2003-3     

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049 2003年3月1日(土)  48歳、20年目、30年前                 メニューへ 

 先週、私の誕生日でした。未年で今年が歳男ですから、48歳です。

 前の日に妻が、
「明日は誕生日でしょう。誕生日ぐらい早く帰って来て、一緒にケーキを食べよ。」
「いいよ。いまさら。無理して早く帰ってくると次の日が大変だから。」
「来年は、K(長男)が大学へ行ってしまうと、家族バラバラになるし、もう最後かもしれないし・・・。」
「う〜ん、分かった、早く帰ってくる。」

 ケーキは、定番のイチゴケーキでした。
「私の誕生日に22本のローソクを立て、ひとつひとつがみんなきみの人生だねっ言って、17本目からは一緒に火を付けたのは・・・・」って思わず口ずさむと、

でっかいローソク4本、ちっこいローソク8本



「はいはいでは、ちょうど20年前の、おとーさんが28歳から一緒にいますから、ちょうど大きなローソク2本に火を付けましょう。」
 まあ、48本も立てるわけには行きませんから、それぐらいでちょうどいいでしょうか。

 「とーチャン、いつもあんまり食べないから、僕に頂戴。」
 余った部分は、イチゴごと強奪されました。 
 
 ある友人から、
 「誕生日ってのは、いくつになっても誰かに祝ってもらうためにあるんですね。今そこにある、その人の存在を言祝ぐ日。頑張って生きてきたね、よくぞ今生きているね、あなたと出会えてうれしいというメッセージを発信してもらう日なんですね。」
っていう名言をもらいました。

 まあ、そう頑張ってはいないけれど、祝ってもらって、ちょっとぐらい過去と未来を考える日にはなりました。

 今日、3月1日は、長男Kの高校の卒業式です。
 30年前、自分が卒業した学校と同じ学校を、今度は彼が卒業して行きます。

 高校の卒業式は、中学校の合唱ありとかいろいろ手の込んだ式とは違って、卒業証書授与と式辞と送辞と答辞のだけの簡素なものです。

 式辞や答辞には、いつの時代でも、卒業して出てゆく社会が困難で満ちた社会となっています。自分たちの時も、20年前も、そして、あのバブルの時も、いつも決まり文句は「この激動の時代」です。

 平穏な今など、いつの世にもありません。
 困難を乗りこえて、自分の夢に向かって、積極的にまた謙虚に、努力していってくれることを願うばかりです。
 

卒業生退場の時、暗幕がさっとひかれて、窓には生徒手製のステンドグラスが登場。


 長男は、父の姿を見たからか他の理由からか、将来「教師になる」といって、遠隔地の大学へ行く予定です。すでに一つ受かった私立大学も、今発表待ちの国立大学も、いずれもそういう関係の遠隔地の学部です。

 私の母が目を細めて言いました。
 「あんたもそうやって、18歳の時、初めて家を離れて下宿したんだねー。もうあれから、30年か。」

 春はいつでも、別れる時、そして次の希望へ向かって進む時。


050 2003年3月9日(日)  遠いところでアパート探し              メニューへ  

 またまた、私的なお話しで、申し訳ありません。
 長男Kが無事大学に合格しました。御世話になった先生方、本当にありがとうございました。

 3月7日が合格発表でした。
「発表見に行くのか?」
「いや、遠いし。インターネットで発表されるから、見に行かない。」

 時代は変わったもんです。合格発表日の12時に、大学のサイトに、受験番号が発表されるというのです。昔のように、「合格発表を見に行く」といった手間のかかることはせずすみます。感動がないといえば、それまでですが・・・。
 長男からは、もう12時2分には合格の電話がありました。
 
 今日は、新幹線ではるばるアパート探しです。
 自分の30年前の経験では、大学の学生課に壁に貼りだしてある「下宿」の紹介状を見て、現地に行って、大家さんと交渉して、大学の生協で家財道具を買って・・・・・。これは大変な一日になると思っていたのですが、ことは以外と簡単でした。
 
 東京とか京都とか、一つの都市にいくつも大学のあるところとは違って、長男の大学は、一つの市に一つの大学(たぶん?)しかない独占状態のところです。
 すべて、大学生協が、差配してくれる世界でした。

 大学生協に到着順に、物件の選択、生協借り上げの無料タクシーでの下見、戻っての正式契約、生協加入と、すべて、流れ作業です。
 案内の生協職員やアルバイトも、全くなれた手つきで、とまどう保護者にはとても頼もしい限りでした。

