原始〜古墳時代9 |
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<解説編> |
017 この湯たんぽのような化石は何? | 問題へ | |
【ナウマン象シリーズ1】 |
写真01−17−01 (撮影日 08/06/13) |
正解は、ナウマン象の歯の化石です。正面が歯の噛む部分です。人間の歯とはまったく形状が違います。これはあとで説明します。 |
日本でナウマン象といえば、第一に説明しなければならないのは、長野県野尻湖です。 |
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1 野尻湖ナウマン象博物館の場所と外観 |
長野県の北部、新潟県境にある野尻湖では、1962年以来長期にわたって、湖底の発掘調査が進められてきました。
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長野県野尻湖ナウマン象博物館の場所です。 |
写真01−17−02 (撮影日 08/06/13) |
写真01−17−03 (撮影日 08/06/13) |
左 新潟県上越市方面から黒姫駅に到着する長野行き普通電車 |
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上の写真は、大変古くて恐縮ですが、1976年の航空写真2枚で合成した、野尻湖のほぼ全体象です。■の場所に野尻湖ナウマン象博物館があります。博物館のすぐそばの海岸■の場所が発掘場所です。 |
上の写真の説明で■の場所が湖の中になっている理由は、野尻湖の発掘は、実は、通常は湖底となってる部分で行われているのです。野尻湖の水は、9月から3月までは利水権が発電所のものとなり、水力発電が行われるため水位は3m程下がります。このため遠浅となった現れた湖底を発掘するわけです。 |
写真01−17−04 (撮影日 08/06/13) |
現在の発掘場所の状況。夏期は水位が上がるため発掘場所は湖の中です。白い建物の手前一体の湖底が、発掘場所です。 |
写真01−17−05 (撮影日 08/06/13) |
野尻湖ナウマン象博物館の入り口です。博物館は、野尻湖湖畔のバスターミナルから歩いて3分です。写真の山は、黒姫山ではなく妙高山です。黒姫山は長野県ですが、妙高山は新潟県です。 |
写真01−17−06 (撮影日 08/06/13) |
野尻湖ナウマン象博物館の全景です。入館料は500円です。 |
写真01−17−07 (撮影日 08/06/13) |
博物館の入り口には、当然ながらナウマン象の銅像があって、雰囲気を盛り上げます。 |
2 野尻湖ナウマン象博物館収蔵品 |
野尻湖ナウマン象博物館の魅力的な収蔵品の一部を紹介します。 |
写真01−17−08 (撮影日 08/06/13) |
出土したナウマン象の牙(切歯)です。 |
写真01−17−09 (撮影日 08/06/13) |
出土したナウマン象の牙(切歯)です。 |
写真01−17−10 (撮影日 08/06/13) |
第5次発掘で見つかった、ナウマン象の牙とオオツノジカの掌状角(普通の鹿の角にあたるもの)です。二つの形状から、「月と星」と呼ばれています。この二つはこの位置関係で寄り添うように埋没しており、また、掌状角の1辺が直線的に断ち切られたようになっていることから、「野尻湖人」が何かの呪術的な願いを込めたものと想像されています。今、「野尻湖人」と書きましたが、この野尻湖周辺からは、下で紹介するように道具の化石は出土していますが、化石人骨そのものは出土していません。ここでは、野尻湖畔で道具を使い、ナウマン象を狩猟していただろう人々を、「野尻湖人」と呼んでいるわけです。 |
写真01−17−11 (撮影日 08/06/13) |
これはナウマン象の頭骨の化石です。大迫力です。 |
写真01−17−12 |
写真01−17−13 | 写真01−17−14 |
野尻湖ではナウマン象や他の動物の化石は多数出土しましたが、「野尻湖人」、つまり人の骨の化石は発見されていません。しかし、石器・骨角器は多数出土しており、当時の人間の生活の様子が確認できます。 |
3 象の歯 |
最後にこのページの問題になった、不可思議な形状を持つナウマン象の歯について説明します。 |
写真01−17−15 (撮影日 08/06/13) |
これはゾウのあごの化石です。両あごの上に、ゾウの歯が一対載っています。 |
歯の表面の模様は、ゾウの種類によって違います。 |
写真01−17−16 (撮影日 08/06/13) |
写真01−17−17 (撮影日 08/06/13) |
左の古ぼけたスニーカーのようなものは、マンモスの臼歯です。右は、現在アフリカ象臼歯です。 |
これで、野尻湖ナウマン象博物館の説明と、象の歯の化石の話は終わります。次のクイズはナウマン象シリーズその2です。野尻湖ナウマン象博物館内のナウマン象の模型の話が出てきます。 |