現物教材 世界史12

 原始・古代・地域世界010  人類の進化 旧石器時代人等の頭部実物大説明図          | 目次へ

 この教材は、1年の授業の一番最初の部分で、「世界史の授業はおもしろいぞー」と印象づけるための小道具です。絶対にこのようにしなければならないという類のものではありませんが、使用すれば効果絶大です。
 
 通常、世界史及び日本史の教科書の冒頭の部分には、次のような類人猿から現代人までの頭部の比較が掲載されています。




 この人類の進化の図からは、頭部の脳の部分と顔の部分の比率が変化し、人類の脳が発達したことがよく分かります。
 しかし、普通に教科書を使えば、それで終わってしまいます。この内容をインパクトを与えつつ教えるには、どのようにすればいいでしょうか?


1 ちょっと余分な説明  この教材の意義の説明                     | このページの先頭へ

 ちょっと大げさな寄り道です。
 
 この学習は、「世界史B」科目なら、1年間に140時間も実施する授業の冒頭の部分です。何においても、「最初が肝心」という理屈は普遍です。
 授業においては、1年間の授業の最初のシリーズで、次のことを生徒諸君に強くアピールしなければなりません。

この「世界史B」の授業は、あなた方に何かを与える授業である。
 ・よく分かる授業である。
 ・これまでにない感動を与える。意外性がある。
 ・とにかく面白い。
 ・目から鱗の話が一杯ある。

この「世界史B」の授業は、クラスのみんなの成長や人間関係の形成を促すものである。
 ・みんなの学び合いの場となる。
 ・クラスの中で自分の存在感を確認でき、クラスの仲間との意見を交換できる。
 

この「世界史B」の授業は、自分が成長できる、ためになる授業である。
 ・知のネットワークが広がり、自分の世界が広がる。
 ・これからの社会に生きていく知恵や力が身につく。
 ・自己のアイデンティティの形成につながる。

 このホームページでは、これまでも歴史の授業の最初のシリーズを盛り上げるためのいろいろな手法やグッズを紹介してきました。少し例を挙げると次のとおりです。

 頭骨のプラモデル、火起こしセット、酒に強いか弱いか判定セット、土器セットなどの現物教材→

 縄文と弥生・日本の地域差を考えるシリーズ、ナウマン象シリーズなど謎解き発問(クイズ) 

 以下の、自分や日本人のアイデンティティを哲学する「目から鱗の話」

   ○酒が強い人弱い人の全国分布→  ○人類とは何か、どこで誕生したか→  ○旧石器捏造事件→


2 頭部実物大説明図の紹介                           このページの先頭へ

 今回は、一番素朴なグッズを取り上げます。
 それが、上記の「人類の進化 ゴリラから新人までの頭骨の変化」を実物大にしたものです。
 下をご覧ください。 



 今回の実物教材の威力は、次の2点です。
   1 実物の迫力=それが与える驚き
   2 説明図の中に私自身の画像が入っている=学問的テーマから日常的な話題への転換
 
 1はごく普通の発想です。そして、2は私が強調する「リアリティ」です。具体例があればあるほど、学習内容の理解が進み、日常との融合が起こりやすくなります。 


3 実物大教材の作製                          このページの先頭へ

 この実物大の教材を作る方法を紹介します。
 このページのもう一つのねらいは、これにあります。
 コピー機でも、ポスター作成用の印刷機でも、市販のものはいくつも販売されています。難点は一つ、高価なことです。
 また、キャノンのプリンターには、ポスター印刷機能があり、通常のA4版の印刷を、A4版縦○枚×横○枚に拡大することができます。これは費用はかかりませんが、残念なことに、倍率は紙の大きさに比例して変倍するため、微妙な調整は難しくなります。
 そこで、紹介するのが、
SOURCE NEXT の製品、ズバリ巨大プリントです。価格は1,980円です。

 このソフトでは、簡単な操作で倍率を変更し、実物大にあわせることも簡単です。


 説明1   説明2 

 印刷する手順はおおむね次のとおりです。

 最初に用紙設定で、完成時の紙の大きさを指定します。横=A4紙縦○○枚分、縦=A4縦○○枚分、といった具合です。横3枚×縦2枚なら、3×2=6枚分への印刷となります。
 今回の実物大人類では、それほど大きな拡大ではありませんので、2×1=2枚の設定です。

 処理したいファイルを読み込みます。

 上の説明1の画面では、読み込んだファイルが2400%の拡大に設定されています。ファイルを読み込むとソフトがおおむね妥当な倍率に設定してくれます。後は微調整です。

 

 説明2は、印刷画面での確認のところです。
 2×1=2枚の用紙設定に、2400%の倍率で、このようになります。実物大です。

 あとは、印刷をクリックすれば、ちゃんと2枚分に分けて印刷がなされます。
 もちろん、その2枚のA4用紙を、のりしろに従って接着すればそれで完成です。非常に簡単です。


 最後に購入案内です。
  ソースネクスト SOURCE NEXT http://www.sourcenext.com/
  
ズバリ巨大プリント http://www.sourcenext.com/products/kyodai/  

 先にも書きましたが、価格は、1980円です。ただし、パッケージ版はなく、ダウンロード版しかありません。