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 二つの天空の城 兵庫県日帰り旅行 今回はmy planです日程表へ

 年の瀬も押し迫った2013年12月23日、天皇誕生日に二つの天空の城のある兵庫県西部に日帰りで行ってきました。今回は、ツアー旅行ではなく、1年ぶりに自分で計画した旅行です。次の項目で旅行記をしたためます。


 どうせ行くなら二つ一緒に
 天空の白鷺です
   大天守の外側です 
 播但線です
 天空の城・竹田城です

  1 どうせ行くなら二つ一緒に 地図01行程説明へ||説明図01旅行日程へ||目次へ

 いつもの、JR東海のツアー旅行の案内書「JR東海50+」をぱらぱらと眺めていた妻が言いました。最近の我が家の旅行は、ほとんどこのパターンで始まります。 

「ねえねえ、姫路城を見るツアーがある。1月15日までって書いてあるから、もう日にちが少ない。行ってみたい。」

「姫路城は、今天守閣大修理中で、見学できない。」

「そんなこと言ったって、ここに書いてある。工事用の建物から天守閣の外側を見るっていうやつ。面白そう。修理が終ったら解体されてしまうじゃない。今がチャンスよ。」

 なるほど、そういうことでしたか。修理用の施設から城の外側を見る事ができるわけです。
 修理工事が完成してしまえば、工事用の施設は解体されます。修理用の工事施設から、大天守の最上階を外側から見ることができるのは、修理が行われている今しかありません。これは行ってみる価値があります。その工事用の建物は、「
天空の白鷺」と名付けられていました。

「そのツアーって、姫路城だけ?」

「いいえ。書写山円教寺というお寺の見学もついている。映画「ラスト・サムライ」のロケ地だと書いてある。」

「なるほどそういう組み合わせか。では、城と寺ではなく、城と城の組み合わせで行こう。天空の白鷺と、前から君が行きたいと言っていた、天空の城・竹田城。この「二つの天空」を日帰りで訪問しよう。」

 というわけで、「天空」を掛詞に、一日で二つの城を訪問することにしました。名付けて「二つの天空の城 兵庫県日帰り旅行」です。今回はJRの路線や列車の選択から何から何まで、久しぶりに自分で計画を立てる旅行です。したがって、我がプランの特徴が出て、なかなかの強行軍となりました。




 地図をご覧にいただければ、「天空の白鷺」に行くのなら、ついでに「天空の城・竹田城」というのもご理解いただけると思います。姫路朝来(あさご)市竹田も、同じ兵庫県西部にあり、しかも両者は姫路から出ているJR播但線(ばんたんせん)によって結ばれています。こんな都合のいいことはありません。ちなみに、播但線というのは、旧国名で兵庫県南西部の播磨(はりま)と日本海側の但馬(たじま)を結ぶ路線で、両方の漢字を取って播但線です。

 ただし、「
天空の白鷺」の観覧予約申し込みが少し遅れたため、予約できた観覧時間は、朝9時15分となりました。このため、次のような早朝出発となりました。
 まあ、そのおかげで、竹田での滞在時間は比較的長くなり、ゆっくり竹田城の散策ができました。




 行きは姫路から播但線を使って竹田まで行くのは当然ですが、実は、竹田から岐阜へ帰るルートについては、選択を間違えました。姫路から来たので姫路へ帰るというのが固定観念としてあったのですが、それは正しくない発想でした。
 もう一度上の
地図01をご覧ください。
 
和田山・姫路・大阪・京都の4地点を結ぶと、台形ができます。竹田は、和田山のすぐそばですから、竹田-姫路-大阪-京都を通ってきては、まるで台形の3辺を通るルートになります。当然ながら、和田山-京都のルートはほぼ台形の1辺ですから、距離を考えれば、竹田から姫路へ戻るのではなく、竹田から播但線和田山へ向かい、そこでJR山陰線に乗り換えて京都へ向かうというのが正解でした。実際に、検索してみると、次のようになっていました。




