国内政治の諸相2
<解説編>

101 教科書の記載間違い。雪国はつ○○○条例       | 問題編へ |     

 「雪国はつらつ条例」のはずが、左の教科書の、P82では、「雪国はつらいよ条例」となってしまいました。

 「雪国はつらつ条例」がこれでは、お気の毒です。

 中里村は、下の地図16の中央部分にあります。
 新潟県西南部、信濃川沿いの町で、西南にあと15qほどで長野県、東南に30qほどで群馬県という、県境の山に近い豪雪地帯です。東南15qには上越新幹線の駅、越後湯沢があります。
 ※以下の地図は2009年5月の旅行の旅行記のページから転用しました。
  旅行記は、こちらです。→「長野・群馬・新潟・富山旅行 8」

 さて、中里村です。
 雪深いこの村も、その雪に負けることなく、雪を積極的に利用しようという策に打って出たのです。
 以下は条例の抜粋です。

  • (目的)
    第1条 この条例は,雪の障害を克服し,雪と共存するとともに,雪を資源として積極的に活用する施策の基本となる事柄を定めることにより,雪対策の総合的推進を図り,もつて村民生活の安定向上と活力ある地域社会の形成に寄与することを目的とする.

  • (基本理念)
    第2条 雪対策は,村と村民が一体となつて,克雪,利雪,親雪等,の施策を長期的かつ総合的に推進することにより,すべての村民がはつらつとした活力ある村づくりを目指すものとする.

  • (村民の役割)
    第4条 村民は,お互いに力をあわせ,雪対策に創意と勇気を持つて積極的に参加し,自ら雪による支障を克服するとともに,雪の資源を活用して他に誇れる雪国づくりに努めるものとする.

 積極策の一つとして、村では、条例制定の翌年度から、雪原カーニバルを開催し、2003年3月で15回を迎えます。
 

 【追加記述】
 中里村は、2002年の条例教科書誤記事件の後、2005年に十日町市や周辺の町村と合併し、新十日町市となりました。
 



  上の地図は、NASA World Wind(http://worldwind.arc.nasa.gov/index.html)の写真から作製しました。

 中里から新潟方面へ向かって北に50qほど行くと、田中角栄元総理大臣・田中真紀子元外務大臣の故郷、越後長岡です。
 ついでに、この長岡の「豪雪クイズ」もやります。
 江戸時代、江戸の商人が、冬の越後に行き、豪雪で難儀して帰ってきました。 
 旅の話を大げさに仲間に吹聴します。

「越後長岡ってところはよー、雪が深けぇーこと深けぇーこと。長岡の町に着いたら、立て札があってよ、てめー、それになんて書いてあったと思う。」
 これは単なるジョークですからね。
 答えは、立て札をクリックしてください。

 

 古書店で、大正時代の「大雪の長岡」という葉書の写真を見つけました。
 右の写真です。
 除雪に土木機械や自動車がなく、人力のみだったこのころは、上述の「この下、長岡」も、あながちうそではないと思われる写真です。昔の人は大変でした。

 そして、この大雪を理解することが、新潟をそしてあの偉大な「政治家」、田中角栄元首相を理解することになります。田中元首相については、またあらためて、書きます。


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