岐阜県の東海道線あれこれ20
 岐阜県の東海道線についてあれこれ紹介します。
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 岐阜駅とその周辺2 高山線 特急ひだ号

 このページは、高山線の特急ひだ号について、面白そうな話題を二つ書きます。


  写真20−01                                     (撮影日 08/04/28)

 これは、岐阜駅3番・4番線ホームにある下り(高山方面行き)特急ひだ号の乗車位置案内です。
 名古屋発の高山方面行きには奇数の番号が、逆には偶数の番号が付けられています。
 3段目の
ひだ5号・25号というのは、名古屋発の5号に唯一例外として大阪発でやって来る25号が岐阜駅で併結されて高山へ向かう列車です。
 一番下の
ひだ36号・16号というのは、5号・25号の反対で、高山から併結されて岐阜までやって来た16号36号がここで分岐されて、16号は名古屋へ、36号は大阪へ向かうという列車です。 


 特急ひだ号1 逆向き

 特急ひだ号は、高山線の特急列車ですが、下り線の場合、始発は名古屋で終着は高山・飛騨古川・富山のいずれかです。(上の写真20−01の説明にあるように、1本だけ大阪と高山を結んでいるひだ号25号・36号があります。)
 どちらにしても岐阜駅は通過駅に過ぎません。
 
 ところが、下の図のように、東海道線から高山線がスイッチバックの構造になっているため、一つおもしろうことが起こっています。


 名古屋から高山に向かう下り奇数番号ひだ号の場合は、上の図のように下り線から4番線ホームに入り、運転士の交代、客の乗降の後、北方向へスイッチバックして行き、今度は高山線の線路に入って、高架を下りていきます。


 さてこの時、ひだ号の座席の向き、シートの向きはどうなっているでしょう?


 写真20−02         (撮影日 08/04/26)

 写真20−03         (撮影日 08/04/26)

 左 名古屋からひだ7号がやって来て、4番線ホームに入ってきました。岐阜駅着11:06、発11:07。
 右 その座席の向きは、入ってきた時から、次の進行方向つまり高山側を向いています。 


 列車がスイッチバックする場合座席の向きはどうなるか?
 例えば、名古屋発富山行きの
特急しらさぎ号は米原駅でスイッチバックしますが、岐阜駅通過時は、ちゃんと座席は米原方面を向いています。

 

 写真20−04         (撮影日 08/04/28)

 写真20−05         (撮影日 08/04/28)

 左 名古屋から特急しらさぎ号(富山行き)がやって来て、6番線ホームに入りました。
 右 その座席の向きは、当然現在の進行方向の米原方面を向いています。 


 人間の心理として、普通に座席に座わる場合は、進行方向を向いて座りたいものです。特急しらさぎ号の場合は、米原駅でスイッチバックするときに、ちゃんと席の向き換えのための時間があって、車内放送の指示で、乗客がせっせと向きを変えます。やり方が分からない乗客がいると、「ベテラン」が教えます。

 しかし、
特急ひだ号の場合は、そういう時間はもうけられてはいません。初めから、座席は高山線の向きに設定されており、名古屋−岐阜間は、乗客は進行方向とは逆向きに座ります。
 
しらさぎ号ひだ号のこの違いは、しらさぎ号の名古屋−米原間の所要時間が約1時間であるのに対して、ひだ号の名古屋−岐阜間は、わずか20分弱(列車によって少し違います)ということによります。
 
短い時間だから「我慢しなさい」ということですね。 


 高山からやって来た上り線の場合は、下り線と逆の動きになります。
 高山線から入ってきて東海道線待避ホームの2番線ホームに入り、そのままスイッチバックして東海道線上り線に入っていきます。
 


 写真20−06         (撮影日 08/04/28)

 写真20−07         (撮影日 08/04/28)

