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各地の鉄道あれこれ02
 全国各地の鉄道の話題あれこれについて紹介します。

 東京駅と踏切5題 その2

 前ページでは、東京駅から東海道線を下っていくと最初にある踏切、No.1品川道踏切についてレポートしました。東海道線が山手線と平行して走る品川駅までは踏切はありませんが、京浜東北線の駅で言うと品川の次の大井町駅のすぐ南に最初の踏切がありました。東京駅からの距離は、9Kmと411mです。

 ところが、
この踏切は、東京駅に最も近い踏切ではありません。つまり、この踏切は、東海道線の最初の踏切、言い換えれば、東京駅から南方向にある最初の踏切と言うことになりますが、実は、別の方向(路線)には、この踏切よりもっと近いところに、「東京駅から電車に乗った場合の一番近い踏切」が存在しています。

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 山手線に乗って

 東京出張2日目の2008(平成20)年5月30日の早朝は、ホテルの近くの神田駅から山手線に乗って、品川駅とは反対側に北に向かいました。神田→秋葉原→御徒町→上野→鶯谷・・・・、と駅が続きます。
【山手線に関する基礎知識 その1】 

 このページでは山手線が主役です。そこで、山手線の基礎知識をいくつかに分けていろいろお届けします。
 山手線は
1周34.5kmあります。しかし、正式の山手線は、右回りに、品川−渋谷−新宿−池袋−田端間の20.6kmだけです。東京−品川は正確には東海道線であり、東京−田端は東北線です。
 つまり、線路上の区分は、正式には
上記3つの区分があって、実態として、そこを周回の電車運転系統が運行されているという状況です。
 ※基礎知識は主に中村建治著『山手線誕生』(イカロス出版 2005年)によりました。

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 写真02−01 山手線と中央線との分岐                  (撮影日 08/05/30)

 山手線内回りの先頭車両から撮影した神田駅のすぐ北にある、中央線との分岐点。曲線が中央線、次の駅はお茶の水駅です。真ん中の線路は、京浜東北線大宮方面線路です。山手線外回り線と京浜東北線大船方面行きの線路は、写真の右手です。よく見ると右端を電車が通過中です。
 この辺はずっと高架で、すぐには踏切はありません。 
      


【山手線に関する基礎知識 その2】 

  山手線は、その名の通り、上野−神田−東京−新橋−品川の旧江戸湾に面した海岸線沿いの低地部分と、その西に広がる、旧武蔵野台地の丘陵部分を結ぶ路線です。東京駅側から見て西側の山の手(丘陵地帯)を走りますから、山手線を命名されました。いつこの名称が定まったのかというと、JRの前身国鉄のそのまた前身、日本鉄道(当時は私鉄、3ページ目で解説)が品川から田端までを結ぶ路線を開通させ、日本鉄道定款に「山手線(やまのてせん)」と正式に記された時で、1900(明治33)年のことです。ただし、この時はまだ今のような「環状線」にはなっていませんでした。これも3ページ目で説明します。 


 写真02−02  山手線御徒町駅 内回り線先頭車両から             (撮影日 08/05/30)

 6時少し過ぎの山手線御徒町駅。まだ人影もまばらです。      

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 写真02−03  山手線鶯谷駅 外回り線先頭電車から               (撮影日 08/05/30)

 上野駅を過ぎると東北線・常磐線などたくさんの線路が平行して走り、踏切が存在できる状況ではありません。      

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 御徒町の次は上野です。西側(写真の左手)に上野のお山が迫ってきます。上野から急に線路本数が増えるJR線は、隅田川の低地帯と武蔵野台地の東縁との境の低地部分を通過していきます。
 日暮里−西日暮里のあと、田端駅を過ぎると、山手線は東北線(京浜東北線)と別れて、西側の山の手に入ります。


 写真02−04 田端駅西  (撮影日 08/05/30)

 写真02−05 田端駅西   (撮影日 08/05/30)

 田端駅の北西側にある道路橋、新田端大橋をくぐると、山手線は京浜東北線と別れます。

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 山手線の踏切 第二中里踏切

 田端駅西北端(上の写真02−04の高架橋下の部分)の標高は僅か8mですが、カーブして京浜東北線と別れると、山手線はその名の通り、一気に山の手の台地に駆け上ります。距離500mで、標高は20mになります。勾配は20パーミル以上となります。(1000m平行移動してどれだけ標高差があるのかを示す数値です。20パーミルを越えれば電車にとってはかなり急坂です。)
 田端中学南の道路橋をくぐると、今度は、駒込駅へ向けての急坂を下ります。
 すると、踏切が見えてきました。
    


 写真02−06 山手線の踏切です                    (撮影日 08/05/30)

