前は着発1番線に停車して荷役を行っている、1072列車(宇部発19:02、仙台ターミナル着04:54)です。(岐阜貨物ターミナルの荷役時間13:22-13:56)機関車は、EF210です。その向こうを同じEF210形に牽引された1050列車(福岡ターミナル01:20発、東京ターミナル着19:27)が通過していきます。13:38の光景です。
 パンタグラフの傾きが両機関車では異なっており、架線の高さが異なることがわかります。   


 工夫その2は、駅の方に説明を聞かなければわからなかったことです。9月19日(月)に駅関係者の方からいろいろ聞いてきました。
 それによると、フォークリフトで作業中に、架線に引っかかってしまわないように、フォークリフトのフォークをあげられる高さが物理的に規制されているそうです。つまり、
コンテナの高さを含めて、上部が引っかかるような高さまではフォークは上がらないようになっています

【追加記述】12/09/15に追加記述すました。
 通常の架線高は、5m程にしてあるそうですが、直流区間で着発線荷役を行う貨物駅は、架線の高さをパンタグラフの限界いっぱいの5m40cmにしており、同時にフォークリフトの最大上限を5m04cmとし、4m94cmで自動停止する仕組みが採用されており、荷役中も電気を止めずに荷役し、しかもフォークリフトによる架線引っかけ事故が起きないようにしてあります。
 もっとも、電気を止めずに荷役ができるのは、東海道線・山陽本線・予讃線などの直流1500V区間のみです。13駅が対象です。交流区間は電圧が2万Vをとなっているため、危険を考慮して荷役中は電気を止めます。この区間は、奥羽本線・鹿児島本線・常磐線・東北線・北陸線で、10駅が対象です。(E&S荷役を行う駅は、2012年3月段階で、合計27駅。直流区間13駅、交流区間10駅、非電化区間(根室線釧路駅など)4駅です。
  ※参考文献6 梅原淳著『鉄道・貨物の謎と不思議』(東京堂出版 2012年)P152-153  


 写真25-10 コンテナによる荷物の積み降し                     (撮影日 11/10/22)

 12:42に到着した2071列車の最後尾です。この列車は、折り返し2070列車(岐阜貨物ターミナル16:12発、名古屋ターミナル16:55着)となります。
 フォークリフトは、
コンテナを僅かに30cmほど持ち上げただけで、上手に降ろしていきます。上の架線との間隔はまだ十分に空いています。
 列車への荷役風景は、なかなか写真に撮りづらいシーンです。あくまで駅構外から撮影するとすると、列車が邪魔になってなかなかうまく撮影できません。この写真は、たまたま最後尾車両の一番後のコンテナの積み降しだったので、横からの撮影に成功しました。  


 写真25-11  荷役中の状況を岐阜シティータワー43から撮影       (撮影日 11/09/18)

 地平からの撮影が難しいなら、思い切って上からというわけで、岐阜駅そばの岐阜シティータワー43の最上階から駅構内を撮影してみました。ただし、この日の5085列車(仙台貨物ターミナル19:55発、広島ターミナル行き、着20:37)は、コンテナの積み降しはほんの数個で、ビルの最上階から待ち構えた割には、あまり大きな動きは撮影できませんでした。
 ホーム中央のコンテナ置き場は、コンテナが横に5列も並べられており、 説明図15のスペース配分に比べると、フォークリフトの荷役場所(旋回し積み降ろす)は狭くなっていますが、運転手さんたちは見事に荷役を行っています。 

