「ハロー、ナタリヤ、this is Mizuno. Are you fine?」
札幌のJICA国際センターにいるナタリヤに電話が通じたのは、6月16日(月)の夜9時過ぎでした。
「きみが3度も電話かけたのに、つながらなくてゴメン。今日は、北方圏センターで許可をもらって、かけている。」
「今日の夕方に北方圏センターのAさんから、近々あなたから電話があると教えてもらったわ。電話をかけてくれてありがとう。」
「日本語の勉強は大変かい?」
「月曜日から金曜日まで、毎日朝9時から夕方16時半まで、昼の休憩を除いて6時間半の授業なの。特に、水曜日は、スピーチをしなければならないので一番大変だわ。国後、択捉、色丹の3島から10人が来ているけど、私は、他の4人と一緒にアドバンスト・グループにいるの。中には漢字も分かる人がいて、私の力では、授業に着いていくのがなかなか大変なのよ。」
「先生は、日本人?英語やロシア語は話すの?」
「先生は日本人。英語もロシア語も話さないわ。そのかわりに日本人のロシア語通訳がいて、授業を助けてくれているの。」
なるほど、日本語は、ちゃんと日本語の先生に習っていて、通訳さんとは違うわけです。
「語学研修の終わりに試験のようなものは、あるの?」
「試験はないわ。そのかわりに、研修の最後に長い日本語のスピーチがあるの。この時は、TVや新聞記者の取材が入るそうよ。とても緊張すると思うわ。」
「教室では日本語の研修ばかりかい。他に何かすることはないの?どこかにいくとか?」
「金曜日の午後は、日本の文化に触れることができるように、生け花とか折り紙とかの活動があるの。それから、土曜日は、小旅行が計画されていて、先週は、札幌市内のお寺と博物館へ行ったわ。その後お寿司を食べた。いくらとか、鮭とかとても美味しかったわ。」
「お寿司を食べたの?生魚は食べることができるの?」
「ロシア本土の人たちは、生の魚はあまり食べないけど、色丹島は海産物に恵まれていて、食べるのよ。」
「私の方から質問があるわ。色丹島へもう一度来たい?」
「もちろん。もちろん、もう一度行きたい。」
「え、本当?なぜ?」
「色丹島は、とても美しい島。自然がきれいな島。そして、何より、そこにきみがいるから。」
このセリフって、本音ですが、日本語だと言えない言えない。英語の会話だから、むしろすっと言えてしまいます。(^.^)
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