西濃鉄道石灰石専用列車と
大垣赤坂金生山03
 通称「矢橋ホキ」って知っていますか?貨物列車の1編成から産業と故郷を考えます。
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 美濃赤坂駅1 稲沢出発 そして駅の歴史  
 最初の話は@空から
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 それでは、矢橋ホキのより詳しい説明に入ります。
 最初の写真はどれから選ぶか?
 前のP2では、北の乙女坂駅から順にルートをたどりましたが、今回は、一日を時間を追って見ていくという発想で、「@」の出発から見ていくことにします。
 
空荷の1番列車が、最初に動くところ、それは次の場所です。


 写真03−01 朝の稲沢駅、矢橋ホキ出発                 (稲沢@空 撮影日 08/07/26)

 P2の「矢橋ホキ運行詳細表」にあるように、矢橋ホキの1日のスタートは、朝の稲沢です。前の夜21時過ぎに新日鐵で積み荷を降ろした矢橋ホキは、そのまま名古屋臨海鉄道笠寺まで引かれ、さらに、EF56機関車に引かれて、真夜中に稲沢にやって来ます。そして、朝5時ちょうど、乙女坂に向けて出発します。
 上の写真は、2008年7月26日の出発の直前の矢橋ホキです。すでに乗務員はスタンバイし、ライトも点灯されています。牽引する機関車は、
EF65−1139号機です。
 後方から機関車や貨車を照らしているライトは、下り本線を04:47に通過しようとしている別の貨物列車、すなわち00:35横浜羽沢発福岡ターミナル行き(着20:15)貨物列車の電気機関車のそれです。
 この写真は多分他のサイトにはない、貴重な写真です。何しろ、まだ明けやらぬ朝3時15分に起床し、わざわざ稲沢に出かけて撮影してきた写真ですから。(^.^)

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 写真03−02    岐阜駅6番線を通過                (岐阜A空 撮影日 08/08/30)

 乙女坂へ向かう空荷の矢橋ホキです。ただし、これは1番列車ではなく、2番列車で、時刻は10時42分頃です。岐阜駅前の岐阜シティー・タワー43の43階展望室からの撮影です。

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 美濃赤坂駅線

 矢橋ホキは、大垣駅を過ぎて、南荒尾信号所から美濃赤坂線へ入ります。
 この路線は、東海道線の支線で、
大垣−美濃赤坂間はちょうど5km。南荒尾−美濃赤坂間は単線です。南荒尾信号所の北に唯一の途中駅、荒尾駅があります。大垣から美濃赤坂まで乗車して所要時間は僅か7分です。
 平日は1日に1上下18往復運転されています。2両編成の電車です。


 写真03−03     美濃赤坂線電車、南荒尾通過           (撮影日 07/0909)

 南荒尾信号所のポイントで、東海道線下り線(手前左側の線路)から上り線を経て美濃赤坂線へ向かう普通電車。
 右手に見える森は、御首神社の鎮守の森です。美濃赤坂線は、電車の向こうで大きく右にカーブし、鎮守の森の手前(東側)を通って北に進路を向け赤坂に向かいます。 

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 写真03−04 美濃赤坂線(撮影日 08/07/05)

 写真03−05 美濃赤坂線(撮影日 08/07/05)

 左:県道216号の高架をくぐって、美濃赤坂駅に近づく普通電車。安楽寺大門踏切から撮影。
 右:美濃赤坂駅構内に入り、ホームに停車しようとする普通電車。


 美濃赤坂駅と鉄道開業の歴史

 右の地図02は、JR美濃赤坂線美濃赤坂駅及び西濃鉄道の美濃赤坂駅です。元の写真は、国土交通省のウェブマッピングシステムのカラー空中写真から引用しています。
  ※国土交通省ウェブマッピングシステム 
      (http://w3land.mlit.go.jp/WebGIS/)

 但し、写真を横(東西)方向に2倍に伸ばしています。元写真は1987(昭和62)年撮影のものです。建物の状況等は現在と少し違っています。

写真03−06 美濃赤坂線 (撮影日 08/07/05)

  美濃赤坂駅ホームに停車中の普通電車。美濃赤坂行きとして到着した電車は、通常折り返して大垣行きになります。
 線路北端の車輪留め北側道路から撮影しています。

 写真03−07 美濃赤坂駅 (撮影日 08/07/05)

 まもなく発車の美濃赤坂線大垣行き電車に、「もうすぐ出発やで。急いでー」と通学の高校生を急がせる駅員さん。
 といっても、JRの職員ではありません。西濃鉄道の駅員さんです。

