岐阜県の東海道線あれこれ28
 岐阜県の東海道線についてあれこれ紹介します。
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 岐阜貨物ターミナル6 ターミナル駅・貨物列車点描2 11/11/21記述・11/22/28修正

 このページでは、前の27ページに引き続いて、岐阜貨物ターミナル駅とその周辺の東海道線の貨物列車について、点描的に説明します。以下の内容です。
 ○駅舎・踏切・停車ポイント・トイレ  ・「説明図22 3093列車機回し及び構内施設説明図
 ○400kmキロポスト
 ○機回しする列車
 ○珍しい貨物列車T 試2751・試2750(試運転)

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 駅舎・踏切・停車ポイント・トイレ

 まず最初に、岐阜貨物ターミナル駅の駅舎やその他諸々を紹介します。


 写真28−01・02 駅舎です。ここの駅舎は敷地全体が広大な割には、小さなものです。

 左:駅の南側の道路からの撮影です。位置は下の説明図22を参照してください。説明図の地点から地点をを撮影。(撮影日 11/09/19)
 右:北側から見た駅舎。
説明図22地点から地点を撮影。5060列車(広島発札幌行き)が着発2番線に入ります。(撮影日 11/11/18) 

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 写真28−03 駅構内の踏切を横切る5060列車。説明図22の地点から地点を撮影。(撮影日 11/11/18)

 構内には踏切がひとつあります。
 外から来たトラックはこの踏切を通過しなければコンテナホームへは入れません。遮断機が上がっている時でも、コンテナホームに出入りするトラックは、必ずこの踏切で完全に一旦停止します。見事な規則遵守です。
 この
踏切の番号はどうなっているのでしょう?通常の踏切としてカウントしてあるのでしょうか?
 踏切とその番号については、岐阜県の東海道線あれこれ12「穂積駅建設と高架(盛り土)1 踏切の話」で紹介しています。岐阜貨物ターミナル駅のすぐ西に位置する長良川鉄橋の東詰にある
江崎道踏切の踏切番号は213です。この駅構内の踏切は、同じ通し番号が付いているのでしょうか。
 もしそうなら、岐阜県の東海道線あれこれ12の記述は変更しなければなりません。


 写真28−04・05 着発1番線停車ポイント 

 左:EF210が2機並んでいます。(撮影日 11/10/22)手前左側のEF210−137は、着発1番線に停車荷役中の1072列車(宇部発仙台ターミナル行き)です。奥右側のEF210−14が牽引するのは、下り本線を通過する1073列車(東青森発福岡ターミナル行き)です。
 この白い二つの物置のようなものがある場所が、着発1番線に上り列車が停車する時の
先頭機関車の停車位置です。説明図22の地点から地点を撮影。
 右:同じ着発1番線の停止ポイントを駅北側から上下本線・中線越しに見た写真。説明図22の
地点から地点を撮影しています。機関車が停止し、下にいる係員がなにやら話しかけています。(撮影日 11/09/19) 


 写真28−06 手渡し (撮影日 11/11/07)

 写真28−07 白い物置の正体(撮影日 11/10/22)

 左:1062列車が到着すると、係員が運転士になにやら紙のようなものを渡しました。運転士の右手にそれが見えます。何でしょうか?説明図22の地点から地点を撮影。
 右:停止ポイントに二つある物置のようなもののうち、一つの正体はわかりました。トイレです。いくつかの列車の運転士さんが利用するのを目撃しました。長距離運転ご苦労様です。運転途中で催したら大変ですね。
 この岐阜貨物ターミナル駅には機関区はありませんから、運転士の交代はありません。次の稲沢駅ではほんの一部の列車を除いては列車は停止し、乗務員の交代が行われます。運転士のみなさんご苦労様です。
 機関車の背景に頭が少しだけ見える建物は、市立岐阜商業高校の体育館です。 

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 キロポスト(距離標)

 岐阜貨物ターミナル駅構内には、ちょうど区切りがよいキロポストがあります。キロポストというのは、距離標とも呼ばれ、その鉄道路線の起点駅からの距離を示す標識です。通常は、線路脇に立つ高さ1m弱の木製の柱で、白地に黒色の文字で距離を示す数字が書かれています。 1kmごと、500mごと、100mごとなどに置かれ、標識の形式もそれによって、甲・乙・丙と分かれています。


