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 014 学校特色化選抜                   

 2月19日(火)・20日(水)に、岐阜県の今年からの新しい入試制度、学校特色化選抜が実施されました。
  
  

◆特色化選抜の主な特色◆
○ 募集人員

  学校特色化選抜の募集人員の割合は、次のとおりとする。
(1) 普通科(コースを含む。)、理数科、英語科の募集人員の
   割合は、当該学科の入学定員の10〜20%の範囲で、各 
   高等学校長が定める。
(2) その他の学科の募集人員の割合は、当該学科の入学定員
   の10〜50%の範囲で、各高等学校長が定める。
○入学者の選抜方法 
  高等学校は、中学校から提出された各出願者の調査書の記
録及び各高等学校で実施した面接、小論文、実技検査、学校独自問題(自己表現を含む。)の結果(出願者から自己申告書が提出された場合は、これを含む。)に基づいて、総合的に審査し、入学者の選抜に当たる。

 
    

 特色化選抜のポイントは右の表の通りです。
 公立全日制高校の総定員17,320人に対して、特色化選抜の対象定員は、5,344人、これに対して、17,511人が応募し、倍率は、3.28倍となりました。
 普通科・理数科・英語科の倍率は、5.34倍と高いものになりました。

 新聞紙上によれば、次の点がプラスの評価とされました。

  1. 各高校が独自問題を出題しましたが、統計資料の分析を英語で書かせる問題(岐阜高校)、出題した文章について受験生の考えを360字以上400字以内と比較的長い文章で答えさせる問題(大垣北高校)など、進学校を中心に骨太の問題が多く見られました。各高校の、「やる気」が十分に感じ取られる問題となりました。

  2. すべての平均倍率3.28倍が示すように、昨年までの学力試験では定員割れを起こした高校でも、高い倍率で、志望者を受け入れることができた。

 しかし、反対に次のマイナス要因も指摘されました。

  1. 普通科高校では、学校の特色といってもそれほどの違いは出しにくく、それ故に、中学校の指導も学校の特色を見て生徒を送り出すと言うよりは、昨年までの入試難易度に応じて、生徒に成績に応じた高校を受験させるといった形が多く見られた。

  2. 今回は、1回目だけに問題作成側の比較的自由な裁量が許されたが、これが続くと、問題の作成に「ネタ切れ」が起こる危険性がある。

  3. 高校側では志願者の予測がつきにくく、試験問題の作成・合否判定作業など新しい選抜に伴う負担増が相当なものになっている。

 これからの課題と考えられる点を、個人的な見解として列挙します。

  1. 特色化選抜の合格者と一般学力選抜の合格者に、成績等に違いが生じた場合、クラス編成等どのような対応をするか。

  2. 特色化選抜の生徒の入学後のフォローアップと分析を継続し、3年後、これまでの生徒およびこれ以後の学力選抜の生徒との相違があるのかないのかの追跡調査をしていかなければならない。

 とりあえず、第一歩は「成功」といえるかもしれませんが、本当はこれからです。
 ※特色化選抜の受験に関しては、my diary学校・役所雑感 お受験1


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