 左 高山から特急ひだ4号(名古屋行き)がやって来て、高山線線路から渡り線に入って2番線ホームへ向かいます。岐阜駅着10:10。
 右 その座席の向きは、これまでの進行方向を向いています。このまま名古屋まで逆向きで行きます。


  写真20−08                                     (撮影日 08/04/28)

 特急ひだ4号が東海道線上り線を名古屋へ向かいます。上の写真20−06ひだ号にはヘッドランプがついていますが、同じ側でもこちらの写真は赤いテールランプです。
 中央は、高山線へ向かうスロープを下り始めるディーゼル回送列車です。


 特急ひだ号2 連結と切り離し その1 16号・36号

 最初の「ひだ号乗車位置表」の説明でも話しましたが、ひだ号には25号36号という、大阪発・大阪着の特別な列車があります。
 その連結と切り離しは、なかなか面白いものです。
 
 まずは、非常に単純な夕方の
ひだ16号・36号の切り離しです。


 写真20−09         (撮影日 08/04/28)

 写真20−10         (撮影日 08/04/28)

 左 ひだ16号・36号併結列車が4番線ホームに到着します。通常高山線方面から到着するひだ号の発着番線は2番ホームです。しかし、この列車だけはあとでひだ36号が大阪方面へ向かうため4番線ホームに入ります。ホームにはちゃんと係員が待機しています。
 右 すぐに切り離しが始まります。  


  写真20−11                                     (撮影日 08/04/28)

 ひだ16号・36号の岐阜到着は17:35、名古屋行きの16号は、17:40には出発です。切り離しに要する時間は僅か5分です。
 上の写真は、それまで連結部分のため見えていなかった
ひだ号のヘッドマークを調整しているところです。撮影した瞬間は、みどりいろの「ひだ」ではなく、水色の「南紀」になっていました。


  写真20−12                                     (撮影日 08/04/28)

  16号にやや遅れて、17:43に大阪行きの36号も出発していきます。4番線から5番線へ渡り、そのまま東海道線下り線に合流します。
 夕陽を浴びて岐阜駅を出発する
ひだ36号。大阪到着は約2時間後の19時51分です。


 特急ひだ号2 連結と切り離し その2 ひだ5号・25号 

 次は、ややこしい、朝のひだ5号・25号の連結です。
 上の切り離しの話から考えれば、単純に言えば、その逆をすればいいわけですから、素人が考えると、最初に大阪から来る
25号が4番線に入って連結の準備をし、あとから名古屋から来た5号が同じ4番線に入ってきて、めでたく「連結」というのが私の予想でした。
 ところが、実際はかなり予想外でした。写真で紹介します。 


  写真20−13                                     (撮影日 08/04/26)

 時刻表では、大阪から来るひだ25号は、9:55に岐阜駅に到着します。
 ところが、その4番線ホームには、9:57発の東海道線の普通電車大府行きが停留しています。上の写真の右端の電車です。これでは、
ひだ25号は4番線ホームには入れません。 


  写真20−14                                     (撮影日 08/04/28)

 ひだ25号が東海道線上り線から構内に入ってきました。4両編成で到着です。入るホームはというと、写真の右端を進むと1番線、この写真を撮影しているホームは2番線ですから、そのいずれでもありません。
 左手前に伸びている線路なら3番線ホーム、さらに先頭車両の先にあるポイントで左に曲がれば4番線ホームとなります。ポイントはどうなっているでしょうか・・・・?


  写真20−15                                     (撮影日 08/04/26)

 ひだ25号は大府行き普通電車(写真左端)が止まっている4番線を避けて3番線に入りました。
 となると、ここへあとから連結するひだ5号がやって来るのでしょうか?


