名鉄揖斐線・廃線物語17
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 □廃線後その3 福井へ
    

このページは当初、05/11/27にup loadしましたが、すぐに状勢が変化したので、05/12/03に修正、再構成したものです。

   

またその後の取材によって、以下の電車群の移譲先である福井鉄道の取材をしてありますので次のページをご覧ください。 →「各地の鉄道あれこれ20 各地の路面電車その8福井鉄道 元名鉄岐阜の電車たち」


 旧名鉄揖斐線・美濃町線車両の嫁ぎ先のうち、最大手は、福井県越前市に本社のある
福井鉄道です。
 以下、合計20両が福井へ向かいます。

車両名

モ770形

4編成×2=8両 

モ802、803

2両

モ880形

5編成×2=10両


 そのうちの、第一陣として、9月下旬から、10月上旬にかけて、
モ802モ803の2両と、モ770形の4編成8両が岐阜から運ばれました。(これらの車両は、05/12/03現在、武生市の福井鉄道武生車両工場に留置されています。)

 
福井鉄道は、どうして、一度に20両もの車両を購入することになったのでしょうか?

 そもそも、
福井鉄道とはどんな会社でしょうか?
 
福井鉄道は、福井市近辺の中小私鉄が合併して1945年に設立され、1962年には名鉄系列に入っています。以前は、複数の鉄道路線をもっていましたが、モータリゼーションの波に押されて廃線となり、現在は、鉄道路線は福武線のみとなりました。バス路線はたくさんもっています。

 福武線は、福井市内とその南にある武生新駅(越前市)を結ぶ
21.4kmの路線です。
 福井市街地は道路との併用軌道、郊外は専用鉄道線という形体で、まるで、旧岐阜市内線と揖斐線を彷彿とさせる路線です。

 ところが、珍しいことに、福武線では鉄道線用の床が高い鉄道線用の大型車両がそのまま市内地の軌道に入っていて、大型車両が道路の中央を、脇に自動車を従えて走っています。
 そのため、路面区間の交通量と乗降客が多い場所では、乗り降りが非常に苦しい状況となっていました。また、車両の老朽化も進んでいました。

写真で見ると、本当に、町の中の道路を普通の大きな電車が走っています。
私はまだ福井鉄道には乗ったことがありません。他の方のHPを参照ください。
taniguchiさんの「北陸私鉄紀行」はこちらです。 その中の福井鉄道のページはこちらです。 

 
 このままでは、地域住民にも見放されて、経営危機に陥ると判断した同社は、名鉄車両が大量に放出されるのを好機ととらえました。すなわち、これまで所有している24両のうち20両を名鉄からの購入車両と入れ替え、さらに、その車両の高さに合わせて、鉄道駅のホームを従来の鉄道線用の高さ88cmから、旧名鉄線用の32cmに下げる工事も行うという、起死回生の作戦を考えたのです。
 これには総費用3億3000万円が見込まれ、国や沿線自治体の補助も得るとのことです。

 つまり、沿線自治体の理解を得て、「少子高齢化が進む中、安全で乗りやすい電車として生き残りを図る」というビジョンです。
  ※『岐阜新聞』2005年11月22日朝刊の記事を参考にしました。


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 豊橋鉄道に譲渡された、モ780計7両とモ801は、そのまま運ばれて現地で改良・ラッピングが施されました。

 福井鉄道向けはどうなったでしょう?


 福井電鉄に譲渡予定の旧美濃町線車両モ880形の2編成4両。旧11月末現在、昔の姿で市ノ坪にいました。
(本来、5編成10両あるはずですが、車庫の中までは確認できません。)
   (撮影日 05/11/26)


 上の写真は、2005年12月3日朝の市ノ坪の車庫の様子です。
 右から、
モ513モ574、車庫の中に入っているのがモ880形、そして、一番左の見慣れない塗装の電車は・・・・・・?
(撮影日 05/12/03)

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 アップにしてみました。
 実は、左の車両は、右と同じ、
モ880形です。いつの間にか、赤い色の部分はすっかりなくなり、クリーム色、緑色と青色の3色カラーになってしまいました。(撮影日 05/12/03)


斜め前からです。後ろにももう1編成、同じ色に塗装されたモ880形がいます

真横からです。

少しアップにしました。塗装のためか、取り替えのためか、パンタグラフが取り外されています。


 実はこれが、福井鉄道用のカラーなのです。(撮影日 05/12/03)

 とはいっても、今現在の福井鉄道の車両がこの色に統一されているわけではないのですが、すでに、福井に輸送されたモ770形や、モ802モ803も同じ塗装となっており、来年度以降旧名鉄車両群が福井鉄道の主役となった際には、この彩色の車両に統一されるというわけです。

 鉄道ファンの情報では、これらの
モ880形車両は、2006年1月福井へ輸送されるそうです。
 
 市ノ坪が寂しくなるのももうすぐです。

 

その後の取材によって、上記の電車群の移譲先である福井鉄道の取材をしてありますので次のページをご覧ください。 →「各地の鉄道あれこれ20 各地の路面電車その8福井鉄道 元名鉄岐阜の電車たち」


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