さて、今回の旅行の最終訪問地は、天城峠です。
タイトルに注目してください。あえて、「天城峠探検」となっています。天城峠は人跡未踏の秘境ではありませんから、普通に訪れれば、「探検」とはなりません。
では、なぜ、「探検」になってしまったのか?その原因は、その日、11月26日(月)の伊豆地方の天候にありました。
11月25日(日)の夜、キンメダイのしゃぶしゃぶを食べながら、TVで翌日の天気予報を見ていました。
TV
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「明日は日本海を低気圧が通過するため、各地で大荒れの天気となります。・・・・伊豆地方は午前中から雨が激しくなり、風速10m以上の南寄りの風が吹き、波も高いでしょう。気温は上がらず寒い一日となるでしょう。・・・・」
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妻
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「あれあれ、明日は期待を裏切って、悲惨な天気になるわ。」
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私
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「それじゃ、戸田とか河津七滝とかを回る計画は中止して、バスかタクシーで天城峠のトンネルにだけ立ち寄ろう。
川端康成や松本清張の小説に描かれた天城峠はぜひ行ってみたい。雨だけどトンネルの中は大丈夫だろう。
トンネルの中を歩いて通過して、向こう側から、またバスで、伊豆修善寺に行き、電車で三島へ出よう。午後も雨が降り続くようなら、早めに切り上げて新幹線で帰ろう。」
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26日(月)の朝は、早朝の露天風呂入浴の時はまだ雨は降っていませんでしたが、ホテルを出る頃は天気予報どおり、本格的な雨となりました。
下田駅から河津駅まで電車で行き、東海バスの時刻を確認しましたが、いいバスはありません。雨もよりひどくなって来ましたので、タクシーで旧天城トンネルの南の入口まで、直接送ってもらうことにしました。
うまい具合に、駅前にタクシーが1台止まっていました。大雨のしかも月曜日ですから、私達以外に観光客はいません。
私
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「旧天城トンネルの南口まで行って欲しいんですけど。」
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運転手 |
「はい、わかりました。生憎の天候となってしまいましたね。今日の雨は相当ひどいですよ。今日は、どういうプランですか。」
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私
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「トンネルの南口のすぐそばまで行けますよね。とりあえずそこまで行って、トンネルを北口へ抜けて、その下の国道まで下りて、そこからはバスで修善寺へ行こうと思っています。」
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運転手 |
「南口のすぐそばまで行けます。すぐにトンネルに入れば、雨には濡れません。トンネルの長さは450m程ですから(正確には446m)」、ゆっくり歩いても、北側に出るまで、そう時間はかかりません。
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私 |
「北口から、国道のバス停に降りるのには、15分ぐらいでいけるでしょうか?」
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運転手 |
「天候が良ければ15分もかからないでしょ。ただし、今日の雨ですから、すべるし、ひょっとしたら、山道を雨が流れている可能性もありますから、注意してください。バスの時刻はわかっていますか。」
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私 |
「え~と、天城峠停留所を10時38分。」
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運転手 |
「このままいけば、トンネル南口には9時45分ぐらいには着きますから、大丈夫でしょう。あまり長居されないほうがいいですよ。こんなひどい雨が続くと、雨量規制で、国道が通行止めということもありますから。」
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妻 |
「ええー、取り残されたら遭難しちゃう。
でも、反対に時間があまったら、どうするの。こんな雨の中、周辺散策という訳にはいかないよ。」
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私 |
「多分時間があまると思うので、そうなったら、トンネルの中で雨宿りしよう。トンネルの中は、夏涼しくて冬暖かいというのが相場だ。」
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実は、この会話の中の予想・期待のうちの何かが現実と違っていて、天城峠ですごした50分間は、実に悲惨なものとなってしまいました。どの点かわかりますか?
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