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 トラックとの連携

 岐阜貨物ターミナル駅の役割は、貨物列車への荷役を迅速に行うだけではありません。
 岐阜県内には、貨物を扱っている駅は、この
東海道線岐阜貨物ターミナル駅と、もうひとつ、中央線多治見駅があるだけです。ということは、ここで積み降ろしされる荷物は、すべてトラックによって岐阜県内を中心として近隣県の荷主へも運ばれなければなりません。
 つまり、鉄道輸送にとってトラック輸送は本来ライバルでありながら、鉄道輸送の利点である長距離高速輸送を生かして一定シェアを確保するためには、ライバルであるトラック輸送に依存して、トラック輸送とうまく連携して、その配送ネットワークを作り上げなければならないわけです。
 このため、岐阜貨物ターミナル駅にも、多くのトラックが出入りし、特に
日本通運濃飛倉庫運輸は、駅構内に事務所があると同時に、駅隣接地に配送センターなどの巨大な設備を持ち、鉄道輸送と密接な提携関係にあります。
 駅の方に聞いてみました。

「東海道線では貨物の取扱はこの岐阜貨物ターミナル一つですし、隣の滋賀県の東海道線には貨物駅は一つもありません。滋賀県もいわゆる営業エリアになっているわけですか?」

駅員

「滋賀県からの荷物も当駅で扱っています。」

「駅から何キロ以内はどの駅の縄張りという形で決まっているのですか?」

駅員

「そういう取り決めはありません。あくまで荷主の意向次第です。どこの地域の方がどういう都合でこの駅を利用されるかは、すべて荷主の意向次第です。」

 なるほど、JR貨物はお役所ではありませんから、あくまでお客様の意向次第というわけです。

参考文献一覧へ

 写真25-12         (撮影日 11/09/19)

 写真25-13         (撮影日 11/09/19)

 岐阜貨物ターミナル駅の入り口です。たくさんのトラックが行き交います。駅構内には日本通運と濃飛倉庫運輸の事務所棟もあります。


 写真25-14         (撮影日 11/09/18)

 写真25-15         (撮影日 11/09/19)

 岐阜貨物ターミナル駅の周囲にも、濃飛倉庫運輸や日本通運の配送センターなどの施設が集まっています。巨大な建物は、濃飛倉庫運輸岐阜総合輸送センターです。


 この着発線荷役方式の貨物ターミナル駅は、1986年11月開業の岐阜貨物ターミナル駅と新南陽貨物駅を皮切りとして、その全国に次々と建設され、2011(平成23)年3月の時刻表改正段階では、全国で27駅がこの方式を採用しています。将来的には40ほどの貨物駅が着発線荷役方式となる計画だそうです。
 現在建設中の
吹田貨物ターミナル駅や、建設が決まった米原貨物ターミナル駅もこの方式となる予定です。
 
 次ページでは、さらに詳しくコンテナ輸送とJRの貨物輸送について説明します。 


 写真25-16         (撮影日 11/10/10)

 写真25-17         (撮影日 11/10/10)

 京都貨物駅です。2011年3月までは梅小路貨物駅でしたが、改称されました。1990年に着発線荷役ホームを開設しています。
 左は京都駅の次の旅客駅、西大路駅のホームからの撮影です。右は下り電車の中から撮影した、
着発線荷役ホームです。


 【岐阜県の東海道線あれこれ25 岐阜貨物ターミナル駅3 参考文献一覧】
  このページの記述には、主に次の書物・論文を参考にしました。

日本貨物鉄道株式会社貨物鉄道百三十年史編纂委員会編『貨物鉄道百三十年史 上・中・下巻』(日本貨物鉄道株式会社 2007年)

 

日本貨物鉄道株式会社写真で見る貨物鉄道百三十年編集委員会編『写真で見る貨物鉄道百三十年』(日本貨物鉄道株式会社 2007年)

社団法人鉄道貨物協会編『2011 JR貨物時刻表 平成23年3月ダイヤ改正 創立60周年記念号』(鉄道貨物協会 2011年)

鉄道ジャーナル取材班「鉄道貨物輸送のシステムと現状」『鉄道ジャーナル2005年5月号』

  中島啓雄著『現代の貨物輸送』(成山堂書店 1997年)
  梅原淳著『鉄道・貨物の謎と不思議』(東京堂出版 2012年) 


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