 写真20−16         (撮影日 08/04/28)

 写真20−17         (撮影日 08/04/28)

 左 3番線ホームに到着したひだ25号です。ランプはテールランプを示す赤色です。同じホームの向こう側には大府行き普通電車が止まっています。ホームには、連結業務を行う作業員の方と、制服を着た乗務員が待機しています。
 右 待機していた乗務員が乗り込むと、列車のランプが赤いテールランプから、白いヘッドライトに変わりました。「えっ、反対向きに動くの?」 


  さて、予想の4番線ではなく3番線に入ったひだ25号ですが、4両編成の最後部車両に運転手が乗り込み、どうやらやってきた大阪方面へスイッチバックして後戻りするようです。どこへ行くのでしょうか?


  写真20−18                                     (撮影日 08/04/28)

 ひだ25号が動いていった先は、なんと、駅のホームの西側にある2本の留置線のうちの北側でした。ここに4両編成がすっぽり収まりました。この写真は2番線側からの撮影です。 


 写真20−19                                     (撮影日 08/04/26)

 上のと同じ位置にあるひだ25号を5番線ホーム側から撮影した写真です。南側の留置線上には、2両編成のローカルディーゼルが停留しています。こちらもあとで話題になります。 


 さて、この留置線上で、ひだ25号は何をするのでしょうか? 


 写真20−20         (撮影日 08/04/26)

 写真20−21         (撮影日 08/04/28)

 左 まずひだ25号の貫通扉が開いて、作業員の方が2名登場しました。貫通扉や下部の連結装置をなにやらさわって、連結の準備に入りました。
 右 作業員の一人は、隣のローカルディーゼルに乗り込んで、作業をはじめました。 


 写真20−22                                     (撮影日 08/04/26)

 4番線ホームの一番西端からの撮影です。作業中のひだ25号とローカルディゼルの横を、5番線から動いてきた大垣行きの回送電車(岐阜駅止まりの普通電車)が通過しつつあるところです。回送電車は赤いテールランプが、作業中の2両は、ヘッドランプがついています。


 写真20−23                                     (撮影日 08/04/28)

 ひだ25号の作業が終わり、扉が閉じられました。ローカルディーゼルの方は、まだ作業が続いています。 


 写真20−24                                     (撮影日 08/04/26)

 写真の奥、ホームのはるか先で連結準備の作業が続いている間に、ホームでは、もう一人の作業員の方が活躍していました。この方は、マイクを持って別にカラオケやっているわけではありません。ホーム中央でマイクを握り、乗客に向かって案内をしておられます。趣旨としては次の内容です。
まもなくひだ5号が到着します。
ひだ5号ひだ25号が連結作業をします。
ひだ25号の方に乗車する方は、ひだ25号がホームに入ってきて2度停車しますがその間はまだ乗車できません。乗車できるというアナウンスのあと乗車してください。
連結作業が完了したら乗車できます。


  ということでもう一方の主役、ひだ5号が名古屋方面から到着です。


 写真20−25         (撮影日 08/04/26)

 写真20−26         (撮影日 08/04/26)

 左 10:02、名古屋方面からひだ5号が4番線ホームに入ってきました。6両編成です。
 右 先ほど写真20−24でアナウンスをしひていた作業員の方の示す白旗の所で停止です。


 写真20−27         (撮影日 08/04/26)

 写真20−28         (撮影日 08/04/28)

 左 ひだ5号の方で早速貫通とビラが開いて、上の写真20−25・26で旗を持っておられた作業員の方が連結の準備に入ります。
 右 その一方で留置線にいた
ひだ25号が真っ直ぐ進んで4番線ホームに進みます。 


 ここで、ひだ25号ひだ5号の動きをまとめてみました。


 写真20−29         (撮影日 08/04/26)

 写真20−30         (撮影日 08/04/26)

 左 ひだ25号ひだ5号に近づきます。
 右 所定の場所に停止すると、連結作業が始まります。 


 写真20−31         (撮影日 08/04/28)

 写真20−32         (撮影日 08/04/26)

