キティホークは、アメリカ海軍第7艦隊の通常動力(つまり原子力推進ではない)の空母で、横須賀を母港としています。
空母ミッドウェイの横須賀配備以来、アメリカは第7艦隊の空母のうちの1隻を横須賀に配備してきました。前ページで説明した第6ドックは、艦船としては超大型のアメリカ空母でさえも楽々入ることができるドックですから、横須賀はアメリカ海軍にとって、とても重宝なところと言うことになります。
空母キティホークが、空母インディペンデンスにかわって横須賀を母港としたのは、1998年のことです。
ところが、現在、この空母の後継艦をめぐって、いろいろ心配が生じています。
現在アメリカ海軍は、12隻の空母を保有しています。通常動力の空母が2隻、原子力推進の空母が10隻です。
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通常動力型は、キティホークとJ・F・ケネディ。
原子力空母は、かの有名なエンタープライズとそれより新しいニミッツ型9隻。
ニミッツ型の最新鋭艦は、2003年に就役したロナルド・レーガン。
ついでに言うと、2009年就役予定で現在建造中の11番目の空母の名前は、元大統領の名前をとったジョージ・W・H・ブッシュです。
軍艦に大統領や政治家・軍人の名前を付けるというのは、日本人の感覚から言うと、ちょっと違和感があります。ちなみに、ジミー・カーターという名前の原子力潜水艦もあります。
いくら尊敬すべき元大統領とはいえ、ブッシュ元大統領のようにまだ存命している方を軍艦の名前に付けるわけですから、賛否もあるでしょう。日本なら、空母中曽根、潜水艦竹下、巡洋艦橋本、なんて感じです。 |
当然ですが、横須賀には、日本国民の感情に配慮して、これまで原子力空母は配備されていません。(寄港したことはありますが・・。)
ところが、キティホークは、1960年進水、1961年就役の、アメリカ空母中の最古参で、現段階でもう寿命が来ています。つまり、やがて引退の時期が近づいています。
アメリカは今後、通常型空母を建造するつもりはなく、もう1隻のJ・F・ケネディ(現在練習艦として使用)も、1968年就役と、これまた引退時期が近づいています。
軍事評論家の江畑謙介さんに言わせると、「キティホークの後継にJ・F・ケネディはあり得ない。」(asahi.com My town神奈川)とのことです。
となると、横須賀に原子力空母が配備される日も、そう遠くありません。
21世紀初頭の10年間は、日米軍事同盟が実質上画期的に強化された期間と、その後位置づけられることになるでしょう。
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