9月19日(金)朝9時ちょっと前、予定どおり山内ホスピタル4階のナースステーションで、鼠径ヘルニアの手術で来院した旨を告げました。
8:50、すぐに担当の看護師さんがやって来ました。(この病院の担当看護師制度については、前回の入院時の記録「腸閉塞入院記」に書きました。こちらです。→)
その看護師さんを見てびっくりしました。腸閉塞でお世話になった、あの美人看護師のOさんでした。前回の入院の時の最後の日、2005年1月21日以来の再会です。
私 |
「あ、ひょっとして、Oさんですよね。」 |
O看護 |
「あら、どこかでお会い・・・・。」 |
私 |
「3年半前に腸閉塞の入院でお世話になりました、Mです。」 |
O看護 |
「あ〜あ、Mさんですね。」 |
こちらが覚えている程にはOさんが覚えていないのは無理はありません。前回の入院期間は僅か3週間、それほど長くはありません。たくさんの入院患者の一人に過ぎないのですから、記憶には残りません。私たち教員が卒業生を全員覚えているよりは、より困難でしょう。
しかしこちらとしては、以前に面倒を見てもらい、信頼が置ける看護師さんと思っている人に、またお世話をいただけるのは嬉しい限りです。
9:30、O看護師に呼ばれました。
O看護 |
「Mさん、最初の仕事は、浣腸です。今日朝、お通じはありましたか?」 |
私 |
「いえ、ありません。外来で処方された下剤を3粒、昨日の晩に飲んだけど、まったくでません。私は、胃結腸反射がよく機能する方なので、反対に、朝食抜きの日は、ダメです。」 |
O看護 |
「そうですか。では予定どおり、浣腸しまあ〜す。トイレに来てください。」 |
二人で一緒に、洋式便器の普通よりはちょっと広めのトイレに入りました。病院でなかったら、ずいぶん怪しげな男女です。
O看護 |
「はい、Mさん、これからこの大きな浣腸をします。はい、便器の方を向いて。いきますよ。(浣腸が入る)それでね、大切なことがあります。入り終わったら、すぐに出してはいけません。すぐに出すとどうなる分かりますか?」 |
私 |
「浣腸液だけが出てしまって、中味が出ない。」 |
O看護 |
「そのとりです。ですから、3分間、じっと我慢して、それから出してください。はい、入りました。では頑張って。私が出ていったあと、トイレの鍵をかけるのを忘れないでね。」 |
この「3分待つのだぞ」は、なかなか苦しい試練でした。脂汗かいて、時計を見ながら必死に我慢しました。でも・・。
私 |
「Oさん、終わりました。」 |
O看護 |
「ちゃんと、3分間我慢しましたか。」 |
私 |
「は、はい。(実は2分45秒で、放出してしまいました。)苦しんだ割には、「大漁」というわけにはいきませんでした。」 |
O看護 |
「仕方ないですね。」 |
ここでちゃんと出しておかないと、手術後がしんどいことが分かりました。あとでお話しします。
10;00、病室に案内されました。
O看護 |
「今日の朝に退院する患者さんが、ちょっと遅れてしまって、迷惑かけました。ここが病室です。すぐに次の措置がありますから、前あきの寝間着に着替えて待っていてください。」 |
案内されたのは416号室、4人部屋です。整形外科管轄の年配のIさん、急性胃潰瘍で10日前に血を吐いて入院したFさん、潰瘍性大腸炎の少年、そして新入りの私です。
10:30、道具を持ってO看護師登場。
O看護 |
「Mさ〜ん、悌毛です。悌毛。寝間着を開いて、パンツを下げてください。」 |
私 |
「・・・・・・」 |
O看護 |
「では剃りますよ。これって・・・・生えてくる時、しかしかして痛いんですって。・・・・・・・・」 |
作業している方は、一生懸命ですが、されている方は、何か雰囲気として、気晴らしにしゃべらなくてはいけません。
私
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「Oさん、実はね、前回の腸閉塞で入院のあと、あなたやS先生のことをHPに書きまし・・」
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O看護
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「読みました。看護師長さんに言われて。これ私のことかなって、半信半疑でした。美人看護師って書いてあるし・・・。」
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私
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「あなたのことです。そうですか、読んでくれたのですか。」
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O看護
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「つらい入院が、ずいぶん楽しい話になっていて、面白かったですよ。」
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私 |
「写真も大量に使って、ずいぶん詳しい説明にしました。一般読者の方になかなか反響があったんだよ。突然、ご主人が腸閉塞で入院した奥さんが、心配してインターネットで体験記を捜し、私の経験を読んでほっとする、といった感じの感想メールがたくさん来た。」 |
O看護 |
「いろいろ根掘り葉掘り聞いたって書いてあったけど、あんまり聞かれていやな思いをした覚えはないんだけど。」 |
私 |
「ちょっと聞いて、あとで自分で調べて、いろいろ苦労した。でも、イレウス管も入った腹部のレントゲン写真のデジカメ撮影の許可をS先生聞いてくれる時には、残業させてしまったっけ。ありがとう。あれは特に貴重な、分かりやすい写真になった。」 |
ブーン、ジジジと、この間にも悌毛は進みます。
O看護
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「だんだんきれいになりました。おへそのゴマも取ります。いつも掃除していますか?年配の方でず〜と掃除していない方なんか、すごい塊が出てくる時があります。ようするに垢です。Mさんはずいぶんきれいですね。」
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私
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「時々とってますから。」
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O看護
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「毛は真ん中から右側はきれいに剃れました。しばらくは温泉には行けませんね。何ならバランス悪いですから、左側も剃りますか。」
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私 |
「えー(予想外の質問にとまどいながら)、左は残しておいてください。」(--;) |
O看護 |
「最後に、左の太ももの毛を剃ります。これは、電気メスのアース線を貼り付ける場所です。」 |
私 |
「アース線?、へー電気メスってすごいね。」 |
O看護 |
「はい、終了です。このあと、すぐにシャワーを浴びてください。そのあと手術前まで点滴です。時間の余裕はありません。」 |
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