 写真28−08・09 東京駅の0kmポスト。東海道本線の起点です。 (撮影日 11/08/08)

 東京駅10番ホームの中程にあります。隣は20番線で、東北・山形・秋田・上越・長野新幹線のホームです。


 写真28−10・11 岐阜駅のキロポスト。岐阜駅6番線(大垣・米原方面ホーム)です。 (撮影日 11/04/04)

 高架駅となっていますので、高架部分には独特の距離標が100mごとに設置されています。東京から396km400mです。このキロポスト表示は新しいパターンです。

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 写真28−12・13 西岐阜駅構内、1番線側にあるキロポスト (撮影日 11/09/12)

 500mごとの距離標、乙標です。399kmと1/2、つまり、399.5kmを意味します。


 隣の西岐阜駅が399km1/2ということは、横長のコンテナホームがある岐阜貨物ターミナル駅の中には、ちょうど400kmの標識があるはずです。


 写真28−14 岐阜貨物ターミナル駅構内の400kmポスト            (撮影日 11/10/12)

 大変わかりやすいところにありました。上で紹介した着発1番線の機関車停止場所のすぐ手前です。説明図22の地点から地点を撮影しています。  


 写真28−15 400kmポスト (撮影日 10/04/24)

 写真28−16 反対側から(撮影日 10/05/03)

 左:東海道本線の起点駅東京駅からのキロポストですから、下り本線のすぐ脇にあります。
 右:上り電車の先頭車両から撮影です。右端に400kmポストがあります。すぐ向こうは西岐阜駅のホームです。


 写真28−28 【追加写真】上り電車最後尾から撮影した400kmポスト        (撮影日 11/11/23)

 線路は、一番右側の私が乗っている電車が走っている上り本線から順に、中線・下り本線・下1番線・着発1番線です。着発1番線には、試2750列車のDD51−1028が停車中です。 


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 機回しする列車群

 前ページで、岐阜貨物ターミナル駅で折り返す列車、2071・2070列車の機回しを説明しました。(→岐阜県の東海道線28「岐阜貨物ターミナル6 岐阜貨物ターミナル駅・貨物列車点描2 説明図21」
 実は、折り返す列車はこの列車だけではありません。
 次の3本の列車も岐阜貨物ターミナル駅で折り返し、牽引機関車の
機回し(前から列車を牽引していた機関車が、それまでの最後尾に移動して逆方向に牽引できるようにすること)が行われます。 


 写真28−17 すでに機回しを済ませ、発車を待つ着発2番線の試2754       (撮影日 11/11/17)

 夜にやってくる試2753(折り返し、試2754)と朝にやってくる試2751(折り返し、試2750)は両列車ともDD51に牽引されてきます。  


 写真28−18 機回しする3093列車のEF66形機関車         (撮影日 11/11/17)

  22:30に到着する3093列車も機回しをします。
 ただし、前ページで紹介した、2071・2070列車のEF66や上の試2573・試2574のDD51とは異なるルートを取ります。2071・2070や試2573・試2574は着発2番線停車でしたから、機関車は着発1番線を利用して機回しできましたが、この3093の場合はその方法は使えません。もともとの列車の停車位置が、着発1番線だからです。このため、このEF66は下1番線を通って、機回しをします。経路は、
説明図22「3091列車機回し及び構内施設説明図」(→)を参考にしてください。
 写真のEF66は、コンテナの停車している発着1番線から手前の下引き上げ線へ来て、折り返し下1番線を通過して上引き上げ線へ向かうところです。江崎道踏切からの撮影です。 

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 写真28−19 機回しを終えて、荷役終了、23時20分の出発を待つ3093列車    (撮影日 11/11/17)

  名古屋発札幌行きです。岐阜貨物ターミナル駅で停車する列車としては、最も遠いところまで行きます。札幌到着は、次の次の日の午前3時07分です。岐阜から27時間47分の旅です。 


 機回しする列車はもう一つあります。朝やってくる、試2751(折り返し、試2750)です。ただしこの列車は、荷役は行いません。


 写真28−20・21 DD51−899機回し (撮影日 11/11/14)

