岐阜県の東海道線あれこれ18
 岐阜県の東海道線についてあれこれ紹介します。
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 岐阜駅の変遷5 岐阜駅周辺高架事業その3 岐阜駅本体・線路説明

 岐阜駅の変遷も随分回数を重ねました。
 最終回のこのページは、岐阜駅本体の線路(路線)の説明を、例によって写真とともに説明します。このページは、歴史とか「学習」にかかわるものと言うよりは、純然たる「鉄道ファン」的ページです。 


 岐阜駅に停車する列車

 下の写真は、現在の岐阜駅の状況です。

 写真18−01                                     (撮影日 08/04/26)

 現在の岐阜駅。岐阜シティ・タワー43の展望室から撮影しました。
 駅前広場の整備は現在進行中ですが、U字型の歩行者用デッキもまもなく全体が完成し、整備が完了します。

 駅本体は3本のホームと、ホームのそれぞれの両側各2本の線路、合計6本の線路からなる非常に単純な構造をしています。通過線とかはありません。ホームは表玄関の北側(上の写真の左側)から、1番線・2番線・・・となり、一番南側が6番線となっています。
 ところが、単純な駅の中で、次の二つの点が、鉄道ファンにとっては、駅の面白さを醸し出す要素となっています。

 岐阜駅を起点とする高山線があり、その発着のための線路や列車の動きが、面白みを作っている。

 東海道線については、岐阜には電車区(電車の車庫)はなく、隣の大垣にあるため、快速電車(特別快速)は、岐阜駅に停車するものの、岐阜駅では折り返し(終着・始発)をしない。(付記すると快速電車(特別快速)も、岐阜駅より西は、各駅停車となる。)
 ところが、名古屋方面の各駅停車の普通電車は、岐阜発着となっており、その分複雑な電車運行となっている。


 岐阜駅の線路配置 その1 東側

 もう一度上の写真18−01を見てください。
 駅東(写真の奥)には、
高山線の白いディーゼルカー2両編成が駅に近づきつつあります。高山線は全線非電化単線です。したがって、駅東の高架部分は、東海道線の上下線高山線(単線)の3本の線路が走っていることになります。
 高架前の平面時代には、
高山線の線路は、岐阜駅の一番北側にあり、駅中央に東海道線上り線、駅一番南に東海道線下り線が発着するのが原則でした。
 ところが、高架化の際に、
高山線の発着ホームは、東海道線上り線(1番線・2番線)、下り線(5番線・6番線)に挟まれた、真ん中の3番線・4番線とされました。これにともない、高架部分の線路配置も、高山線が真ん中になりました。
 
 駅の東部分の線路配置を略図にすると、次のようになります。

 高山線については、次のページ「あれこれ19 高山線とひだ号」で詳細を説明します。 
 以下、先ず東側部分について、写真を使って、その様子を説明します。
 鉄道ファンでない方には何でもありませんが、好きな方は、線路の配置、ポイント部分のダイナミックな構造が、たまりませんね。


 写真18−02                                     (撮影日 08/04/26)

 高山線の先頭車両から撮影した岐阜駅構内の東側部分の様子。今私が乗っているディーゼルカーはこのまま真っ直ぐ4番線に向かいます。もし手前のポイントで右に渡ると3番線側に入ります。
 一番右は
東海道線上り線です。この写真の部分では5番線からの渡り線や停留線が映っていて複数に見えますが、写真に写っていない部分で、1本になっています。
 そして、一番左が
東海道線下り線です。こちらは、6番・5番ホームへ向かう線路が分岐しているのが分かります。


 写真18−03                                     (撮影日 07/11/25)

 岐阜駅の4番線をを出発して高架部分を走り、左右の東海道線上下線とは別れて、高架の真ん中から先に下へ下りる高山線の普通ディーゼル列車。2番ホームより撮影。
 このディーゼル列車は、上下線の違いはありますが、上の写真18−02の撮影位置とほぼ同じ位置を通過中です。


 写真18−04                                     (撮影日 07/11/25)

 富山発名古屋行き特急しらさぎ号が、1番線を出発して名古屋へ向かいます。 手前斜めの線路は2番線、3番線への渡り線です。


 写真18−05                                     (撮影日 07/11/15)