 しかし、これもまた、古いことをいっていてはいけませんが、便利な代わりに、お金が、お金が、まるでばたばたというかんじで跳んでいきます。

 すでに、受験の時のホテルからして、違っていました。
「あのなー、とーちゃんは、昭和48年の受験の時、1泊2食付き1800円、3泊で5400円の宿だったのだぞ。」
「ひとりで」
「ばかなこというな。小学生用の修学旅行の宿で、16畳ぐらいの部屋に、8人の相部屋だった。」
「今の時代は、1泊1万5千円から2万円が相場だね。」

「おとーさん、残念ですが、合格発表日から3日目ですから、すごくいい物件は、もう契約済みです。条件としてはご不満もあるかと思いますが、こんなところでしょうか。」

 協議の結果、第1候補、第2候補の二つを決めて、タクシーで出発です。

家賃38000円のアパート

とにかくしっかり勉強しておくれ。



 結局、大学から2.9q、自転車15分のところの、比較的広くて、バス停からもそんなに離れていなくて、値段のそう高くないという、ぼちぼち物件に決めました。
 8畳の洋間とキッチン・トイレ・風呂で、家賃は、公益費含めて、3万8000円でした。
「とーちゃんの4畳半の下宿は、1万円だった。」

「この物件は大家さんから生協が管理を委託されており、生協管理物件です。契約条件として、鍵の交感費6800円、保険加入(4万3000円)をお願いします。」

 契約が済んだら、家財道具の調達です。
「ここに展示してあるものも含めて、すべてカタログに掲載していりますので、ご家庭でよくお考えの上、コード番号を申込書に書いて郵送で申し込み願います。」
「電化製品、いす机、ベッド、ノートパソコン、自転車・・・・」
 ハイハイ、またまた、10万単位でどっさり出費ですね。

「とーちゃん、それから、今週中に、入学手続き書類を送って学費の一部を払わないかん。」
「学費って、いくらだ。」
「入学金28万2000円、授業料前期後期合わせると、52万400円」
「何ということは、4年間で、236万3600円!!」

「とーちゃんの時代はいくらだった?」
「ははは、入学金2万4000円、1年の授業料3万6000円。4年間合計で、大学へ納めた総額は、16万8千円だった。」

 冷静に考えると、30年前と比べると、学費が一番値上がりしたことになりましょうか。
 私の時は、大学卒業時の教員の給料が、9万円ちょっとでした。学費は、給料2カ月分より少なかった計算です。今は、初任給の10数倍です。

 こりゃ、長男K、大学入って遊びほうけていたら、許さねーぞ。


051 2003年3月15日(土)  ヤッフー・オークションで教材ゲット            メニューへ  

 現物教材を紹介しているサイトの数は、かなりの多さです。しかも、紹介している現物教材の数が半端じゃないものもたくさんあります。あまり多すぎて、1年間の授業で全部見せるとすると、毎時間いくつもバスケットに入れて運ばなければならないくらいの数のものもあります。

 その中で、幾分出遅れたこの「未来航路」としては、いくつかの点で、特色を出さなければ、存在意味がありません。私自身は、次の点を売りにしています。

  1. 単なる現物教材の紹介だけではなく、その教材の持つ意味、言い換えれば、「敢えて高価なお金を払って入手し、教室へ持ち込んで生徒に見せる意味」を書き添えて紹介しています。何しろ教材費はほとんど自弁ですから、よほど効果がないと意味がありません。高いものであればあるほど、単なるインテリアというわけにはいかないのです。

  2. ただの紹介だけではなく、その教材を入手する方法も紹介しています。授業構成に悩んだ先生が、夜中に「未来航路」を見ても、すぐに「発注」できるよう、できるだけインターネットのサイトでの入手方法も紹介しています。よく、「ヨーロッパへ行って買ってきました」とか紹介される人がいますが、そういわれても、ヨーロッパへ行くあてもない人は、どうしようもないからです。
    誰でもどこでも手に入れることができる教材だからこそ、紹介する意味があるのです。

 しかし、この二つを売りとした結果、ちょっとまずいことも起こってきました。
 1と2のうち、とくに2の条件がなかなかきつくて、自分が今所有している教材をなかなか紹介することができないという状況が生まれてきたのです。