 左 事前準備が終了し、ひだ25号がいよいよ連結のために近づきます。2番ホームからの撮影です。
 右 逆の角度からの撮影です。5番線には09:56に東海道線の普通電車が到着して折り返しの発車を待っています。


 写真20−33         (撮影日 08/04/26)

 写真20−34         (撮影日 08/04/26)

 左 いよいよ連結です。  
 右 連結器が接続しました。このあと、貫通部分の幌をつなぎ合わせ、パイプを取り付けて出発です。


 写真20−35                                     (撮影日 08/04/26)

 ひだ5号6両とひだ25号4両の連結が完了し、10:10の出発時間が迫りました。先ほどの作業員の方がまたまたマイクを握って、最終の出発案内をします。


 写真20−36                                     (撮影日 08/04/26)

 10:10、ひだ5号併結ひだ25号、合計10両編成が岐阜駅を出発します。この10両編成は高山線列車中の最長大編成の列車です。5番線ホームからの撮影です。


 写真20−37                                     (撮影日 08/04/28)

 上の写真20−36と同じ出発するひだ5号併結ひだ25号です。高山到着は、12:13です。ひだ5号の方は、さらに飛騨古川まで向かい、到着は12:32です。2番線ホームからの撮影です。


 写真20−38         (撮影日 08/04/28)

 写真20−39         (撮影日 08/04/28)

 ひだ5号・25号の連結出発の合間に、3番線側では、高山線のローカルディーゼル同志のもう一つの連結が行われます。連結されるのは、10:04岐阜駅到着のディーゼルと、ひだ25号が北の留置線に入った時にすでに南の留置線に入っていたディーゼルです。 


 写真20−40         (撮影日 08/04/28)

 写真20−41         (撮影日 08/04/28)

 連結されて4両となったディーゼルは、10:16に美濃太田駅に向けて出発します。


 さて、これでひだ号についてのお話は終わりです。
 まとめます。
 といっても何をまとめますかね。(^_^)

 え〜と、とにかく
ひだ5号ひだ25号の連結は面白いですね。しかし、ひだ25号の岐阜駅到着が9時55分です。そして出発が、10時10分です。この15分は長いですね。
 もう少し短くしないと・・・・・。
 この
特急ひだ25号は、大阪発が7時59分、飛騨高山到着が12時13分です。つまり、4時間14分もかかって大阪から飛騨高山まで行くのです。だから途中でのんびりというのではなく、一刻を争って行くべきではないでしょうか。目指せ、4時間以内とかなんとか・・・。
 
 なぜ、ひだ25号は一度留置線に入るのでしょうか?
 係員の方に聞いてみました。

「なぜひだ25号は最初に3番線に入ってきて、一度留置線に行き、その後でまた4番線に入り直すという手間のかかることをすすのですか?」

係員

「連結するには4番線しかできないからです。」

「名古屋から来る東海道線の下り線からは、6番線・5番線・4番線にしか入れませんね。また、大阪方面から来るひだ25号は、1番線から4番線にしか入れませんからね。」

係員

「よくしっていますね。」

「そして、ひだ25号が到着した時は、4番線には、普通電車大府行きが発車待ちしています。だから、一度3番線に入り、留置線で待機して大府行きが出るのを待って、4番線に入り直す。」

係員

「そのとおりですね。」

「それなら、大府行きを他のホームに入れれば言い訳ですが、大府行きが入る前には、5番線には岡崎行きがとまっている。もちろん、6番線は下り快速電車用だから止められない。」

係員

「そのとおり。だから、ひだ25号の入るのは、3番線しかないわけです。」

「それなら、ダイヤそのものをがらっと変えて、ひだ25号の便宜を図るというのはどうですか?」

係員

「う〜ん、そういうことは私には分かりませんが、いずれにしても、ホームのやりくりとかが難しいのでは・・・・・。ぎりぎりでは、ダイヤに少々の遅れが出た場合、大変ですから。」

 ということです。

 なんとも不思議な
ひだ25号です。  


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