 山陰線を利用する場合、特急を利用するBの場合は、1人290円の超過料金で、1時間早く西岐阜駅に着きます。特急を利用しなければ、西岐阜駅到着時間は姫路回りと同じですが、料金は、1人1360円も安くなります。
 どちらにしても、
A=8時間54分B=8時間28分C=9時間28分と、長く鉄道に乗る(乗り換え時間も含む)旅行プランです。やはり、兵庫県西部は、岐阜からは近くはありません。


 ちなみに、いつもお世話になっていますので、参考までに、JR東海の「50+」の「『天空の白鷺』と書寫山圓教寺」のプランと金額も書きます。
 名古屋発の新幹線利用で、姫路市内の「天空の白鷺」と圓教寺を回るプランです。朝7時代のこだま号で新大阪へ向かい、そこから貸し切りバスで圓教寺を訪問します。午後は天空の白鷺の見学です。天空の白鷺見学時間は120分とたっぷりあります。JR東海のプランですから、JR西日本の山陽新幹線は利用しません。夕方は新大阪へ戻って、名古屋へはこだま号で21時前後に到着です。
 これで、名古屋発の料金は、
1人13,800円です。上記の私のプランとの比較では、この料金に、西岐阜-名古屋間の往復料金、570円×2=1140円を加算しなければなりません。
 そうすると、
14,940円となりますから、私のCプラン(1人15,150円)とは、ほぼ同じになります。
 JR東海の宣伝をするつもりはありませんが、このプランの出発日は、1月に入っても、6・7・8・9・11・12・13・14・15日と、最後の最後まで開催されます。3連休あたりに、挑戦してみてください。
 ※「天空の白鷺」のHP http://himejijo-syuri.jp/
 


  2 天空の白鷺です 地図01行程説明へ||説明図01旅行日程へ目次へ

 新幹線が姫路市内に入りました。まもなく、姫路駅到着です。 

「見ろ見ろ。あれが天空の白鷺だ。」

「えー、大きな箱に城の絵が描いてある。」

 その通りです。普通に見れば単なる大きな箱です。


 写真01-01・02 天空の白鷺     □  (撮影日 13/12/23)

 左は、新幹線の車内からの撮影です。姫路駅に到着する直前です。
 右は、駅から北の姫路城へまっすぐ伸びる通りからの撮影です。国道2号線との交差点の手前からです。
 


 写真01-03 これが天空の白鷺の全貌です              (撮影日 13/12/23)

 本来なら天守閣があるところを、すっぽり覆っています。異様といえば異様です。上の2層の窓がある部分からは、市内が展望できます。


 写真01-04 天空の白鷺の説明             (撮影日 13/12/23)

 この施設は、正式には、姫路城大天守修理見学施設「天空の白鷺」です。平成23年3月26日にオープンし、まもなく、平成26年1月15日にクローズになります。
 案内板左下の図をご覧ください。大天守は石垣の上にある6層の構造の建物ですが、天空の白鷺は、石垣の下からの8階構造の建物で、屋根の頂部までは52mあります。1階と7・8階が見学エリアです。最上階の8・7階から、天守の最上層、第6層とその下の第5層の外部が観覧できます。
 ※「天空の白鷺」のHP http://himejijo-syuri.jp/


 見学施設の入り口には、観覧予約時間である9時15分の50分以上前に到着しましたので、ぐるっと下側を半周して天空の白鷺を外側から見学しました。


 写真01-05・06 大天守の東側の直下から見上げた天空の白鷺        (撮影日 13/12/23)

 左:大物の資材を運ぶエレベーターの部分と思われます。
 右:最上部の東北角では、作業員の皆さんが、外覆いのシートをはずしておられました。解体へ向けてのものか、一時的なものかはわかりません。地上から40m以上の高所での作業です。高所恐怖症の私は、下で見ているだけで膝が寒くなります。
 


 写真01-07・08  天空の白鷺の外観   (撮影日 13/12/23)

