| 未来航路Topへ | | メニューへ | | 前へ | | 次へ |

各地の鉄道あれこれ11
 全国各地の鉄道の話題あれこれについて紹介します。

 各地の路面電車 その1 熊本市電(熊本市交通局)

 また突然、新しいシリーズが始まりました。
 2009年11月19日(木)・20日(金)に出張で熊本市に行ってきました。岐阜市ではもう見られなくなってしまった路面電車が頑張って活躍していました。
 「う〜ん、これは、一生懸命撮影せねばなるまい。」

 勝手に決意して、一杯撮影しました。もちろん、昼間は会議、夜も情報交換会と称する宴会がありましたので、結局いつもの通り、撮影は早起き早出の早朝撮影となりました。
 もっとも、夏と違っていくら早く起きても、まだお日様が上がっていません。そこで、5時半に起きて、6時半頃からの撮影となりました。
 以下このページは、単純に「電車三昧」です。


 全国で路面電車の走る場所はいくつ

 勢いでシリーズを作ってしまいましたが、作った以上、せめてそのシリーズの総数がいくつかは確認しておかなければなりません。路面電車は2009年現在、全国でいくつ走っているでしょうか?


 ※例によって、黒板をクリックしてください。答が現れます。


 上記の答には、いくつかの注釈が必要です。

 1

 東京急行電鉄の世田谷線は、ほとんどが専用軌道となっており、路面併用は僅かです。

 富山県には、富山市に2事業体、高岡市に1事業体と、3つの路面電車があります。こんな所は他にはありません。 

 京阪電気鉄道、京津線・石山坂本線は、鉄道と同じ車両を使っています。併用軌道は大津市内の一部です。 

 上記の19事業体は、法律上、「軌道」として営業しているものです。
 このほかに、普通の鉄道法に基づいて営業している路線で、路面を通過しているものもあります。その主なものを挙げると次のようになります。
江ノ島電鉄
・福井鉄道 福武線
・広島電鉄宮島線
熊本電気鉄道藤崎線(下の写真です) 


 写真11−01 熊本電鉄藤崎線          (撮影日 09/11/20)

 藤崎宮前駅に向かう熊本電鉄の6000系電車。
 九州の片田舎のローカル鉄道の車両としてはとても近代的です。それもそのはず、塗装は違っていますが、以前は東京都営地下鉄三田線6000形の車両として使われていたものです。
 この場所は、熊本市内中心部通町筋(とおりちょうすじ)にほど近い藤崎宮前駅とつぎの黒髪町駅との間で、左手の郵便ポストや店舗(酒屋さん)の軒先との距離があまりにも近いのが驚きです。
 TV番組、「なるほど珍百景」でも紹介されました。 


 熊本市交通局

 現在の熊本市電は、田崎橋・JR熊本駅方面から健軍町への「2系統」と、JR北熊本駅から健軍町への「3系統」の二つが運行されています。二つの路線は、その4分の3にあたる辛島町から健軍町までは重複しています。
 日中の町の中心部は、数分ごとに上下線電車が行き交い、市電はとても有効な交通手段となっています。
 例によって運転席後方から運行の状況をしっかり観察していましたが、軌道敷内の自動車通行禁止もきちんと守られ、自動車にも自転車にも歩行者にも「市電優先」の考えが根付いています。


 写真11−02  鶴屋百貨店前を田崎橋へ向かう1356号            (撮影日 09/11/20)

 1356号は昭和35年製の古い車両です。 


 写真11−03 北熊本駅にある車庫                 (撮影日 09/11/20)

 JR北熊本駅に隣接して市電の車庫があります。写真右端は九州新幹線の高架施設です。
 中央は、1955年に製造された1085号、右は同じ年に製造の1091号。かなり古い電車が大事に使われています。


 写真11−04 車庫の中の車両群 一番右は5014号           (撮影日 09/11/20)

 5014号はかつて福岡市内を走っていた西鉄電車の市内線の車両です。 


 写真11−05  白川にかかる大甲橋を渡る1063号           (撮影日 09/11/20)

 1063号は、現在使われている市電では最も古いタイプで、1951(昭和)年製です。まもなく還暦です。


 写真11−06 左、通町筋電停の8501号 右、8201号                (撮影日 09/11/20)

 8201号は、1982年に製造された新型車両で、日本の車両で初めて「VVVFインバータ」を採用した車両です。VVVFというのは、架線から取り入れた電流を制御する機器ですが、難しいので説明は省略します。
 8501号は、1985年に導入された、8200形の改造型です。


 写真11−07 大甲橋上の9202号                    (撮影日 09/11/20)
  1992年製の新型です。

 写真11−08 大甲橋を渡った9705号            (撮影日 09/11/20)

 9700形は、1997年、日本で最初に投入された超低床路面電車です。ヨーロッパのLRTを日本用に設計し直したもので、実にかっこいい夢のような市内電車です。 


 写真11−09 水道町電停に近づく0801号         (撮影日 09/11/20)

 0801号は、2008年に製造され2009年4月から運転された最新型の低床車両です。


 写真11−10 0801号の車内です                (撮影日 09/11/20)

 2両の連接車両であり、しかも、熊本市電の線路幅は、1435mmの標準軌であるため、車内は広々としています。中央左の赤い線の帽子の女性は、車掌さんです。市内電車の車掌さんは珍しい存在となりました。


 写真11−11 0801号の運転席              (撮影日 09/11/20)

 写真11−12 運転席中央のモニターです           (撮影日 09/11/20)

 乗降の安全を確認するためでしょうか、両側面を映すモニターが付いています。 


 古い電車から順に紹介してきました。
 これだけ多彩な車両が走っていると、普通の電車好きは興奮します。
 最後の写真は、最も熊本らしい写真です。 


 写真11−13 通町筋電停と熊本城天守閣            (撮影日 09/11/20)

 路面電車と天守閣という組み合わせの写真は、いくつの都市で撮影できるでしょうか?今後の課題です。


 写真11−14 通町筋電停の1203号                (撮影日 09/11/20)

 上の写真とは反対に、熊本城の天守閣からの撮影です。


 熊本市電も1980年頃には廃止の意見もありました。
 しかし、その危機を乗り切り、最近の新造車両の投入にも示されているように、今では路線維持へ努力が払われています。
 昨年は、熊本城が日本の城郭の中で入場者数一位を記録したと聞きます。また、熊本市自体は人口は68万余を誇り、まもなく政令指定都市になるとのことです。
 繁栄を祈ります。

 最後に熊本のシンボル、熊本城の写真です。 


 写真11−15 熊本城の天守閣                (撮影日 09/11/20)

 言わずと知れた加藤清正の築造です。明治時代になってからの西郷隆盛の西南の役で炎上し、その後、再建されています。


| メニューへ | | 前へ | | 次へ |