| 旅行記のメニューへ  | | 「富士青木ヶ原樹海」メニューへ  | | 前へ | | 次へ |

D 風穴・氷穴・竜宮洞穴・蝙蝠穴   | 目次へ戻る |    

 溶岩が棚のように固まった溶岩棚。溶岩の上に、1100数十年かかって、これだけの樹木が茂った。

 野鳥の森公園の入口から上り道を約45分。風穴の手前で、国道139号線に出る。

| 目次へ戻る |

 右は、樹海のあちこちに立てられている「樹海マップ」です。
 今、Aの野鳥の森公園の入口から、Bの風穴まで来たところです。

 この区域は、図に青色の線で示されている国道139号線と左端に橙色で示されている県道21号線からそう遠くなく、自動車のクラクションも時折聞こえました。

 私たちは、
BからCDと行く予定ですが、私たちの踏破ルート以外に、樹海の中にいくつかの遊歩道があることが分かります。
 図の中央、樹海の真ん中を通る遊歩道は、あえて、私たちは、歩かないことにしました。

 ルート距離・経過時間等詳細地図へ |

 理由は簡単、あまり不気味な経験はしたくないからです。
 この判断は、無難な選択だと思います。実際、樹海の中は、あまり人は歩いていません。
 上の写真をご覧のいただければ分かりますが、国道139号線は、風穴・氷穴に向かう観光客で車が渋滞しています。駐車場は一杯です。
 東海自然歩道を歩く、風穴()から氷穴()までは、遊歩道も混雑していましたが、他の部分では、この夏の繁忙期というのに、すれ違う人は、ほんの僅かでした。
 特に、からのルート(緑色の村道ではなく、点線の樹海内ルート)は、本当に寂しいところでした。
 

 B地点、富岳風穴は、観光客でにぎわっています。
 青木ヶ原には大きなものから小さなものまで無数の洞穴がありますが、これは、日本各地にある鍾乳洞とはまったく異なる性格の洞穴です。
 鍾乳洞は、山口県の秋吉台のように石灰岩質の山にできたものです。
 樹海の洞穴は、溶岩の外部が冷える途中で、内部にあったガスが噴出して、そこに生じた空洞がそのまま固まったものです。
 
 風穴の内部は、年平均気温3度(風穴の説明板に記載より)とかで、夏でも非常に涼しい(寒い)所です。  


 風穴出入り口、外は夏。ところが、階段を数段下がると温度が急速に低下する。

 風穴の内部にある氷の柱。夏でも融けない。


 風穴から、東海自然歩道を東にしばらく行くと、20分と少しで鳴沢氷穴()に到着です。
 ここは、その名の通り、夏でも冷涼な洞穴内環境を利用して、夏場に氷を切り出していたところです。
 風穴より洞穴内が狭いため、多人数がスムーズに通行できず、入口は渋滞です。
 参観に、30分以上かかってしまいました。
 渋滞がなければ7分ぐらいで戻ってこれると思います。 


 氷穴入口、、大渋滞。

 氷穴内部の氷柱。

 氷を貯蔵するところ。

 この狭い通路は、老人にはちょっとしんどい。

| 目次へ戻る || ルート距離・経過時間等詳細地図へ |

 鳴沢氷穴を出て、アイスクリームを食べたあと、バスや車で出発の観光客と別れて、西湖方面に向かって北上です。
 途中、国道139号線をトンネルでくぐって、紅葉台への登り口で分岐して、竜宮洞穴へ向かいます。

 ここは、内部が崩壊して入ることができず入口だけですが、その分他の観光客もいなくて、涼しさを満喫です。
 江戸時代から有名で、富士山登山の旅人が訪れる名所の一つでした。(説明版より) 


 竜宮洞穴の入口。下でも偶然カメラのフラッシュが光り、観光客のシルエットが岩壁に映っている。

 入口の祠の所まで。次男Y(白い服)のところまで、ほんの10メートル降りると、吐息が白くなる。


 竜宮洞穴から西湖蝙蝠(こうもり)穴へ向かいます。
 西湖に向かって道は概ね下りですから、らくちんです。そろそろ疲れてきた体には、何よりです。

「蝙蝠穴というのは、当然コウモリがいるから名付けられたのだろう。」

「そんな気持ち悪いところ、行きたくない。」

「じゃ、外で待ってれば。」

と次男Yに言われた妻は土産物屋で見学です。
 このコウモリ穴は、総延長350mにも及ぶ富士山麓洞穴の中でも最大級のものですが、なぜか、洞内でも気温の低下が起こらず、冬でも温暖だそうです。
 そこで、コウモリの格好の住みかとなったというわけです。
 コウモリがたくさん生息しているというわけで1929年に国の特別天然記念物となりました。しかし、近年ではコウモリの数も減少したとのことです。  


 入口で説明を読む息子たち。

 この鉄格子のようなものは、夜に洞内によそ者が侵入するのを防ぐものですが、洞窟全体を閉じてしまうと、夜行性のコウモリが外へ出られなくなってしまいますので、コウモリがすり抜けられる鉄格子となっているのです。
(息子たちが見ている説明版より)

 ところで、皆さんお気付きですか?息子たちの格好が、これまでの洞窟のと、変わっていることに。

 実は、息子たちは白いヘルメットをかぶっています。
 この蝙蝠穴は、左の写真の「巨人の足跡状広場」のように、天井が高い開けた場所もありますが、右の写真のように、人が這っていかなければ通れないような天井が低いところが数カ所あります。
 そのため、入場の際に、ヘルメットが貸し出され、それを着用して洞内をめぐるというわけです。
 私は転びはしませんでしたが、肩から提げていたバッグは、泥にまみれてしまいました。(-_-;)

| 目次へ戻る || ルート距離・経過時間等詳細地図へ |

 映画なら、こういう洞穴では、主人公たちは必ずコウモリに襲われ立ち往生します。
 この洞穴はというと、コウモリの襲来どころか、一羽も、一頭も、まてよ、コウモリはなんて数えるのだろう、とにかく見つけることができませんでした。

 まあ、びっくりして逃げて転ぶよりは、いいでしょう。 

「さて、これで、洞穴探検は終わり。あとは、また樹海を歩いてもとの所へ帰るだけ。何か質問は?」

「まだ、明るいから、遊歩道をはずれて、探検とか。」

「自殺体なんて、そんなに簡単に出会わないでしょう。」

「だめ、だめ、絶対駄目。何しろ、一週間に二体だから。」

「何それ。」

「何でもない。疲れたから、早く帰ろう。」


| 旅行記のメニューへ  | | 「富士青木ヶ原樹海」メニューへ  | | 前へ | | 次へ |