 打開の道を探していたところ、一ついい方法がありました。
 それが、インターネット・オークションを利用する方法です。

 この方法を私に教えくれたのは、平成14年度に岐阜県の地歴公民科教員に採用された、つまり初任者の、K工業高校のT教諭です。
 さすがは、若い世代です。私どもが気が付かないこの方法で、彼は清朝時代の阿片パイプだの、1920年代のインフレマルク紙幣だのいろいろなものを手に入れて、授業で登場させています。

 早速この方法でかねてから欲しかったものを狙ってみました。
 「yahoo Japan」のトップページに、「オークション」という項目があります。ここには、まさしくあらゆるジャンルの無数の商品がオークションに出品されています。
 一つ一つ見て探していてはとても大変ですので、「検索」を使って、今回のねらいの、「ベルリンの壁」をサーチしてみました。
 すると、ちゃんと出品されていました。
 100円が最低価格の「ベルリンの壁のかけら」に早速入札です。

 商品紹介ページの入札価格を入れるところに価格を入れればいいのですが、その前に自分の名前をYahoo・Auction自体に登録して、会員にならなければなりません。
 これは、本人確認という意味と、Yahoo・Auctionに参加するするための参加料の納入という意味の二つからです。
 自分のe−mail addressと毎月200円を納めるための口座番号を登録し、Yahoo・Auctionから確認メールが来て、パスワードによって登録された私個人が、Yahoo・Auctionサイトに認識される仕組みです。手続きは、15分もあれば完了です。

 この手続きを済ますと、いよいよオークションに参加できます。
 最終期限が設定されていて、その時点で最高価格の入札者が落札者ということになり商品を買う権利を得るという、普通のオークションの仕組みです。

 私の狙った「ベルリンの壁」には、期限の3日前から参加しました。
 最低価格100円から入札でしたが、その時すでに入札者がいて、1500円の価格が付けられていましたので、とりあえず、1600円の価格を入れました。
 次の日の夜見ると、もうそれ以上の価格になっていて、私は権利を失っていました。結局どうも私を含めて3人が争い、2620円を付けた私が最高価格のとなり、落札者となったのでした。
 
 設定されている締め切り時間が過ぎると、落札者にはYahoo・Auctionからその旨のメールが届きます。そして、出品者からも、振り込み口座や送料・商品の送り方などの通知があって、こちらから送金します。
 出品者が入金を確認し商品を送付、無事に届いて取引完了です。落札後1週間で無事終了しました。

 インターネット・オークションは、落札者の不払い、出品者の商品の未発送、おくられてきた商品の不良、発送をめぐるトラブルとか、いろいろ難点もありますが、私が欲しいような、「趣味的なレアもの」をゲットするには、なかなかいい手段といえます。
 ※ゲットしたベルリンの壁のかけらの実物は、現物教材世界史編参照
 ※ベルリンの壁の説明は、世界史クイズ現代編「ベルリンの壁の犠牲者の数は?」をご覧下さい。

 
 次の日に、機関車「弁慶号」もゲットしちゃいました。また後日、現物教材コーナーで紹介します。


052 2003年3月21日(金)  ヤッフー・オークションで教材ゲット2          メニューへ  

 オークションによって欲しいものを手に入れることは、便利な面もありますが、もちろん、危険な面があります。
 今日は、人から聞いたり自分が経験したりした「危険性」について、触れておきます。

危険性その1
 まずは、自分の経験した危険です。
 オークションですから、ライバルがいなければ、安く手に入れることができますが、競争になると当たり前ですが結構高いものになっていきます。私が手に入れたいような「趣味のもの」・「レアもの」は、ことにそうなる危険性があります。

 先週の「ベルリンの壁」に関しては、競争相手がそれほどご執心ではなかったので、2620円で落札できました。次の日の弁慶号も、全く競争者なしで3800円でしたから、とくに不満はありません。
(妻が「何でそんなものが3800円」と怒るのは、価値観の相違です。(--;))
 ※弁慶号の紹介はこちら
 
 ところが、今週の「1920年代のインフレマルク」のオークションは失敗しました。(と思います。)
 インフレマルクの詳しい紹介は商品が届き次第やりますが、とりあえずの説明をします。

 現物教材「ドイツインフレマルク」というのは、第一次世界大戦に負けたドイツで経済状態が悪化し、1920年代に「天文学的インフレ」が生じてしまった時に発行されたマルク紙幣です。1914年と1923年を比較すると、マルクの価値はおよそ1兆分の1になってしまったため(つまり逆に言えば物価がおよそ1兆倍になったため)、日常生活で使われるマルク紙幣として、ずいぶん高額な紙幣が発行されたのです。