 この試2751・試2750を牽引するDD51の機回しの経路は、上で紹介した3093と同じです。もともとの停車位置が着発2番線であるため、DD51は下1番線を通って、機回しをします。
 左:着発1番線を西へ向かうDD51−899。 
 右:下引き上げ線に入ってのち、逆進して東へ向かうDD51−899。このあと下1番線を通って、上引き上げ線へ向かいます。


 写真28−22 上引き上げ線に入ろうとするDD51−1805   (撮影日 11/11/21)

 下1番線をからポイントを超えて上引き上げ線は入ろうとする機回し中のDD51−1805。隣の線路(下り本線)を西岐阜駅を出発したばかりの大垣方面行き電車が通過します。


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 珍しい貨物列車T 試2751・2750

 上で紹介した三つ目の機回し列車試2751は、8時前に岐阜貨物ターミナルにやってきますが、実に不思議な列車です。
 この列車は、発駅が名古屋貨物ターミナルで、7時54分に岐阜貨物ターミナル駅の着発1番線に入線しますが、荷役は一切行わず、59分滞在して、8時53分に
試2750として入ってきた時と同じ姿で、今度は稲沢へむけて出発します。試2751・試2750というくらいですから、「試運転」列車です。何の試運転でしょうか?牽引する機関車、それとも牽引される貨車でしょうか?


 写真28−23 DD51−899に牽引されて稲沢へ出発する試2750         (撮影日 11/11/14)

 発着1番線を出て、下り本線、中線、を横切って、上り本線に入った試2750。これがごく普通のパターンで、空のコンテナ列車を6両引っ張っています。


 写真28−24 DD51−1805に牽引されて西岐阜駅を通過しようとする試2750  (撮影日 11/11/21)

 岐阜貨物ターミナル駅のすぐ東にある西岐阜駅の1番線に入ろうとする試2750。上の写真よりは編成が短く、空のコンテナ列車を3両を引っ張っています。


 ネットの情報によれば、JR貨物には名古屋車両所という施設があって、そこで、JR貨物の東海地区に配置されている貨車の全般検査を実施しています。場所は、名古屋駅からあおなみ線を通ってささしまライブ駅と小本駅の間です。ここには、JR東海の名古屋工場もあります。
 そこで
検査等を終えた貨車の走行試験を行うのが、この試2751・2750列車というわけです。したがって、岐阜貨物ターミナル駅での荷役は行いません。ただ、往復の試験走行をするだけです。
 この列車は、多くの場合、コンテナ車3〜6両ほどを牽引しています。JR貨物ですから、機関車以外では検査する車両の大半はコンテナ車です。
 しかし、時々それとは異なるバリエーションの時があります。 


 写真28−25 出発するDD51−889に牽引された試2750         (撮影日 11/09/12)

 コンテナ2両の編成。1両にだけ5個のコンテナ積載。  


 写真28−26・27 以前に撮影した試2750列車です   (撮影日 09/03/20) 

 DD51−892+コンテナ車2両+タンク車1両+ワム380000形1両です。これは珍しい編成です。まるで子どもの「プラレールの貨物列車」です。
 こんな列車が毎日走っていたら、人気の的です。 

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 このほか、昔の車掌車を牽引したり、矢橋ホキを1両だけ牽引した時もありました。なかなか味のある列車です。もし、もっと面白い写真が撮影できたら、また追加紹介します。


 次ページでは、さらに珍しい貨物列車Uや岐阜貨物ターミナル駅・貨物輸送に関わるその他の興味深い話を紹介します。 


 【岐阜県の東海道線あれこれ28 岐阜貨物ターミナル駅6 参考文献一覧】
  このページの記述には、主に次の書物・論文を参考にしました。

日本貨物鉄道株式会社貨物鉄道百三十年史編纂委員会編『貨物鉄道百三十年史 上・中・下巻』(日本貨物鉄道株式会社 2007年)

 

日本貨物鉄道株式会社写真で見る貨物鉄道百三十年編集委員会編『写真で見る貨物鉄道百三十年』(日本貨物鉄道株式会社 2007年)

社団法人鉄道貨物協会編『2011 JR貨物時刻表 平成23年3月ダイヤ改正 創立60周年記念号』(鉄道貨物協会 2011年)

鉄道ジャーナル取材班「鉄道貨物輸送のシステムと現状」『鉄道ジャーナル2005年5月号』


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