K |
「僕が大学の卒業論文(教育学部の社会科専攻)に戊辰戦争を選んだのも、それが影響している。」 |
父 |
「来年の正月特番で、『白虎隊』(1月6日・7日にテレビ朝日系で放送)というのがあるけど、白虎隊というんがなんなのかは、おおむねは知っている?K(長男)はわかるよね。残りの2人は。」 |
妻 |
「よく知らない。」 |
父 |
「君には期待していない。」 |
妻 |
「ぶー。」 |
D |
「城が落城したと誤解して、少年たちが自殺するんだよね。」 |
父 |
「そうそう。少年たちは、16歳か17歳ぐらい、ちょうどD(三男)のと同じ高校生ぐらいの子たちだ。武士の子たちだったが故に、戦場に赴き、悲しいことに状勢を見誤って自害することになるのだけれど、おとうさんとしては職業柄、この少年たちを育てた当時の教育に興味がある。」 |
K |
「日本史の教科書にも載っている、彼らが通った有名な藩校は、えーと・・・?」 |
父 |
「日新館という。」 |
K |
「それそれ。」 |
父 |
「日新館に子どもたちに教えるための『日新館童子訓』といいうのがあってね。クイズ的にいうと次のようになる。
年長のいうことにそむいてはなりませぬ。
年長者にはお辞儀をせねばなりませぬ。
〔 〕をいってはなりませぬ。
〔 〕な振る舞いをしてはなりませぬ。
〔 〕をいじめてはなりませぬ。
戸外でものを〔 〕はなりませぬ。
戸外で〔 〕と言葉を交えてはなりませぬ。
ならぬことはならぬものです。
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K |
「3は嘘、4は卑怯かな。」 |
Y |
「4は普通に弱いものいじめだろ。」 |
D |
「戸外はなんだろう?」 |
父 |
「3は正確には、『虚言』、6は戸外でものを食べてはなりませぬ。7は、女の人。」 |
K |
「いわゆる、武士の男の子向けの道徳だよね。」 |
父 |
「そうだ。武士道の基本となる徳目のいくつかが含まれている。」 |
D |
「堅苦しい時代だったんだ。」 |
父 |
「いや、そうでもない。時代を超えた大事なものもあると思う。」 |