人類がどこで誕生したかは、高校の世界史の教科書レベルには詳しくは書かれ
アフリカを南北に貫く「大地溝帯」。幅30qから60q、長さ6000qに及ぶ、大陸移動によって生じた大地の裂け目。現在も多数の大きな湖や火山が連なっている。
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ていません。しかし、通説では、アフリカ東部のエチオピアからタンザニアにいたる大地溝帯で、古い化石が発見されていることから、その地のサバンナでもとは森に住んでいたサルが直立二足歩行し、人間になったと考えられています。
※直立二足歩行については、何だこりゃ「直立二足歩行のプラスとマイナス」
現在に至るまで人類の誕生を考える主流の説では、この大地溝帯で起きた自然環境の変化が、人類の誕生を促しました。その概略を説明します。
今からおよそ500万年前から250万年ほど前の間、それまでアフリカの中央地帯と同じくジャングルに覆われていたこの地に大規模な断層の活動が起き(といっても1年に数o程度の変化ですが)、大地溝帯の東側はしだいに乾燥化していきます。これによってこの地は、現在の様なサバンナへと変容していきました。
この地でそれまで豊かな森の中で過ごしていた人類の祖先のサルは、新しい環境に適応すべく進化を遂げました。
つまり、それまでのジャングルとは違い見晴らしのいい、反対に言えば危険の多いサバンナで、獲物と敵を見つけるためにあたりを気にしながら暮らすことを余儀なくされたサルたちは、「より遠くを見ることが有利」という要因によりより目線を高める方向へ進化していきました。そして、ついに、彼らは、直立二足歩行という形態を手に入れ、人類の祖先となったのです。
そして、この人類の祖先がその後世界各地に移住し、現在の我々につながっていったのです。
余談ですが、遠くを見るためにすくっと立ってくれたおかげで、今のような外観を持
今から200万年前の人類、アウストラロピテクスの化石の模型。明治大学考古学の博物館所蔵。 |
つにいたったわけで、これが少々違っていたら、首だけが伸びたキリンと同じだったり、眼だけがにゅうっとのびたへんてこな生物になっていたかもしれません。
ついでにいえば、人類の祖先のサルと同じ頃に生きていたサルで、そのまま森の中にとどまったものがいました。彼らはやがていくつかに分化し、現在に至りました。これが人類と最も似通った生物とされている類人猿、すなわち、ゴリラ・チンパンジー・ボノボ(ピグミーチンパンジー)です。
この「サバンナ説」は、ごく常識的な社会科の先生の授業では必ず登場し、従ってそれを習った多くの方の常識となってきました。私自身も、これまでの授業では基本的には、この発想で教えてきました。
そして、
人類誕生はいつ頃かというと、これも、自分の高校生時代も含めて、1980年代までは、「今から200万年前」と教えられてきました。
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