 名古屋発の特急ひだ号が、東海道線下り線を走ってきて、駅の入口へ来ました。これから線路を2本跨いで、4番線へ向かいます。手前の名前の斜めの線路は、高山線線路(真っ直ぐ進むと4番線)から、3番線・2番線へ渡るための渡り線です。 


 写真18−06                                     (撮影日 08/04/28)

 名古屋発富山行き特急しらさぎ号が、駅構内に入ってきました。このまま真っ直ぐ6番線に向かうところです。しらさぎ号が通過しているポイントから分岐している線路は、5番線へ向かうものです。
 左の電車は、直前まで5番線に止まっていた豊橋行き普通電車です。5番線から渡り線を通って、1番線へ向かうところです。


 写真18−07                                     (撮影日 08/04/26)

 左は、高山線を走ってきた特急ひだ号が4番線に停車した後、一番北側の東海道線上り線に移って、名古屋に向かうところです。
 右は、岐阜駅止まりの東海道線下り線の普通電車が5番線に入るところです。手前のポイントはあたり線に向かうように切り替わっています。
 大垣方面へ向かう快速電車(実は岐阜駅以西は各駅停車)が6番線を利用するのに対して、岐阜駅止まりの東海道線下り線普通電車は、5番線または4番線を使用します。
 入ってくる電車の表示を見ると、本来の「岐阜」行きではなく、ホームで待つ人が間違えないように、すでに「回送」の表示となっています。


 写真18−08                                     (撮影日 08/04/26)

 岐阜駅止まりの普通電車として5番線に到着した電車が、そのまま折り返し豊橋行き普通電車として出発です。5番線から4−3−2番線と渡って、東海道線上り線に入ります。


 写真18−09                                     (撮影日 08/04/28)

 4番線と5番線のクロスポイント部分ですれ違う、左岐阜発岡崎行き普通電車(4番線から発車)と、右5番線に入る岐阜止まりの普通電車です。左の電車は、渡り線を通って、1番線に向かいます。
 右の電車の表示は、すでに折り返し、浜松行きの表示になっています。


 写真18−10                                     (撮影日 08/04/26)

 1番線を貨物列車が通過していきます。岐阜駅には貨物列車の専用通過線はありません。このため上り貨物列車は1番線を、下りは6番線を通過してきます。
 この貨物列車は、コンテナ貨物列車ではなく、珍しく鉱石運搬専用貨車です。
 これは実は、大垣市赤坂の矢橋工業の石灰石運搬貨物列車です。


 写真18−11                                     (撮影日 08/04/28)

 写真18−10と同じ石灰石を積載した貨物列車の後ろ姿です。上の写真とは別の日の撮影です。


 写真18−12                                     (撮影日 08/03/16)

 東海道線上り線を名古屋から特急しなの号がやってきました。特急しなの号といえば、中央線と篠ノ井線を通って、名古屋と長野を結ぶ特急です。
 実は、そのうち一往復は、大阪発着なのです。これは名古屋から東海道線に入って、大阪に向かう特急しなの16号です。長野を14:00に出発して、岐阜着は17:23、大阪着は19:18です。長旅です。ご苦労様。
 この岐阜シティ・タワー43からの撮影の写真では、線路の配置はよく分かりますが、単なる説明図になってしまい、鉄道写真としての迫力は今ひとつです。 
 


 岐阜駅の線路配置 その2 西側

 今度は駅の西側です。
 線路の配置は以下の説明図のようになっています。


 高山線の線路は西側へは続いては行きません。その代わり、停留線が設けてあります。これらは東側のそれがあまり使われていないのに対して、以下の写真のように、いろいろ使われています。
 では、東側と同じように、車両と線路の織りなす幾何学的構造美をお楽しみください。


 写真18−13                                     (撮影日 07/12/30)

