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 地図の記号 の地点、吉倉桟橋は、横須賀本港(横須賀湾)内で海上自衛隊の艦船が通常停泊している場所です。
 海上自衛隊の護衛艦隊について基本的なことを説明します。



 海上自衛隊は、自衛艦隊の指揮下に、現在、4個の護衛艦隊をもっています。護衛艦隊司令部は横須賀にあり、艦隊は、

  • 第1護衛隊群(横須賀)

  • 第2護衛隊群(佐世保)

  • 第3護衛隊群(舞鶴)

  • 第4護衛隊群(呉)

と4港に配備されています。ちなみに、4港は、いずれも旧帝国海軍時代からの軍港です。
 この4個護衛隊群による編成は、海上自衛隊の創設以来、次第に艦隊の充実が進んだ、1971(昭和46)年から発足しました。

 2005年現在、一つ一つの護衛隊群は、それぞれ8隻の護衛艦からなっています。
 8隻の護衛艦は次の三つのタイプに分けることができます。

  • DDH1隻 艦隊の中枢となる大型艦、対潜水艦探知能力に優れ潜水艦哨戒用のヘリコプターを3機搭載 

  • DDG2隻 防空中枢艦 対空ミサイル誘導装置搭載  このうちの1隻はイージス艦 

  • DD 5隻 汎用護衛艦 潜水艦哨戒用ヘリコプターを各艦1機搭載

 1艦隊が合計8隻の護衛艦からなり、ヘリコプターがDDHに3機、DD5隻に各1機であわせて5機、総計8機あることから、この護衛艦隊の通称は、新8・8艦隊となっています。 

大正時代に帝国海軍が建設の長期目標とした艦隊を8・8艦隊といいます。これ元祖です。戦艦8隻と巡洋戦艦8隻、合計16隻からなる艦隊です。新8・8艦隊とは、数字の意味が違います。

プラモデルによる海上自衛隊の現物教材は、こちらで紹介しています。→現物教材セット

【追記】 05/08/25
 2005年8月24日に、
海上自衛隊5隻目のイージス艦の進水式が、長崎市の三菱重工長崎造船所で行われ、「あたご」と命名されました。
 これまでの4隻が(こんごう級)が7250トンであったのに対して、あたご及び続いて建造される新型は、7700トンを少し大きめになっています。

 これは、これまでのイージス艦にはなかった、ヘリコプター格納庫を設けるなど大型化したためです。建造費は、1475億円です。通常の護衛艦DDの倍以上の金額です。
 これから、電子機器の搭載など艤装に入り、2007年3月頃に完成する予定です。


 以下に、横須賀に本拠地を置く第1護衛隊群の艦船の写真を掲載します。部隊編成は、2005年8月のものです。
 これらの写真は、同艦隊群のHPから転載したものです。(転載はフリーです、さすが太っ腹海上自衛隊。ありがとうございます。こちらです。→http://www.dii.jda.go.jp/msdf/ccf1/ccf1top.htm

 ※各艦の写真をクリックすると、各艦のHPへリンクします。            | 目次と地図へ |

第1護衛隊群の艦艇

DDHしらね。ヘリコプターを3機搭載。

DDGはたかぜ。ミサイル護衛艦。

DDGきりしま。これがイージス艦です。

Dむらさめ。ヘリコプター1機搭載。

 さて、軍港めぐりに戻ります。                        | 目次と地図へ |


 吉倉桟橋のの位置に停泊中の143護衛艦しらね

 しらねは、上記の説明写真にもある第1護衛隊群のDDHです。
 艦橋後部の大きな格納庫にヘリコプターを3機搭載しています。
(撮影日05/08/28)

 吉倉桟橋のの位置に停泊する、左より113護衛艦さざなみ、6102試験艦あすか、102護衛艦はるさめです。(撮影日05/08/06)

 さざなみは、2005年2月に就航したばかりの最新鋭汎用護衛艦です。建造費は640億円でした。本来は、呉基地の第4護衛隊群第8護衛隊の艦です。

 
あすかの「試験艦」というのは、あまりなじみのない名称ですが、兵器や装備の試験や評価を行う艦だそうです。
 艦橋のトップには、イージス艦と同じ、フェイズドアレイレーダー(全周囲レーダー)を装備しています。
 
はるさめは、上の第1護衛隊群のDDむらさめと同じ第1護衛隊に所属する艦です。2002年から2003年にかけて、前ページで説明した補給艦ときわを護衛して、テロ対策特別措置法によってインド洋にでかけました。 
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 5104海洋観測艦わかさ、5103海洋観測艦すまです。(撮影日05/08/06)
 海洋観測艦とは、またなじみのない艦種です。

 この種類の艦は、海底の地形や水流などの基本データと海中の音響観測によるデータとを分析して対潜水艦探知能力を高めるという任務についています。対潜水艦作戦のためには、こういう艦も必要なのです。|目次と地図へ |
 


 302掃海艦つしまです。
    (撮影日05/08/06)

 この艦は、1000トンですが、
海上自衛隊最大の艦です。
 えっ、前述の砕氷艦しらせの時も、「最大」という説明だったって、そうです。鋭い指摘です。
 実は、
つしまは、海上自衛隊の木造艦の中で最大の艦です。
 掃海艦は海中の機雷の探索と処分が任務です。磁気に反応する機雷の被害を受けないように、木造となっています。
 掃海を任務とする艦の中でもかなり大型のこの艦は、水深数百メートルの深海にある対潜水艦用の機雷を処理することを任務としています。 

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 上の吉倉桟橋ではなく、次ページで紹介する長浦湾のの位置に停泊していた、683掃海艇つのしまです。(撮影日05/08/28)
 
 上の、掃海艦とチームを組んで、海中の機雷を処理します。もちろん、磁気機雷に反応しないように木造艦です。
 1992年におこった湾岸戦争の後、海上自衛隊の機雷処理チームがペルシア湾に赴きました。

 その時は、この680番台の
すがしま型の前のタイプが派遣されました。すがしま型は、その時の教訓により近代化されたタイプです。                                 | 目次と地図へ | 


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