岐阜県の東海道線あれこれ25 |
岐阜県の東海道線についてあれこれ紹介します。 |
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岐阜貨物ターミナル3 岐阜貨物ターミナル駅の概要と着発線荷役 11/10/24記述 |
このページでは、岐阜貨物ターミナル駅の概要と着発線荷役について、説明します。 |
岐阜貨物ターミナルは、1986(昭和61)年11月1日に営業を開始しました。この年度はJR最後の年度であり、その最終年に、日本で初めて着発線荷役(E&S)方式の本格的実施という、夢を担って誕生したわけです。 |
着発線荷役駅(E&S方式の駅)とは |
「着発線荷役(E&S=Effective & speedy Continers Handling system)方式」とはどういうシステムでしょうか? |
※例によって、黒板をクリックしてください。答が現れます。 |
貨物列車がコンテナターミナル駅でどのような動きをするのか、大阪貨物ターミナルの図面を参照しながら説明します。 |
上の写真は、Google から正式にAPIキーを取得して挿入した、大阪貨物ターミナルの写真です。 |
東海道線を走って吹田信号所(旧吹田操車場)方面から入線してきたコンテナ貨物列車は、そのまま着発1~4番線のいずれかに停車します。東海道線ですからここまで牽引してきたのはもちろん電気機関車です。 |
ちょっと説明がくどくなりますが、岐阜に一番近いところでは、名古屋駅の南にある名古屋貨物ターミナル駅が、この着発線・荷役線別々方式です。写真を見ながら確認をします。 |
写真25-01 名古屋貨物ターミナル駅入り口 (撮影日 11/10/24) |
名古屋駅から分岐するあおなみ線に乗車すると程なく名古屋貨物ターミナル駅につきます。あおなみ線の小本駅・荒子駅・南荒子駅・中島駅に隣接している南北に長いターミナル駅です。北側に入り口があって、南側は行き止まりです。東京貨物ターミナルも、大阪も名古屋も、大都市のコンテナターミナルは、行き止まり方式の駅です。 |
写真25-02 着発線北側(撮影日 11/10/24) |
写真25-03 着発線南側(撮影日 11/10/24) |
いずれもあおなみ線電車から撮影した着発線の部分です。右の写真の一番右端に、下機関車待機線(下機待線)に待機中のEF200-10が居ます。 |
写真25-04・5 待機中の電気機関車、左EF200-10と、右EF66-113 (撮影日 11/10/24) |
右のEF66-113は、今待機線を出発して、ポイントへ向かうところです。反対側のステップに係員が旗をもって乗って誘導中です。このあと、EF66-113は、たくさんのコンテナ列車を引っ張って、出発していきました。 |
写真25-06 荷役線部分 (撮影日 11/10/24) |
名古屋貨物ターミナル駅の一番南に荷役線があります。荷役線部分も、着発線側(写真の手前)部分には架線があります。しかし、下の写真で明らかなように途中でなくなります。写真中央の3本の線路は仕分け線で、ここには架線は全くありません。 |
写真25-07・8 一番南の架線柱 (撮影日 11/10/24) |
中央の架線柱が、荷役線部分の一番南の架線柱です。この地点よりもさらに南に荷役線は広がっていますが、架線はありません。 |
荷役線に架線がない理由は、コンテナの積み降しに架線があると作業の邪魔になり、かつ危険だからです。 |
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岐阜貨物ターミナルの航空写真(地図50)と線路配置図(説明図14)です。上の地図50が正確な位置関係ですから、説明図14は、左右(東西方向)に対して上下(南北方向)が著しく拡大してあります。 |
次に中央部の断面図を掲載します。 |
長さは節約できても、横幅は節約するわけには生きません。 |
ただし、全体としては着発線荷役(E&S)方式の拡大によって、駅の規模はそれまでの貨物駅や操車場よりはコンパクトになり、これによって節約された国鉄用地は、国鉄の債務償還用地としての役割を果たしました。 |
写真25-01 岐阜貨物ターミナル駅を東側から撮影しました (撮影日 11/09/12) |
下り本線の電車の先頭車両からの撮影です。下り本線のすぐ左側が下1番線、電気機関車が停車しているところが発着1番線です。左手分岐して大きくカーブしている線路が着発2番線です。下り本線から右側に分岐しているのは中線(待避線)です。一番右手の黄色い柵の更に右側に上り本線があります。 |
