滑川は、古くは北陸道の宿場町として栄えたところですが、現在は、ホタルイカ漁で有名です。
ホタルイカというのは、時々会席料理などでお目にかかる体長6〜7pほどの小型のイカです。世界に440種類はいるとされているイカのうちの一つですが、何と言っても、その特色は青白く発光するところです。
ホタルイカといいますが、螢の光がやや緑っぽいのに対して、こちらは、青白くより神秘的です。
ホタルイカは日本の全域に生息していますが、その大群が発光するのは、富山湾の滑川沖合に限られています。このイカの生態についてはまだ不明な点が多く、現在も研究が進められています。
富山湾だけに群遊する理由は、富山湾の海底の独特の形状によると考えられています。
ホタルイカは、日中は沖合の200mから400mの比較的深い海底に棲み、夜間に海面近くに上がってきます。産卵や食物となる微生物を追ってくると考えられます。
富山湾は、有明海などの遠浅の海底とは違って、湾全体がすり鉢状の深い形状となっています。深い海底から海岸へ向けて緩やかな水流があり(湧昇流)、ホタルイカが海面へ上がりやすい状況となっています。
この群遊海面は,生態学的にも産業的にも重要なホタルイカを保護する目的で、1952(昭和27)年に国の特別天然記念物に指定されています。
滑川市は、ホタルイカの神秘的な光をキーワードにして、「ときめき かがやき ひかりの街 なめりかわ」をテーマに、21世紀の町作りビジョンを進めています。
ところが、ホタルイカ漁は、1年のうち、3月から5月と、限られて時期しか行われません。そこで、市ではホタルイカ観光を1年を通しての「観光の目玉」とすべく、1998年3月27日に「ほたるいかミュージアム」を開館させました。
滑川漁港のすぐ近くにあり、道の駅「ウエーブパークなめりかわ」に隣接し、同じ場所に海産物を扱う土産物売り場や、海洋深層水の体験施設「タラソピア」があります。
「ほたるいかミュージアム」は、単にホタルイカの生態的な情報を科学的に紹介するという従来の博物館ではなく、様々な最新のメディアを駆使して、ホタルイカの神秘的に輝く青白い光をテーマに幻想的な感動も同時に来館者に体験させるという、世界でも例の無いユニークな施設となっているようです。
今回は、時間の関係でミュージアムへは行けませんでした。ホームページから入手した「内容」を紹介しておきます。
ミュージアムギャラリー…ホタルイカについて、漁の歴史や富山の人々との関わりがパネルで紹介されています。
イリュージョンシアター…「流れ星の化身だったホタルイカが年に一度だけ空の銀河に帰るというロマンチックな物語「海の銀河伝説」が、イルミネーションと映像・音響で表現されています。
深海不思議の泉…富山湾の推進321mからくみ上げられています。
ホタルイカのショー…3月から5月のホタルイカ漁の時期は本物のホタルイカが、それ以外の時期は、光ファイバーを搭載したハイテクホタルイカもどきが泳いでいます。
詳しくは、ミュージアムのサイトをご覧下さい。
※「ほたるいかミュージアム」
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〒936-0021 富山県滑川市中川原410 電話 0746−76−9300 開館時間 午前9時〜午後5時
大 人:800円 子ども:400円
JR北陸本線 滑川駅より 徒歩約5分 北陸自動車道 滑川I.C.から 車で約10分 |
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