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 写真03−08      大垣行きまもなく出発                (撮影日 08/05/25)

 出発直前の美濃赤坂線電車を安楽寺大門踏切(右の地図の下の方にある踏切)から撮影しました。まもなく踏切のシグナルが鳴って、電車が動き出すというタイミングの撮影です。私の立っている位置と電車を結んでいる線路は、右地図のの線路、つまり美濃赤坂線本線です。  

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 写真03−09     出発した大垣行き電車                  (撮影日 08/05/25)

 上の地図上のの線路を走る、美濃赤坂駅を出発してまもない大垣行き電車です。美濃赤坂駅は、西側のJR部分に4本、東側の西濃鉄道部分に4本、合計8本の線路が敷かれています。この写真では、中央部に、西濃鉄道の4本の線路が写っています。矢橋ホキはここへ入ってくるわけですが、それは、また次のP4「美濃赤坂駅2」で紹介します。 

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 JR美濃赤坂駅は、1日に上下18往復しか運転されない地方の盲腸路線です。18本といっても、当然朝夕の通勤時間帯には多く運転されますから、昼間は2時間に1本という時間帯もあるローカル線です。
 JRの駅員は常駐せず、
西濃鉄道が駅管理を委託され、その写真がJRの駅業務も行っています。

 そんな田舎駅ですが、自慢になることが一つあります。
 昔の駅舎や建物が健在なことです。  


 写真03−10       美濃赤坂駅駅舎出発前                  (撮影日 08/07/05)

 美濃赤坂駅の駅舎です。いかにも古そうです。築造は、1919(大正8)年です。 

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 写真03−11 駅舎ホーム側 (撮影日 08/07/05)

 写真03−12 建物管理ラベル (撮影日 08/07/05)

 写真03−13 燃料倉庫  (撮影日 08/07/05)

 写真03−14 建物管理ラベル (撮影日 08/07/05)

 駅舎の南の庭にある煉瓦造りの燃料倉庫も1919(大正8)年の築造です。

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 このプレートの1919(大正8)年というのは、美濃赤坂線が開通した年です。この年の8月1日が、営業開始日です。美濃赤坂線は、この地域の産業界の強い要望によって建設されました。
 この地域にある
金生山では、江戸時代から石灰石や大理石の採掘が行われていました。石灰石は江戸時代は肥料としての需要でしたが、明治中期からはセメント原料としての需要も高まってきました。大理石は、大理石工芸品や建設石材としての需要です。
 明治後半期にはさらに需要が高まりましたが、輸送手段は馬車と船便によるしかありませんでした。1989年の東海道線全通後は、数百台の馬車が大垣駅や垂井駅との間を往復しました。
 このため、赤坂の事業主らは連帯して鉄道の支線の建設を要望し、それが実現して1919年の開業に至ったのです。金生山や石灰・大理石産業界については、のちに詳しく紹介します。 


 @空、美濃赤坂到着

 このページ最後の写真は、このページの先頭の写真からの続きです。
 2008年朝、5:00に稲沢を出発したEF65−1139号機に引かれた空荷の矢橋ホキは、予定どおり05:50に美濃赤坂駅に入ってきました。
 これから西濃鉄道の路線に入ります。
 その前に機関車を取り替えなければなりません。
 その話や、美濃赤坂駅についてのもう少し詳しい説明は次のページ「美濃赤坂駅2」に書きます。  

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 写真03−15     EF65−1139美濃赤坂到着        (美濃赤坂@空 撮影日 08/07/26)

 この写真は、先頭の写真の矢橋ホキ、つまり2008年7月26日の朝、稲沢駅で夜を過ごしたEF65−1139号機に牽引された矢橋ホキが、05:50に美濃赤坂駅に到着したところの写真です。
 つまり、この日私は、稲沢で05:00に上の写真を撮影し、すぐに自動車に乗って、一宮インターから名神高速に入り、大垣インターで降りて、国道258号線等を一生懸命走って、美濃赤坂駅に到着し、05:50の矢橋ホキ到着に先回りして撮影ポイントに立ち、シャッターを押したというわけです。時間がぎりぎりで、しかも焦ってピント合わせに手間取り、シャッターを押すのがやや遅れたため、EF65の先頭が左端の木に隠れてしまいました。(--;)
 そういう事情ですからお許しください。 


 写真03−16   機関車交換中の矢橋ホキ          (美濃赤坂@空 撮影日 08/03/15)

 電気機関車のアップです。間違いなくEF65−1139号機です。機関車交換の説明も次のページに掲載します。


 続きは、「美濃赤坂駅2」をご覧ください。 


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