 まもなく岐阜駅に到着しようとする東海道線上り線電車の先頭車両から撮影しました。この電車は1番線へ向かっています。写真左端、1番線からは2番線が分岐して、2番ホームへ向かいます。
 その途中から3番線が分岐して3番ホームへと向かっています。
 電車が止まっているのは、4番線です。
 4番線の延長線上には南側の停留線があります。
 写真の中央には、4番線と3番線から分かれて設定された北側の停留線があります。
 この時の2つの停留線には電車はいませんでしたが、この2本の線路は、時間帯によっては活躍します。


 写真18−14                                     (撮影日 07/11/25)

 4番ホームの端から撮影した駅の西側部分です。
 作業用車両が止まっているのは、5番線から分岐した停留線です。5番線は真っ直ぐ進んで、6番線と合流して東海道線上り線に戻ります。
 中央の真っ直ぐな線路は、4番線の延長線ですが、行き止まりの停留線となっています。
 その横、中央の架線柱の向こうには、もう一つの停留線が設置してあります。 


 写真18−15                                     (撮影日 08/04/28)

 南側の停留線に高山線のディーゼルが停車しています。右側には、上り豊橋行き新快速が到着し、1番線へ向かっています。 


 写真18−16                                     (撮影日 08/04/26)

 見慣れない顔の特急が大垣方面から上り線をやって来ました。これが特急しなの9号です。写真18−12で説明した1日1往復だけある大阪と長野を結ぶ特急しなの号です。大阪08:58発で岐阜着は10:37、長野着は13:52です。
 特急が通過しているポイントから2番線が分岐しています。
 手前を右手に向かう線路は、3番線です。3番線の延長線は、クロスのポイントの向こうで、すぐに行き止まりとなっています。
 中央手前へ向かっているのは、3番線から5番線への渡り線です。


 写真18−17                                     (撮影日 08/04/26)

 1番線を通過する上り貨物列車。今度は、普通の有蓋車です。これも珍しい貨物列車です。
 1番線、2番線、3番線、4番線、そして一番手前の5番線と、直線線路がよく分かります。
 中央の斜めの線路は、4番線から3番線への渡り線です。4番線と5番線は、写真左手でクロスのポイントで結ばれています。4番線の延長線と、4番線と3番線から分かれて作られた延長線が停留線となっています。
 


 写真18−18                                     (撮影日 08/04/26)

 南側の停留線に高山線のディーゼルが止まっている横を、東海道線上り線の快速が1番線へ向かいます。手前の4番線には、岐阜駅止まり折り返しの普通電車が出発を待っています。


 写真18−19                                     (撮影日 08/04/28)

 6番線を出発して大垣方面へ向かう快速(実は各駅)電車です。この写真は4番線に停車中の岐阜駅発の東海道線普通電車の最後尾車両から撮影しました。


 写真18−20                                     (撮影日 08/04/26)

 上り快速電車が構内に入り、1番線ホームへ向かうところです。
 3両目が、2番線と分岐するポイント上を通過中です。
 一番手前の線路は、3番線の延長線です。2番線とクロスするポイントの向こうで、行き止まりとなり、砂利が盛ってあります。


 写真18−21                                     (撮影日 08/04/26)

 1番線を通って停車位置へ向かう富山発名古屋行き特急しらさぎ号です。3番線ホームからの撮影です。


 写真18−22                                     (撮影日 08/04/26)

 6番線ホームを出発して、下り線を西岐阜駅へ向かう新快速電車。
 手前のポイントは5番線と4番線とのクロスポイントです。4番線の端は南の停留線です。クロスポイントのすぐ向こうに、4番線と3番線から分岐して設定された北の停留線と4番線との間のクロスポイントがあります。この二つを渡れば、5番線から北の停留線へ入ることができます。  


 これで、岐阜駅の線路配置の説明を終わります。
 「駅の線路とポイントの配置など、どこが面白い」という方は、お疲れ様でした。(そういう方は最後までは絶対、見ていないってか。)
 こういうことに興味のある方、たとえば、友人のF教諭のご子息のS君、いかがだったでしょうか?

 高架事業についての直接の説明はこのページで終わりです。
 次のページ「あれこれ19」からは、サブタイトルを「岐阜駅とその周辺」に変えて、いろいろな話題をお話しします。その1は、高山線の諸相です。また、その次の「あれこれ20」では、上の写真18−20
北側の停留線が活躍します。乞うご期待


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