写真25-02 岐阜貨物ターミナル駅を発車するDD51-889牽引の列車 (撮影日 11/09/12) |
この写真は西岐阜駅のホームの西端から撮影したものです。 上の写真25-01よりも更に東側からの撮影です。 |
写真25-03 岐阜貨物ターミナル駅を西側から撮影しました (撮影日 11/09/12) |
上り本線の電車の先頭車両から撮影しました。上り本線、中線、下り本線と並んでいます。下り本線へ合流するのは下1番線と着発1番線(電気機関車とコンテナ列車が停車中)、右手の草の向こうの線路は下引き上げ線(機関車の入れ替え等に使います)です。 |
写真25-04 着発2番線に入線する5060列車 (撮影日 11/10/14) |
着発2番線に入線する、朝08:32着の5060列車(広島貨物ターミナル21:15発、札幌貨物ターミナル行き、着10:59)です。上り本線から、中線・下り本線と渡って、駅構内に入り、一番南側にある着発2番線に入ってきたところです。 |
着発線荷役を可能にした工夫 |
さて、着発線荷役の詳しい説明の続きです。 |
写真25-05 (撮影日 11/09/12) |
写真25-06 (撮影日 11/09/12) |
EF210-127に牽引された仙台貨物ターミナル19:55発、広島貨物ターミナル行き(着20:37)の5085列車です。 |
写真25-07 (撮影日 11/09/28) |
写真25-08 (撮影日 11/09/28) |
EF200-9に牽引された福岡ターミナル14:57発、西浜松行き(着12:58)の7090列車です。 |
わかりましたでしょうか? |
写真25-09 パンタグラフの角度の違い (撮影日 11/10/22) |
手前は着発1番線に停車して荷役を行っている、1072列車(宇部発19:02、仙台ターミナル着04:54)です。(岐阜貨物ターミナルの荷役時間13:22-13:56)機関車は、EF210です。その向こうを同じEF210形に牽引された1050列車(福岡ターミナル01:20発、東京ターミナル着19:27)が通過していきます。13:38の光景です。 |
工夫その2は、駅の方に説明を聞かなければわからなかったことです。9月19日(月)に駅関係者の方からいろいろ聞いてきました。 |
写真25-10 コンテナによる荷物の積み降し (撮影日 11/10/22) |
12:42に到着した2071列車の最後尾です。この列車は、折り返し2070列車(岐阜貨物ターミナル16:12発、名古屋ターミナル16:55着)となります。 |
写真25-11 荷役中の状況を岐阜シティータワー43から撮影 (撮影日 11/09/18) |
地平からの撮影が難しいなら、思い切って上からというわけで、岐阜駅そばの岐阜シティータワー43の最上階から駅構内を撮影してみました。ただし、この日の5085列車(仙台貨物ターミナル19:55発、広島ターミナル行き、着20:37)は、コンテナの積み降しはほんの数個で、ビルの最上階から待ち構えた割には、あまり大きな動きは撮影できませんでした。 |
トラックとの連携 |
岐阜貨物ターミナル駅の役割は、貨物列車への荷役を迅速に行うだけではありません。
なるほど、JR貨物はお役所ではありませんから、あくまでお客様の意向次第というわけです。 |
写真25-12 (撮影日 11/09/19) |
写真25-13 (撮影日 11/09/19) |
岐阜貨物ターミナル駅の入り口です。たくさんのトラックが行き交います。駅構内には日本通運と濃飛倉庫運輸の事務所棟もあります。 |
写真25-14 (撮影日 11/09/18) |
写真25-15 (撮影日 11/09/19) |
岐阜貨物ターミナル駅の周囲にも、濃飛倉庫運輸や日本通運の配送センターなどの施設が集まっています。巨大な建物は、濃飛倉庫運輸岐阜総合輸送センターです。 |
この着発線荷役方式の貨物ターミナル駅は、1986年11月開業の岐阜貨物ターミナル駅と新南陽貨物駅を皮切りとして、その全国に次々と建設され、2011(平成23)年3月の時刻表改正段階では、全国で27駅がこの方式を採用しています。将来的には40ほどの貨物駅が着発線荷役方式となる計画だそうです。 |
写真25-16 (撮影日 11/10/10) |
写真25-17 (撮影日 11/10/10) |
京都貨物駅です。2011年3月までは梅小路貨物駅でしたが、改称されました。1990年に着発線荷役ホームを開設しています。 |
【岐阜県の東海道線あれこれ25 岐阜貨物ターミナル駅3 参考文献一覧】
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