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 旅に出るぞー、でもこれまでと違って二人旅です | 全行程目次・地図へ |

 昨年、2007(平成19)年は、三男の大学受験の年でしたから、恒例の家族旅行は取りやめにしました。(そういう理由だけでなく、一昨年に家族旅行を3度もやって、財政が悪化していたということもありました。(--;))

 そのため、「今年は全員でまた旅行に行くぞー」というのが、当初の思いでした。ところが、事情はさらに悪化しました。長男は昨年教員採用試験に不合格となりまた今年再挑戦、次男は、大学4年で就職試験、三男は今年も浪人して大学受験に再挑戦と、息子達三人全員が受験となってしまいました。

 そもそも息子達をつれて家族旅行というには、息子達はいい年こきすぎています。
 そこで、今年の旅行は、妻と二人旅ということになりました。

「じゃ、2人でどこへ行こう。」

「まだ行ったことがない新潟県、佐渡島がいい。」

「むちゃくちゃ遠い。船で行かんならん。お金もかかる。」

「ちょっと、(日程が)きつくてもいいから。」

「ハードスケジュールにも耐えるのだぞ。ついでに、どこかjの神社で息子達の合格祈願もしよう。」

 かくて、ハードスケジュールの新潟・群馬・栃木・東京旅行が計画されました。


 全行程等説明図  | 全行程目次・地図へ || 先頭へ |

 以下が8月8日の晩から、11日の朝までの行程表です。
 8日から11日までというと、「3泊4日」という感じがしますが、実際には違います。3泊はまちがいありませんが、東京までの往復は夜行バスの車中泊が2日です。実質、東京を起点とした、1泊2日の旅行と同じです。

 <訪問地とルート>   <訪問地と時間> 
08日 20:30 岐阜駅発深夜バス
09日 05:30 東京駅着
07:00 東京駅発
(上越新幹線)
09:03 新潟駅着
10:00 新潟港発
11:00 佐渡両津港着
  佐渡周遊
(レンタカー)
17:40 佐渡両津港発
18:40 新潟港着
  新潟泊
10日 06:58 新潟駅発
08:11 高崎駅着
  群馬・栃木周遊
(レンタカー)
16:20 大宮駅発
17:10 上野駅着
20:30 東京ナイトヘリ搭乗
23:45 東京駅発
11日 07:30 岐阜駅着

 この旅行のポイントは、新潟県佐渡島という遠隔地を訪問するにもかかわらず、金曜日に仕事が終わってから出発し、月曜日の仕事始めまでには岐阜に帰ってこられるという点です。
 夜行バスは、大変しんどい乗り物ですが、時間稼ぎと経費節約には十分な威力を発揮します。
 参考までに、経費です。(一人分です。) 


項 目 説 明 一人分 二人分合計金額
夜行バス 岐阜−東京 6,000 12,000
東京−岐阜 5,400 10,800
新幹線 東京−新潟 10,270 20,540
新潟−高崎 7,970 15,940
佐渡汽船 新潟−佐渡往復 高速ジェットフォイル  11,490 22,980
宿泊 新潟イーストホテル 8,610
レンタカー 佐渡島内 8,600
高崎−富岡−日光−大宮 9,450
東京ナイトヘリ 東京夜の周遊 12,900 25,800
総費用 (交通費・宿泊費の総額)    134,720

 こうして整理すると、宿泊したホテルや夜行バスの選択で多少節約した割には、佐渡汽船の高速ジェットフォイルや東京の夜のヘリコプターナイトクルージングは、「ばかげた浪費」になっています。大盤振る舞いでした。(この他に、佐渡の昼ご飯と、新潟の夕ご飯も、海の幸一杯の中盤振る舞いでした。)


 旅行の見所・おもしろ所1 新潟      | 全行程目次・地図へ || 先頭へ |

 妻との二人旅であったとしても、あくまで旅行にいくのは高校の地歴公民科の教員です。
 今回の旅行の見所は、
二つの産業遺跡、佐渡金山と富岡製糸場です。ただし、この産業遺跡の紹介は、このページではやりません。「その2佐渡金山」・「その3富岡製糸場」において、得意の黒板を登場させて、授業仕立てで実施します。乞うご期待です。
 ではこのページの残りはどうするか?
 その二つの産業遺跡以外の話題を、写真を使ってアラカルトで紹介します。 まず最初は新潟です。


