では、このマネキンかかしの効果はどうなのでしょうか。普通の「へのへのもへじ」のかかしと比べて、違いはあるのでしょうか。
再び、専門家の見解を引用します。赤字と改行後のスペースは、筆者が細工しました。
※藤岡正博・中村和雄著『鳥害の防ぎ方』(社団法人家の光協会 2000年)P147
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「実った田に「へのへのもへじ」のかかしが立ち、カラスがその頭の上に止まっている光景は、マンガでおなじみのものです。かかしは単なる気休めで、効果はないだろうと考えられがちです。「へのへのもへじ」のかかしを鳥が人間と認識しているかはさておき、かかしが立っている場所をスズメは避けるのは確かなようです。これは、降りにくいという遮蔽物としての効果かもしれません。
ところが、鳥がかかしを人間のモデルとして認識しているらしい場合のあることがわかってきまし
た。1980年に農業研究センターに鳥害研究室が設立された頃、ダイズ畑にマネキン人形が立てられていることを聞きました。マネキンはハトを追い払うのに効果があるというのです。私たちは、網室の中や野外でキジバトやヒヨドリを使ってマネキンの効果を調べてみました。マネキンの手を取り去り、布でぐるぐる巻きにして立てておくと、鳥はすぐに慣れてしまいました。そこで、顔を出してやりました。ただし、かつらになっている髪は除いて、顔は肌色の布で覆いました。目も鼻も口もないのっペらぼうを作ったのです。これにも鳥は、すぐに慣れてしまいました。次に、この顔にかつらをかぶせてやると、鳥はとたんに警戒し出しました。口や鼻や目を出してやると、忌避する効果は、さらに強くなりました。
この実験結果は、鳥はより人間に近いほど警戒することを示しています。マネキン人形がハトの追い払いに効果があるのは、このためだったのです。 」 |
つまり、マネキンは、本物に似てリアルであればあるほど、効果があるというわけです。
というわけで、もっとリアルな、または風情のあるマネキンを紹介します。 |