 田端駅から京浜東北線と別れて左カーブ(西へ向かう)して坂を上がり、次に駒込(こまごめ)駅へ向かって坂を下りる途中に、見えてきました、踏切です。右手の道路端の会社の建物の前には、白い大きなゴルフボールのモニュメントが設置してあります。これが目印です。       


 この踏切が東京駅から電車に乗った場合一番近い踏切です。   

 写真02−07 山手線の踏切アップ                        (撮影日 08/05/30)

 反対に外回り電車の先頭から撮影した踏切の北側です。横の道も急な坂です。坂のあたりの住所は北区中里2丁目です。


 この踏切の名前は、第二中里(なかざと)踏切です。  

 写真02−08  第二中里(なかざと)踏切                    (撮影日 08/05/30)

 この踏切の名前は、第二中里踏切です。この地域の住所は、東京都北区中里です。        

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 第二中里踏切あれこれ その1

 この踏切は、少し変わった位置にあります。
 下は踏切から坂の下の
駒込(こまごめ)駅を撮影した写真です。山手線の2本の線路以外に、南側にホームがない2本の線路が走っています。この線路は何でしょうか?

 写真02−09  踏切から駒越駅                        (撮影日 08/05/30)

 駒込駅に停車中の外回り電車、ライトがついていますから先頭車両です。上野・東京方面行きです。       


 ホームを挟んでいる2本の線路は、もちろん山手線の上下線です。
 白い特急電車が走っている線路は、もともとは
山手線の貨物線です。現在は、大宮と横浜方面を結ぶ湘南新宿ラインや、成田空港と新宿方面を結ぶ特急電車が走っています。
 そうだとすると、この踏切を「山手線の踏切」という言い方は正確ではないのかな・・・?
 

 写真02−10  湘南新宿ライン                         (撮影日 08/05/30)

 駅の南側は、湘南新宿ラインの電車が走ります。左端は普通電車です。緑−オレンジ−緑の配色のラインです。
 駅の左手を通過中の特急電車は、新宿と日光方面を東武鉄道経由で結んでいる
特急日光用の車両、485系改造型です。東武鉄道の特急スペーシアに配慮して、白とオレンジの同じ色調となっています。
 この車両はこれから始発駅の新宿へ行って、「
日光1号」として、宇都宮線を北上し、大宮と小山の中間にある栗橋駅で東武鉄道線に渡って、東武日光へ向かいます。    

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 下の写真をご覧ください。中央の黄色い信号機のある部分が第二中里踏切です。(手前の一見踏切を渡る道路に見えるのは工事車両用のもので踏切ではありません。)
 この踏切を横切る道路(北、左手の北区中里2丁目と南、右手の中里3丁目を結びます)は、坂を上る山手線には踏切となっていますが、山手線とは別れて北へ向かう新宿湘南ライン(本来貨物線)は、高架橋で越えています。したがって、あくまで
山手線の踏切です。  

 写真02−11 第二中里踏切と高架橋                     (撮影日 08/05/30)

 写真踏切の奥が、標高24mの部分です。外回り電車は、そこから右カーブして田端へと坂を下りていきます。       


 写真02−12  北側から見た第二中里踏切                 (撮影日 08/05/30)

 この道路は、手前北半分は踏切、南は高架橋です。        


 写真02−13         (撮影日 08/04/28)

 写真02−14         (撮影日 08/04/28)

 左 北側から見た第二中里踏切                    右 南側から見た第二中里踏切

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 これだけでは終わりません第二中里踏切、謎が一杯あります

 これで山手線にある東京駅から電車に乗った場合一番近い踏切の紹介を終わります。めでたし、めでたし・・・・。

 とはいきません。
 このページを注意深くご覧になった方、「お前、おかしいぞ。」という点がありませんでしたか? 


 一つ解明しなければならない謎があります。下の写真02−15及び02−16と、表01を見てください。   

 写真02−15 問題は数字です           (撮影日 08/05/30)

 表01

 右は、普通の時刻表から抜粋した、山手線の駅名と東京からの距離表です。 


 第二中里踏切は本当に東京駅から電車に乗った場合一番近い踏切なのでしょうか?
 表示にある、19K616mの意味は何でしょうか?
 そもそも、「第二中里踏切」です。それなら、「第一中里踏切」はあるのでしょうか。
 謎は尽きません。

 写真02−16       (撮影日 08/05/29)

 それ以外にも、実は、この踏切の近くには、いろいろなエピソードがあります。次回で、山手線の歴史とともに、詳しくお話しします。 


 写真02−17 駒込駅に近づく内回り電車                  (撮影日 08/05/30)

 踏切を通過して駒込駅に近づく内回り電車。第二中里踏切以外にも、実はこの写真にはさらにいくつものエピソードが示されています。       


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