これについては、実は、トロッコ列車の中で「解説」が行われています。
トロッコ列車は、通常の旅客列車とは違い、乗客は観光客です。通勤客はほとんどいません。そこで、観光地の列車によくあるように、車内放送で、「右手をご覧ください。・・・・」式の案内が、要所要所で流れます。
黒部峡谷鉄道の場合、この案内の声は、車掌が直接発しているのではなく録音テープです。ただし、何でもない方の声ではありません。その声は、会社のウグイス嬢ではなく、富山県出身の女優、室井滋さんです。
これがまた名案内で、実にうまく案内をされています。こういう所に金をかけるセンスは、企業としてなかなかのものです。
その室井滋さんの声で、「冬期は、運転手も車掌も、工場の中で機関車などの車両の点検業務に当たっています。」と説明しています。
また、黒部峡谷鉄道の公式サイトの「私たちの業務」の説明の中にも、次のように書かれています。
車内で室井滋さんの説明を聞いた時は、えらいもんだなと思いました。ところが、欅平駅でふと疑問を感じました。切符売場にたくさんの女性駅員さんがいて切符を売っていらっしゃいました。
「この人達も、機関車の分解点検業務をするのだろうか?」
そこで尋ねればよかったのですが、ゴールデンウィークの超多忙期であったため、そんな質問をのんびり聞くのはためらわれました。
しかし、不確かな情報ではこのページが書けません。
家に戻ってきて何かいい手はないか考えました。
試しに、黒部峡谷鉄道の公式サイトを見ると、「お問い合わせ」というページがありました。「これだ。思い切ってメールを送ろう。ダメもと。」
次のメールを送りました。
「先日、ゴールデン・ウィークに欅平までトロッコ列車を利用しました。新緑の中が気持ちよく、室井滋さんの説明もわかりやすくとても感動的な旅となりました。ありがとうございました。
室井さんの説明の中に、乗務員は冬期は機関車等の点検整備をするというくだりがありましたが、欅平駅の符売場の女性担当やホーム係の駅員さんも、同じ業務に従事するのでしょうか。差し支えなければ教えてください。」
すぐに返事が来ました。黒部峡谷鉄道、お客さんを大事にする立派な会社です。
「冬期の営業休業中は、乗務員の他に各駅のほとんどの女性駅員も車両整備をしております。(各駅の駅長・女性駅員1名は、来年度の運行開始に向けての下準備を行っております)」とのことでした。
そして、決定的なことに、その様子を撮影した次の写真を提供していただきました。本当にありがとうございました。
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次の写真2枚は、黒部峡谷鉄道から提供をいただき、また、本ページへの複写・転載を許可いただいたものです。他への複写・転載は決してなさらないでください。 |
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