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日本の東西文化の比較U 味 番外編 11/12/18初版作成

 日清のどん兵衛きつねうどん」の東西比較の番外編です。「どん兵衛」三昧です。学習の要素よりもお楽しみのページです。あまり深く考えず気楽にご覧ください。
  ※正式な「どん兵衛」の東西比較レポートは前ページをご覧ください。
    →「「日清どん兵衛きつねうどん」の東西比較−2007年改訂版−
 

以後日清食品の「日清のどん兵衛きつねうどん」の登録商標(以下「どん兵衛」と略)を使わせていただきますが、あくまで大好きな日清食品の応援という趣旨をご理解いただきたいと思います。

日清食品のHPは、こちらです。→http://www.nissinfoods.co.jp/
日清食品のオンラインショップ:日清eめんshopはこちらです。→http://shop.nissinfoods.co.jp/


「日清どん兵衛きつねうどん」3種類比較
 はじめに どん兵衛三昧

 まず始めに、下の写真をご覧ください。どん兵衛が各種9個も並んでいます。
 しかし、上面のパッケージの表示は同じものは一つとしてありません。この中で普通に全国の小売店で売られているものはどれでしょうか?




 正解は3番です。以下に1から9までの説明をします。

2011(平成23)年11月には期間限定の東日本と西日本の東西味比べキャンペーンが行われました。これはその時に店頭販売された「どん兵衛きつねうどん 西日本」版です。「西」と丸い表示があります。
 通常は西日本版の店頭販売は、富山・滋賀・三重以西でのみ販売されていますが、この期間には、両地域で両方の版が販売されました。、

 上記1と同じ期間限定版の「どん兵衛きつねうどん 東日本」版です。「東」と丸い表示があります。 

 通常発売されているどん兵衛の東日本版です。上記1・2と違い、上面のパッケージ上は東と西の区別はありません。側面に、(E)(W)と小さく表示があります。 

 日清食品のオンラインショップ、「日清eめんshop」で購入できる「どん兵衛東西食べ比べセット」の「どん兵衛きつねうどん 西」版です。中央に小さく「西」のラベルが貼ってあります。
 この商品は期間限定ではなく何時でも購入できます。

日清食品のHPは、こちらです。→http://www.nissinfoods.co.jp/
日清食品のオンラインショップ:日清eめんShopはこちらです。→http://shop.nissinfoods.co.jp/

 上記4と同じ「どん兵衛東西食べ比べセット」の「どん兵衛きつねうどん 東」版です。中央に小さく「東」のラベルが貼ってあります。 

 

 日清食品のオンラインショップ、「日清eめんshop」で購入できる「北のどん兵衛詰め合わせセット」の「どん兵衛きつねうどん北海道限定」版です。上面パッケージの下部に北海道の地図と北海道限定の文字が入っています。  

 上記6と同じ商品の、「どん兵衛天ぷらうどん北海道限定」版です。上面パッケージの下部に北海道の地図と北海道限定の文字が入っています。    

 上記6と同じ商品の、「どん兵衛天ぷらそば北海道限定」版です。上面パッケージの下部に北海道の地図と北海道限定の文字が入っています。    

 上記6と同じ商品の、「どん兵衛カレーうどん北海道限定」版です。上面パッケージの下部に北海道の地図と北海道限定の文字が入っています。    

 見事にいろいろあるものです。日清食品の地域のニーズに適応した食品の提供という姿勢には感服です。


 北海道限定版について

 単なる東西味比べは、前のページで済ませていますので、このページでは、新たに加わった北海道限定版について説明します。
 どん兵衛そのものは、1976(昭和51)年から販売されている超ロングセラー商品ですが、北海道限定版はまだ新しく、2009年からの発売です。
 ホームページによれば、現在は、「北のどん兵衛 きつねうどん」のほか、「天ぷらそば」「カレーうどん」「親子そば」「天ぷらうどん」の5種類が北海道地方限定で販売されています。
 それぞれの商品によって、アピールされている特徴はちょっとずつ違いますが、「北のどん兵衛 きつねうどん」の場合は、「北海道産利尻昆布を使用した、だしの効いたうどんつゆ」です。

日清食品HP>製品情報>北のどん兵衛
http://www.nissinfoods.co.jp/product/search/list.html?ref_page=srch&kw=%96k%82%CC%82%C7%82%F1%
95%BA%89q&x=16&y=7
 