 写真01−01   上越新幹線特急マックスとき 新潟駅                  (撮影日 08/08/09)  

 これは、10日の早朝、新潟駅を出発する際の写真です。お馴染み上越新幹線の総2階建て特急、マックスとき号ですが、この車両は、ピカチュウがプリントしてある特別編成でした。
 本来なら9日の朝、東京駅から新潟へ向けて出発する
マックスときを撮影すべきだったのですが、できませんでした。理由は、07:00発マックスときが、超満員だったからです。
 日曜日の朝07:00発の電車だからそんなに混雑することはないだろうと、指定席券を購入していなかったのが失敗でした。東京駅の切符売り場の前で、指定席券がすでに満席になっているのに気付いて、いやな予感。自由席券を購入してすぐにホームに走りましたが、06:30の段階で、ホームはすでに人で埋まっていました。東京の方は早起きです。(^_^)
 おかげで、夜行バスで疲れた体をいやす予定だった
マックスときが、新潟まで2時間立ちっぱなしという地獄の電車になってしまいました。このため新潟へ行く日は、撮影なんかしている雰囲気ではなかったというわけです。
 そこで、翌日の新潟から高崎への
マックスときで、行きの分も撮影したのが上の写真です。

 ちなみに、ホームに立っているのは妻ですが、この旅行の写真には、屡々彼女が登場します。今までの旅行記には家族の写真はあまり登場していませんが、今回はちょっと別です。これにはちょっと経緯があります。
 この6月に職場の若い方の結婚式に出席したのですが、そこで、二人が取った写真をもとにしたアルバム風VTRが上演されました。二人が交際し始めてから旅先などで撮影した写真を編集したもので、5分以上もの長さで、なかなかの感動ものでした。
 この話題を家に戻って妻に話しました。
 
「5分以上ものVTRということは、そこに映し出された写真の数はどのくらいあったの?」
「そりゃ、何十枚もあった。」
「その写真って、当然、二人で写ったり、お互いを撮影したりしたものでしょ?」
「そりゃそうさ、風景の写真や電車の写真を披露宴で紹介してもしょうがないだろう。」
「すごいねー、二人で旅をしてそんなに写真取るんだ。」
「アツアツカップルだからね。」
「この3年ぐらいの私たちの旅の写真をそういう風のVTRにしたら、上演時間はどのくらい。」
「えーとね・・・・。」
「短いよね。新しいデジタル一眼レフも必要ないよね。」

 1年間に私のデジカメ、パナソニック・ルミックスで撮影した写真は何千枚にもなろうかと思います。その中から、彼女の写真をすべて選んでアルバム風にしても、上演時間は、そう15秒ぐらいです。(*_*)
 これでは次のカメラ(1眼レフ)の購入交渉に致命的です。
 したがって、この旅行では、いつもの何十倍も妻を被写体に含めました。その結果、本来なら風景のみ、電車のみというHP掲載写真の中に、彼女が「混在」しています。お許しを。 

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 写真01−02 越後平野                                     (撮影日 08/08/10)  

 新潟−長岡間の越後平野です。はるかかなたまで水田です。コシヒカリです。
 時代は変わっても新潟県が米所であることには変わりません。平成19年度の統計では、作付け面積は、120,700haで、日本一です。ちなみに第2位は北海道の116,000haで、この二つのみが10万haを越えます。日本全体では、169万9,000haですから、新潟だけで、全国の作付け面積の7%にもなります。

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 写真01−03 新潟駅前                                     (撮影日 08/08/09)  

 新潟駅前の写真です。最近、県庁所在地の駅に行くと、必ず駅前の写真を撮影してきます。さて新潟駅前には何か話のネタになるものがあるかな・・・。
 あったのは、「少女の像」のみで、
上杉謙信の銅像も田中角栄の銅像もありませんでした。角栄氏の銅像は、JR上越線・上越新幹線浦佐駅東口(南魚沼市浦佐)にあるそうです。途中下車摺るわけにはいかず、撮影できませんでした。
 
上杉謙信の銅像は、春日山城・山県米沢城・八幡原史跡公園(川中島古戦場)などたくさんありますが、新潟駅前にはありません。


 旅行の見所・おもしろ所2 佐渡と国道  | 全行程目次・地図へ || 先頭へ |
 次は佐渡へ渡るフェリーと「国道」の話題です。
 写真01−04 佐渡汽船カーフェリー                           (撮影日 08/08/09)  

 新潟港佐渡の両津港の間の航路は、67kmあります。

 
この航路に関しては、地理の授業では扱わない、とんでもなく面白い話があります。

 以前、岐阜・美濃・飛騨のページに「県道173号線の謎とは」を書きました。(こちらです。→)岐阜市西部を南北に縦貫する県道173号線は途中で長良川を横切りますが、その長良川には橋はなく、県道なのに渡し船になっているという話でした。
 それと同じことが、ここにも存在しているといったら、どういうことかおわかりですか?