 左:東側にあるエレベーターの最頂部。制限重量は、990kgとなっています。
 右:西南側の外観です。
 


 少し早めの8時45分頃から、入場口で並びました。9時頃になると、100人ほどが行列を作りました。
 まもなく、
「は~い、事前に予約がしてあるお客様はこちらの入り口へどうぞ。」との案内がありました。
 私たちは、2週間ほど前にインターネットで予約していましたから、プリントアウトした予約番号を準備して、隣の入り口へ向かいました。列の中から3割ほどが移動しました。
行列の人の多くは、予約無しの当日券入場の方でした。当日入場もありというわけです。


 写真01-09 大天守から撮影した城の西側の景観です。            (撮影日 13/12/23)

 写真の左下の外側に入場口があり、左下の菱の門を通り、三国掘の西側を通って、いの門、ろの門、はの門、にの門、ほの門、水二門と通って、備前丸に入り口のある天空の白鷺に入ります。


 写真01-10・11  水二門近くから見上げた天守西側  (撮影日 13/12/23)


  3 大天守の外側です 地図01行程説明へ||説明図01旅行日程へ目次へ

 この日の予約時間帯の一番最初でしたから、エレベーターにも行列無しですぐに乗れました。朝早く岐阜を出てきた甲斐がありました。(一番早く見学しましたから、下りのエレベーターも行列無しで乗ることができました。姫路駅へ急ぐわれわれとしてはこれもラッキーでした。)


 写真01-12 天空の白鷺の最上階8階から撮影した姫路駅。              (撮影日 13/12/23)


 天空の白鷺の8階と7階から、大天守の最上層6層と下の5層の外側を見ることができます。2013年12月の見学時点では、もう屋根や漆喰の修理は終了しており、完成した屋根や白壁の美しい姿を見ることができました。


 写真01-13 最上層の西側(撮影日 13/12/23)

 写真01-14 5層の屋根です(撮影日 13/12/23)

 写真01-15 最上層の屋根の全体写真です。瓦と漆喰が大変美しいです。        (撮影日 13/12/23)


 軒瓦、鬼瓦、鯱など、アップで見るとなかなかの造作であることがわかりました。


 写真01-16・17・18・19 6層の瓦  (撮影日 13/12/23)


 写真01-20・21 7階から見た天守第5層の屋根です。 (撮影日 13/12/23)


 もちろん、7階・8階のフロアーには、修理の様子が学習できるパネル・模型・映像などがふんだんに用意されています。私たちは次の予定のこともあり、45分ほどで切り上げましたが、もっと時間をかけるべきでした。


 写真01-22・23・24・25 工事の様子を説明する模型等  (撮影日 13/12/23)

 左上:屋根の瓦と漆喰の様子  右上:壁の漆喰塗りの過程  下:6層と5層の工事の様子 


 姫路城は、現在、平成26年度のNHK大河ドラマ、黒田官兵衛の地元として、盛り上がろうとしています。
 黒田氏は、もともと、、備前福岡の武士でしたが、1525年に官兵衛の祖父に当たる黒田重孝が播磨に移住し、播磨に勢力があった赤松氏の家臣となりました。
 のち、赤松家に見切りをつけ、播磨の他の有力家である小寺家の家臣となり、姫路城を任されます。その子が黒田職隆、孫が
黒田官兵衛(一次小寺姓を名乗る)です。
 姫路城の城主だった
官兵衛は、信長の天下統一の過程で、中国地方攻めの指揮を執っていた秀吉に、「姫路城を献上」してその傘下に入り、豊前中津12万石に封じられます。
  ※中元孝迪著『姫路城 永遠の天守閣』(2001年 神戸新聞総合出版センター)P24-29


 今でしか見られないものが見られる、「天空の白鷺」です。1月15日までの開館です。

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 【天空の城 兵庫県日帰り旅行 参考文献一覧】
  このページ01の記述には、主に次の書物・論文を参考にしました。

中元孝迪著『姫路城 永遠の天守閣』(2001年 神戸新聞総合出版センター)


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