2010-04
| 日記のメニューへ | | 一つ前に戻る | | 次へ進む |
118 2010年06月20日(日) 映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士・・・」泣かせる作品でした。    

 久しぶりの映画鑑賞記です。
 今日の名作品は、6月20日に見た、ROBOT映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」(監督錦織良成、脚本錦織良成、ブラジリィ・アン・山田、小林弘利、主演男優中井貴一、主演女優高島礼子・本仮屋ユイカ・奈良岡朋子)です。いつものとおり、本巣市のモレラ岐阜にあるTOHOシネマで見ました。例によって、「夫婦どちらか50歳以上」割引を使って、二人で2000円です。

 まず、観客の「多さ」に驚きました。
 この映画は、5月後半に封切られたもので、すでに1ヶ月を経過しています。このため、この土日のTOHOシネマの扱いは、上演回数は1日僅か2回、しかも劇場も席が少ないほんの小さなものでした。
 しかし、朝の10時20分上演開始の映画に、私たち夫婦を含めて、合計「15人もの」観客がいました。この「多さ」に驚きました。
「15人が何で多いんじゃ。」
といわれるかも知れません。でも、これまで、何回も、乗客ほんの数人、もしくは、「自分たちの家族の貸しきり」というのも経験していますので、「上演開始1ヶ月後に15人」はとても多い数字なのです。

 内容もその驚きに劣らないものでした。まず、端的に評価を示します。


「RAILWAYS」
お薦め人 お薦め度
(3点満点)
コ  メ  ン  ト

★★★  RAILWAYSのSの意味がとても分かる映画だった。

妻(54歳)

★★★  とても優しい映画でした。
  ※「RAILWAYS」の公式サイトはこちらです。→http://www.railways-movie.jp/ 

 「49歳で電車の運転士になった男の物語」という副題が、この映画のストーリーの骨格を語っていることは間違いありません。
 主人公
筒井肇(中井貴一)は、東京の大会社KO電気の室長をしているサラリーマン。家族は妻の由紀子(高島礼子、専業主婦からハーブ販売店の経営をはじめたばかり)と就活をする大学生の一人娘(さち、本仮屋ユイカ)。
 そして、もう一人、母
絹代が、宍道湖のほとり島根県出雲市美野町の一畑電鉄伊予灘駅にほど近い旧家に一人で住んでいます。
 肇は大学卒業後大企業に勤務し、家族よりも会社・仕事を優先する、典型的な大企業の「
エリート・サラリーマン」です。家族との会話も多くありません。
 夫「かあさんは、どうしている。」
 娘「夫婦なんだから娘に聞かないで、直接話してほしいな。」
とか、
 妻「倖と喧嘩でもしたんですか。自分の娘のお相手ぐらいしっかりやってください。」
というセリフはごく日常的です。
 
 そんな筒井家の東京での生活に大きな変化が生じます。
 出雲の
母(おばあちゃん)が心筋梗塞で倒れて緊急入院をしさらに、精密検査の結果、胃に悪性の腫瘍があることが判明したのです。 
 娘「おばあちゃんが倒れたのに、仕事仕事って信じられない。私は、当分おばあちゃんのそばにいる。」
 母の病気によって、3人の人生、それぞれ
RAILWAYに変化が生じます。

 そして、肇は、小さい頃からの夢だった、
一畑電鉄の運転手になって、地元の母のそばでの生活を選択します。同期入社のかげりのある若者、宮田大吾(三浦貴大)がストーリーに深みを持たせます。彼は、プロ野球の選手という道を、肘の故障であきらめて、一畑電鉄に入社しました。

 息子肇と母との何気ない会話、肇自身の「エリートサラリーマン」から「田舎の運転手」への成長、妻の心遣い、娘の進路の選択、大吾の「夢」との関わり合い、そして、会社や地域の人々との関わり。
 たくさんの人々の優しさがあちこちにちりばめられて、物語は進行していきます。
 春から夏へそして実りの秋へ。
 母の死は、それぞれのRAILWAYの終了でもあり、また始まりでもありました。

 夫は出雲で、そして妻は東京での自立生活。
 夫が運転する電車に乗った妻に、肇は問いかけます。
 夫「終点まで、ちゃんと乗ってくれよな」
 
 夢、家族、そして日常生活で大切にしたいもの。
 たくさんの宝物を一杯感じることができる映画です。 


 一畑電気鉄道株式会社の公式HPはこちらです。http://www.ichibata.co.jp/dentetsu/


「こんないい映画を見ただけにしておくのはもったいない。」

「どういう意味?」 

 私

「君は石見銀山に行きたいと言っていたね。」 

 妻

「うん。」 

 私

「じゃ、今年の夏は、石見銀山へ行こう。そしてそのついでに一畑電鉄に乗ろう。」 

 妻

「そばなの?」 

 私

「そばもそば、同じ島根県。」 

 妻

「ふーん。なんか、また電車とセットの旅みたいね。」(GWの旅はこちら→) 

 私

「いいじゃない。テーマがしっかりしていて。ただの物見遊山よりは、行き甲斐がある。」 

 というわけで、我が家の次の旅行にも影響を与えてしまいました。
  ※2010年7月30日〜8月1日に出かけた、出雲・石見旅行記3 一畑電鉄』はこちらです。 


 もう、上演終了も近いですから、映画館で見たい人はすぐに行ってください。
 ヒマのない方は、DVDの発売を待って、ぜひ見てください。
 見た人それぞれが、自分の「
A RAILWAY」を考えることができる映画です。 


| 一つ前に戻る | | 次へ進む |