これは、私が2002(平成14)年9月18日(水)〜9月22日(日)に研修で出かけた北方領土色丹島の訪問記と、ついでに回った、北海道東部の旅行記です。


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J 北海道はでっかいどー


○巡航スピード
 「北海道はでっかいどー」というキャッチコピーが流行ったのは、いつ頃だったでしょうか。25年ぐらい前でしょうか。
 しかし、この言葉は、単なる流行語にしておくのにはもったいなさ過ぎます。今回、2度目に訪れた北海道は、やっぱり、本当に「でっかいどー」でした。

 9月18日午後、札幌千歳空港から中標津(なかしべつ)空港に到着しました。ここから、レンタカーを借りて、標津・羅臼・根室と、この日は、トヨタヴィッツ5速マニュアル車で、225q走破。

 北海道内はどのくらいのスピードで走るべきなのか分からなかったので、中標津空港を出てしばらく時速75キロほどで走っていると、いきなり、軽乗用車に抜かれました。
 道内では、もっと速く走らないといけないのですね。

 圧巻は、羅臼から根室までの海沿いの道。
 140qありましたが、その間に信号は9個しかなく、所要時間2時間でした。
 途中エンストを4回、つまり、信号に止まった回数分だけエンストしました。もちろん、日頃乗り慣れていないマニュアル変速車だからですが、何しろ一度5速に入れると、そのまま20分から30分ずっとギアチェンジなしですから、次ぎに止まる時には、マニュアル車であることを忘れてしまって、必ずエンストと言うわけです。

 全国どこの道路でも、動物注意の標識がありますが、問題はその標識に書かれている動物の種類です。我が県では、タヌキやサルだったりしますが、北海道では、シカです。
 本当にいました。
 標津から根室に向かう夕方、風蓮湖脇の244号線で、3匹もエゾシカを見たのです。しかも、そのうち2匹は夫婦?なのか、最初の1匹が急に前を横切って反対車線側に駈けたら、もう一匹も、さらにあぶないタイミングで前を横切ったのです。
 急ブレーキで危うくセーフでしたが、あんな大きなエゾシカをはねたら、ヴィッツなぞ、ただでは済まない気がしました。動物愛護に本当に気を配らなければいけません。 

中標津空港、左端の飛行機がなかったら、道の駅のよう

道東の道路は、このどこまでも続く直線感がたまらない

飛行機から見た根釧台地、広々とした牧草地が続く

刈り取られたばかりの牧草地 


 ○サケ・マス
  標津町を始めとする北海道東部の河川は、現在もサケ・マスの遡上が見られます。
 一時は、乱獲でほとんどいなくなってしまった時もありましたが、人工ふ化場などの必死の努力で、近年では、かなりのサケ・マスが北海道の川に蘇ってきました。
 
 標津町には、サーモン・パークがあって、標津川さかのぼる鮭が橋の上から見ることができます。おまけに、サーモン科学館があって、サケ・マスのいろいろが勉強できます。

 ここのビデオで、川で孵化したサケ・マスが育つのは、東部アリューシャン沖の北太平洋(下の地図の青●の所)であることを知り、驚きました。知る人には常識なのでしょうが、そんな遠くまで行き、またよく帰ってくるものです。
 ビデオでは、産卵・孵化そして、幾多の困難を乗り越えて、再び産卵に帰って来て、やがては仕事を終えて死に果てるサケ・マスの姿が感動的に描かれていました。

 これを、北海道旅行の第1日に見たのは、失敗でした。
 サケ・マス君のけなげさにうたれた私は、この日から、今までイクラを食べていません。旅行前は、北海道の本場のイクラ丼を食べるのが楽しみだったのに・・・・。(-_-;)
 ※標津サーモン科学館 01538−2−1141


標津川のさかのぼるサケ・マス

海面にも勢いよく飛び出る

科学館内水槽の稚魚


標津川、根釧台地を東流して、標津町でオホーツク海へ

科学館内の横の導水路内の自然のサケ


 ○知床半島・羅臼
 知床半島の羅臼へ行って来ました。天気がよければ半島の羅臼岳、南の海には国後島が見えるところですが、生憎の曇天。知床峠は、霧で視界はわずか20メートルとラジオで聞いて、あきらめて引き返します。

 羅臼の道の駅に立ち寄ると、缶詰の中に、「羅臼名物トド肉の大和煮」が。珍しいので早速購入です。
 おばちゃんに聞いてみました。

「おばちゃん、トド肉って、本物。」
「本物、本物。冬になって流氷がくると、トドが一緒にくるべさ。スケトウ(すけそうだら)をねらってたくさん食ってしまうべ。だから、ここらでは、トドは害獣で、撃ち殺してもいいのだす。ちゃんと、トド撃ちのプロがいるだべ。」
 ※「トド肉の大和煮」1個500円 
 ※目梨郡羅臼町本町 01538−7−5877 有限会社あべ商店 ホームページ
 
  食すると、心地よい歯ごたえがあって、美味です。


トド肉の缶詰とトド肉の大和煮

トドの剥製


 ○牧場・牧草
 根釧台地は、夏の気温が低くて、農作物は育ちません。畑に代わって見渡す限りの牧場です。
 
 ところで、牧場では、当たり前ですが牧草を育てなければなりません。
 その牧草に関して、最近の牧場には、本州の我々があまり知らない光景が展開しています。

 左の写真をご覧ください。
 近くの牧場にも、遠くの牧場にも、白や黒や奇妙なものが置いてあります。これは拡大すると、右下のようになります。

 これは何かというと、刈り取った牧草を保存するためにクルクルとロール巻きにし、ビニールでラップしたものです。

 以下の牧場の機械の写真は、中標津町の株田牧場のものです。
 旅行中には機械の撮影できませんでした。このページを作るときに、インターネットで探して、株田牧場の紹介HPに掲載されているのを見つけました。早速、メールでお許しを得て、転載させていただきました。ありがとうございました。
 ※株田牧場のHPはこちらです。
 

牧草の刈り取り

牧草のロール巻き

牧草のラッピング

でかいタイヤではありません 牧草です


 ○牛はよく食べる
 この牧草のラッピングについて、現地の農協に聞いてみました。標津郡標津町川北基線2番地のJA標津(標津農業協同組合)に電話して教えてもらいました。お忙しいところありがとうございました。
 ※電話 01538−5−2121
 

  • こ 以前は牧場というとタワーサイロに牧場を保存すると言うのが一般的だった。

  • しかし、保存料が限られていること、水分の調節が難しくて、冬に凍ってしまうと牧草がサイロの中で動かなくなってしまうなどの弊害が出て、バンカーサイロ(干し草を地面に土手のように積んでいき、上にビニールハウスのようにビニールをかける)が登場。

  • さらに、1990年頃から、ビニールラップ形式が登場。これは、日本独自の保存方法で、ロールした牧草を特殊なラッピングマシンを使って、1ロール約600sから800sをラップしていく。

  • 但し、牛は1匹で、1日に30sから40s位の牧草を食べる。1ロールで牛1匹の10日分ぐらい。

  • ロールは、1ヘクタールから30個から40個取れる。牧草は、1年に2度収穫がある。(6月と9月)したがって、牛に牧草だけを食べさせると、牛1匹の1年分の牧草をまかなうには、牧草地が牛1匹≒0.5ヘクタールという計算になる。ずいぶん広い敷地が必要な計算です。

  • アルファルファという名前のタンパク質をたくさん含んだ牧草は、気温と土壌の関係で根釧台地では栽培できず。このため、今もアメリカなどから輸入している。 

 

牛を飼うには広大な牧草地が必要です。


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