○色丹島 9月20日(金)正午、南東の方向に色丹島が見えてきました。いよいよ目的地です。
これまで何度も来ているクルーやスタッフはともかく、私も含めて、団員には、緊張感が漂います。
なにしろ、ロシアというあまりなじみのない国へ行くのです。しかも北方領土という政治的にデリケートなところへ行くのです。かてて加えて、今年は、鈴木宗男議員の問題で、うさんくさいところと言う評判も立っているところへ行くのです。
各県の事務局から来た職員は異口同音に、「今度の渡航に参加してよいかどうか、教育長に説明するのに苦労した。」と言っていました。どこの県でも事情は同じです。
観光旅行気分でないことは、十分理解いただけると思います。
さらに、渡航直前には、小泉首相の北朝鮮訪問があり、私なんぞは、上役から「きみ、北朝鮮問題がこじれると、ひょっとするとロシアに拉致されてしまうぞ。」と脅かされてきました。(そんなことないってば)
北の果て、荒海、言葉の通じないロシア人、国境警備隊、拿捕・・・・・・。
心がどんどん重くなっていきます。
コーラルホワイト号の投錨地は色丹島の北側の穴澗湾(あなまわん)。色丹島の人口は、2002年1月現在、およそ3200人。1994年には、6400人いましたから、8年で2分の1に減ってしまったことになります。
この原因のひとつは、これからしばしば話に出てきますが、1994年に起こった、北海道東方沖地震の被害のためです。
大きな集落は、投錨地の穴澗(あなま、ロシア名は、クラボザボツコエフ)と斜古丹(しゃこたん、マロクリリスコエ)の二つのみです。 |