 なんと、この
航路が国道なのです。
 佐渡には両津港と小木港の間に島内唯一の国道、350号線が通っています。
 この350号線は海のない県にすむ我々岐阜県人には想像ができない、起点と終点を持っています。

 どこが起点で、どこが終点か分かりますか?
 もちろん、
両津小木ではありません。
 地図をクリックしてください。

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国道350号線のルートは次のようになっています。
  ルート 海陸区別 距離
 新潟市内−新潟港 陸上 1.3km
 新潟港−両津港 海上 67km
 両津港−小木港 陸上 46.6km
 小木港−直江津港 海上 78km
 直江津港−上越市内 陸上 2.2km

 なんと国道350号線は、全ルート195.1kmのうち、陸上部分はわずか50.1kmしかなく、残りの145kmは新潟港−佐渡、佐渡−直江津港の海上部分なのです。
 こういうルート設定がされている国道の該当部分を、「
海上国道」というそうです。
 なんでも、1952(昭和27)年制定の道路法に基づいて、1965(昭和40)年に制定された「
一般国道の路線を指定する政令」に各国道の起点と終点が示されているそうですが、その中に、「海上部も含めて一つの国道として建設・管理することが沿線の発展等に寄与すると国が認めているもの」については、上の国道350号線のように、海上部分が含まれて設定されています。それを通称、「海上国道」と呼んでいるそうです。
 
 私は、この
海上国道のことをこの旅行で初めて知りました。
 もちろん、国道350号線だけではありません。全国に28路線もあるそうです。(このうち重複部分を除くと25路線ということになります。)

 3つだけ紹介します。 

国道番号 起点 終点 海上部分
16号 神奈川県横須賀 神奈川県横須賀  横須賀を起点に東京湾をぐるっと1周する国道です。つまり、横須賀市走水と千葉県富津市の間の東京湾口が海上部分です。
259号 三重県鳥羽市 愛知県豊橋市  これは分かりますね。伊勢湾口を横切る国道です。三重県鳥羽市鳥羽港と愛知県田原市(渥美半島)の間が海上部分です。
58号線 鹿児島県鹿児島市 沖縄県那覇市  ここまで豪快になると、もはや解説する言葉もありません。鹿児島市から、種子島・奄美大島を経て、沖縄本島の那覇市にいたる国道です。立派です。

「一般国道の路線を指定する政令」は、「電子政府の総合窓口」(http://www.e-gov.go.jp/)の「法令検索」から検索して確かめることができます。

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 話をやっと写真に写っているフェリーに戻します。
 写真は佐渡汽船のフェリーのおけさ丸です。海上国道350号線を航行中です。12400トンの大型フェリーで、平均速度18ノットで、両港間を2時間30分で結んでいます。
 
 その写真を撮影しているということは、もちろん私たちはこのフェリーには乗っていません。さらに、全行程目次・地図で確認すると、私たちは新潟−佐渡両津間を僅か1時間で渡っています。
 私たちが利用した船は次の写真です。 


 写真01−05 ジェット・フォイルと妻です。(わかっとる、っちゅうの)           (撮影日 08/08/09)  


 写真01−06  ジェット・フォイル両津港にて                           (撮影日 08/08/09)  

 佐渡港−両津港間67kmを1時間で走ってしまうのが、もともとアメリカのあのジェット機のボーイング(Boeing)社で開発され、現在では川崎重工業でライセンス生産されているジェット・フォイルです。


 写真01−07  ジェット・フォイルの内部にある電光掲示板です           (撮影日 08/08/09)  

 新潟港を出港して18分後、上の写真01−04のフェリーを追い越す時の、船内電光掲示板の説明です。「時速約32Km」は、追い越されるフェリーの速度です。そしてこのジェット・フォイルの速度は、右側の72km/hです。超高速です。すごいです。ジェット・フォイルとは、どんな船なのでしょうか?