 以下は、実際に試食したレポートです。
  

 その前に、ついでに、カップヌードルやどん兵衛についての個人的な思い出を挟みます。
 日清食品が最初のインスタントラーメン、「
日清チキンラーメン」を発売したのは、1958(昭和33)年、私が3歳の頃です。私は小さい頃から偏食気味の子どもでしたので、その分、物心つくとこのインスタントラーメンなる嫌いなものが含まれていないわかりやすいおいしい食品に、人並み以上に惹かれました。
 しかし、当時の私の母親は、たぶんその頃の母親一般がそうであったように、「インスタントラーメンが食べたい」という子どものリクエストにそう簡単には応じませんでした。
「インスタントなんてそんな変なものを食べていると、体によくない」
というのが一般的な母親の意見だったよう思われます。

 しかし、1968(昭和43)年に「
日清出前一丁」が発売されると、もうこの時は自分が中学生になっていたこともあって、これにはまりました。一人で食事をとる時など、自分で決めることができる時は、よく食べていました。その頃の一袋の値段は、30円ぐらいでした。
 それ以上に画期的だったのは、やはりなんといっても、1971(昭和46)年の「
カップヌードル」の発売です。
 もっとも、これもよく世間に知られているように、カップヌードルは発売当初はほとんど売れませんでした。私も、カップにお湯を入れただけの食品がおいしいはずがないという先入観と偏見から、初めは積極的に手を出すということはしませんでした。
 また、世間的には別の批判もありました。ちゃんとテーブルについて食べるのではなく、いわば立ち食いや野外での食事を前提としているカップヌードルは、「良風美俗」に反するのではないかという批判です。
 その考えが変わったのが、これも巷に流布している通り、あの1972年2月の
浅間山荘事件のTV映像です。
 多くの国民が見ていたこの事件のTV中継の中で、警察の機動隊員のみなさんが、雪のあさま山荘の回りでおいしそうにこのカップヌードルを食べている映像は、その時高校2年生だった私にも非常に印象的でした。当時のカップヌードルは大口納入先をもっていませんでしたが、警視庁機動隊がその数少ない納入先だったことが幸運でした。
 
 翌年、大学に進学し下宿生活を始めると、このカップヌードルはなくてはならない食品となりました。「下宿生活」というと今では死語となってしまっていて、若者にその生活を想像してもらうことは困難です。当時の「下宿」は、今のキッチン・バス・トイレ付きのアパートやマンションとは違い、本当に普通の民家の一室を間借りしているだけのものでした。したがって、水を汲んできてお湯を沸かすというのも、そう簡単ではありません。

 その時に、下宿の近くに、専用の給湯器が付いたカップヌードルの自動販売機があったのです。これは、私の大学時代の貧しい食生活を支えることになりました。(この専用給湯器付きの自動販売機の製作も、はじめは全く売れず店頭には置いてもらえなかった日清食品の窮余の策による作品でした。)
 それに代わって、就職後の下宿生活を支えたのは、1976(昭和51)年5月発売の「日清焼きそばUFO」と同年8月発売の「日清どん兵衛きつねうどん」です。
 この二つは、現在でも私一人の時は時々メインメニューとなります。(現在でも昔と同じところがあります。妻は、夫が「どん兵衛を食べたい。」というと、あまりいい顔をしません。この辺が、日清食品さんが苦労されているところだと思います。)

参考文献 
日清食品社史編纂プロジェクト編『日清食品50年史 創造と革新の譜』(2008年)P24−39他
  安藤百福著『魔法のラーメン発明物語 私の履歴書』(日本経済委新聞社 2002年)P92−105 

 東西・北海道限定 食べ比べ

 まずは成分の違いです。西日本版と東日本版も前ページの2007年版とは少し違っています。


栄養成分

西日本版 東日本版 北海道限定版

エネルギー

407kcal 405kcal 411kcal 

たん白質

10.5g 10.6g 10.4g 

脂質

14.2g 13.6g 15.2g 

炭水化物

59.3g 60.2g 58.3g 

ナトリウム

2.3g 2.4g 2.3g 

めんかやく  0.8g

めんかやく   0.9g めんかやく   0.8g 

スープ     1.5g

スープ   1.5g スープ   1.5g 

ビタミンB1

0.19mg 0.17mg 0.19mg 

ビタミンB2

0.22mg 0.20mg 0.24mg 

カルシウム

150mg 164mg 157mg 

  ※パッケージの側面から引用しました。


 数値は少々違いますが、それほど大きな違いはありません。
 次は、原材料の比較です。 


西日本版(W)