 オークションでは、1枚が「5000万マルク」という紙幣が出ていました。ほかにも、2500万まるくから、ごく普通の5マルク(これはまだインフレが始まる前のものですね)まで、同じコイン会社がいろいろ出品していました。

 私の勝手な想像で、「5000万マルクと5マルク。これを授業で見せれば、きっと面白い目から鱗の授業ができる」と思いました。

 最低落札価格は、両方とも100円です。
 あと1日と言うところで、150円の入札をしました。ライバルはなしです。午後10時6分が締め切りというその日の午後9時に見ると、両方とも160円でした。「ライバルがいる!!」
 作戦を考えました。「締め切り間際になってちょっと高い金額で入札し、逃げ切ろう。」

 10時4分に、どちらも300円で入札。最高価格を握ってこのまま逃げ切り、と思いきや、なんと、終了時刻が勝手に延長されてしまいました。その間に、ライバルが値を上げます。

 ヤッフー・オークションのシステムがそうなのだと思いますが、終了間際に入札があった場合は、終了時刻が数分間ずつ延長されていくようです。もちろん、出品者が変更できる場合もあるそうですが、今回は「自動延長」のシステムが働いたようです。 

 ライバルとのバトルになると、誰しも、「闘争本能」がもたげてきて、引くに引けなくなります。
 平常心を失って、相手が沈黙するまで、やりあってしまいました。
 落札しましたよ。もちろん。

 その価格は、5000万マルク紙幣=2200円、5マルク紙幣=2000円。合計4200円です。(T_T)
 これは、正直、高い買い物をしてしまったようです。妻には言えません。
 ヒート状態になると、「ここは引いて次に回そう」ということはできない性格であることが、もろ災いしました。(紙幣ですから、送料が普通郵便になることだけがせめてもの慰めです。)

 出品者は、自分で入札して値をつり上げることはできない仕組みになっていますが、「出品者のサクラ」というのがいたら、これはもう、ボロ儲けになります。どなたか組んでやりますか?(いけない、いけない)
 
危険性その2
 希望どおりの価格で落札しても、あとでひどい目を見るという例を職場の友人から聞きました。危険性その2は、送料をめぐるトラブルです。
 
 友人Aさんは、ちょっと大きめの家具を8000円ぐらいでお値打ちに落札し、出品者と商品の送付について確認しました。ごく普通の送料なら、落札価格+送料でも、まだよい取引といえる額です。
 ・出品者「宅急便でおくりますが、いいですか」
 ・A「結構です」

 このごくごく普通の会話に罠がありました。
 出品者は、宅急便のお任せパックを使って、送付してきたのです。この方法は、宅急便業者が、依頼主の家に出かけて行って品物をパックし先方へ届けるというもので、送る方の手間はかかりませんが、当然値段はべらぼうに高くなります。
 Aさんの場合、この送料を2万5千円以上請求されたそうです。落札価格と合わせると3万円以上、これなら新品を買ってずいぶんおつりがきます。なんか、体よく、粗大ゴミの処理をさせられた感じです。
 詳しい「契約内容」を確認せずに同意しているのですから、「文句は言えない」といっても、出品者が非常識か、悪意のある人物であることは明白です。

 このように、「悪意のある参加者」が時々いて、オークションには危険が伴います。
 ヤッフー・オークションの場合、落札者が出品者を「評価」するシステムがあります。送られてきた品物を見て、良いとか悪いとか判定するのです。
 Aさんの場合、「悪い」と評価すればいいのですが、このシステムには、実は、出品者にも、落札者を評価する部分があるのです。これは、お金を払わない落札者がいる場合など、出品者の権利を守る必要もあるということから設定されていると思います。
 
 しかし、この双方向システムはこの場合、評価システム全体を形骸化させてしまっています。
 つまり、Aさんが出品者に対して「悪い」と評価すると、もともと悪意のある出品者は、Aさんを「悪い」と報復評価する危険性があります。
 そうなると、Aさんそのものも、「前科者」としてヤッフー・オークションのシステムに参加できなくなってしまうのです。
 まあ、もともとこのオークションは、eメールアドレスによって登録されていますから、今までとは違うメールアドレスで、やり直すという手はありますが・・・。
 
 すべて便利で、何も問題はないというシステムは、あり得ないというわけです。 
 


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