 次の写真は、この旅行中の最高ヒット写真ともいうべき、奇跡的にうまく撮影できた写真です。

 写真01−08  ジェット・フォイルすれちがい                 (撮影日 08/08/09)  

 反対に両津港から新潟港に向かうフォイルを撮影しました。海の上を疾走中です。すごいもんです。時速70km以上です。船尾には、「Kawasaki Boeing 929」と書かれています。


 旅行の見所・おもしろ所3 とき保護センター  | 全行程目次・地図へ || 先頭へ |

 佐渡といえば、まずは金山、そしてときの保護です。
 佐渡トキ保護センターは、両津港から車で10分以内の近い距離にあります。トキ保護センターを含む周辺一帯が、佐渡市トキの森公園となっています。


 写真01−09  佐渡トキ保護センターと資料館                    (撮影日 08/08/09)  

 佐渡トキ保護センターではトキの保護増殖を行っています。センターそのものは非公開ですが、上の写真の隣接するトキ資料展示館で見ることができます。トキが羽ばたけるのはいつの日でしょうか。


写真01−10  きん   (撮影日 08/08/09)   

 上の写真は、佐渡トキ保護センターに展示されている、「きん」の剥製です。
 きんは結果的に日本生まれの最後の野生のときとなった鳥です。1968年、まだ幼鳥の時に島内真野町で宇治金太郎さんの手によって保護されました。宇治さんの名前に因んで、「キン」と愛称が付けられました。2003年10月10日に推定年齢33歳で死亡しました。
 ※資料館内で撮影、その説明から一部引用 


 写真01−11  トキの飼育場 (撮影日 08/08/09) 

 写真01−12 トキは檻の中です(撮影日 08/08/09) 


 写真01−13  トキです  (撮影日 08/08/09) 

 写真01−14  トキです   (撮影日 08/08/09) 


 写真01−15  トキです アップです    (撮影日 08/08/09)  

 この佐渡トキ保護センターで現在飼育されているトキの数は、合計123羽だそうです。日本ではここ以外では東京の多摩物園に4羽いるだけです。
 トキは乱獲によって明治時代には個体数が激減し、1908(明治41)年に保護鳥となり、1934(昭和9)年に天然記念物となりました。1960(昭和35)年には国際保護鳥になっています。日本国内のトキだけでは増殖させることができず、中国から借り入れたり贈呈されたトキによって増殖が試みられています。
  ※佐渡トキ保護センターのHPはこちらです。→http://www4.ocn.ne.jp/~ibis/index.htm


 旅行の見所・おもしろ所4 東京ナイトヘリ  | 全行程目次・地図へ || 先頭へ |

 佐渡から話題を変えます。
 8月10日は、朝新潟を発って群馬・栃木と周遊し、夕方に東京に入りました。そして、夜の唯一の楽しみは、ヘリコプターからの観光です。
 浦安ヘリポートにあるエクセル航空のヘリクルージングを利用しました。15分のフライトで料金一人12,700円という、豪勢な旅です。 


 写真01−16  このヘリで飛びました                  (撮影日 08/08/10)  
 パイロットを含めて11人乗りでした。

 写真01−17  離陸直前         (撮影日 08/08/10)  

 離陸直前の機内からの撮影です。私の席はパイロットのすぐ後ろの左側でした。


 以下は飛行中の撮影写真ですから、ほとんど手ぶれ状態です。お許しください。ナイトクルージング機内からのデジカメ撮影は不可能です。


 写真01−18 機内計器です(撮影日 08/08/10)

 写真01−19 お台場 (撮影日 08/08/10) 


 写真01−20 東京タワー(撮影日 08/08/10)

 写真01−21 隅田川・荒川です(撮影日 08/08/10) 


 写真01−22 搭乗した機と同型機です。私と妻です。(くどい、っちゅうの)       (撮影日 08/08/10)  

 着陸後の撮影です。浦安からお台場−東京タワー−六本木−東京ドーム−隅田川上空と、あっという間の15分間でした。


 1ページ目の見所・おもしろ所のアラカルトはこれで終わりです。
 では、次のページから、産業遺跡・佐渡金山、群馬富岡製糸場を掲載します。9月27日以降に掲載の予定です。


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