東日本版(E)

北海道限定版 

味付油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆植物繊維)
かやく (味付油揚げ、かまぼこ)、スープ(食塩、魚介エキス、醤油、魚粉、ねぎ、
昆布エキス、糖類、香辛料、魚介調味油)、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、pH調整剤、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、香辛料抽出物、パブリカ色素、クチナシ色素、ビタミンB2、紅麺色素、ビタミンB1、(原材料の一部に乳成分、さば、ゼラチンを含む)

油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維)
かやく(味付油揚げ、かまぼこ)、スープ(食塩、醤油、糖類、かつおパウダー、魚介エキス、ねぎ、香辛料、昆布エキス、香味油、魚介調味油)、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、pH調整剤、酸味料、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、パブリカ色素、クチナシ色素、ビタミンB2、紅麺色素、ビタミンB1、(原材料の一部に乳成分、さば、ゼラチンを含む)

油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維)
かやく(味付油揚げ、かまぼこ)、スープ(食塩、醤油、糖類、魚介エキス、たん白加水分解物、魚粉、
昆布パウダー、ねぎ、香辛料、香味油)、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、pH調整剤、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、パブリカ色素、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、紅麺色素、香料(原材料の一部に乳成分、ゼラチンを含む) 

   ※パッケージの側面から引用しました。


 東日本版のみにあるのは、かつおパウダーです。北海道限定版だけにあるのは、昆布パウダーです。東日本版の特色は、材料からもわかるかつお味です。
 
西日本版の特色は原材料表記上は特にわかりませんが、その味の特色が昆布味があることは、言うまでもありません。


 さて実際に食べてみると次のようになりました。



 油揚げの大きさがそれぞれ特色があります。東日本が断然大きいお揚げです。



 お湯に浸ると東日本の油揚げの量感が際立ちます。
 おおむね食べ終わった段階で、スープの残りを撮影すると、下段のようになります。かつおだしの東日本が一番濃く、北海道地域限定がそれに続きます。
 3つのどん兵衛の味は、十分利きスープができるぐらい違います。
 西日本は昆布だしのうま味がたっぷり出ていますし、東日本はかつおだしのからめが特色です。北海道は、同じ昆布だし味でも西日本ほどはうま味・甘みが濃くなく、あっさりした味です。


 番外の中のさらにおまけ

 日清食品のオンラインショップ、日清eめんShop(→http://shop.nissinfoods.co.jp/)には、通常の店頭にはないいろいろ面白い商品が並んでいます。その一つをついでに紹介します。
 次の商品を見てください。一般の小売店ではなく、ある特別な組織で売られているものです。どこで売られているものかわかりますでしょうか?


 これはSDF、すなわちSelf Difence Force=自衛隊向けの商品です。
 SDFヌードルは基本的にはカップヌードルと同じですが、値段は、カップヌードル=168円、SDFヌードル=158円と、10円安くなっています。SDF焼きそばの方は、迷彩色パッケージです。
 


 おわりに

 日清食品の積極的な商品開発にはいつも驚かされます。故安藤百福氏の創業以来、多くの困難とライバル会社との熾烈な競争を勝ち抜いてきたことが、その背景にあるのでしょうか。
 また、今回のページ作成については、北海道版についてかなり詳しい取材が必要でしたので、思い切って日清食品のHPから一消費者としてメールでいろいろ質問をしてみました。すると、翌日には、その一消費者の質問について丁寧にお答えをいただきました。大変立派な姿勢です。同じサービス業に携わるものとして、見習わなければならない、「お客様本位」の姿勢です。
 「直接には複写・引用をご遠慮ください」という趣旨の説明がありましたので、直接の引用はしていませんが、いろいろ確認できた上で、このページの記述が成立しています。
 
 ただひとつだけ、注意しなければならないことがあります。
 私は、日清どん兵衛きつねうどんの西日本・東日本・北海道限定版をある日の昼食に食べました。どれも個性的で大変おいしくいただきました。
 しかし、こういうことは、おいしいからといって、毎日するものではありません。何しろ、3杯全部食べたということは、合計1223kcalのエネルギーを摂取してしまったことになります。昼食1食で、成人男子が1日に必要な1800〜2200kcalの2/3を摂取してしまいました。
 これを続けると、メタボ確実です。
 おいしい日清食品のメニューは、計画的に食べましょう。


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