名鉄揖斐線・廃線物語
 説明的写真集
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 □市ノ坪物品販売
    
 はじめに                            ;

 2004年11月7日(日)、岐阜市の名鉄市ノ坪駅及び市ノ坪車両検車場で、物品の販売会がありました。
 この種類の会は、鉄道ファンの方には、おなじみのものです。この写真集は、「プロ」の方に何か耳寄りな情報を提供しようとするものではありません。その反対に、鉄道にあまり興味のない方、これまでそんな販売会などあることも知らなかった方に、「販売会」なるものの様子を紹介する目的で設定しました。

 さて、この販売会はどのようなものでしょうか。

 まずは、市ノ坪駅・市ノ坪車両検査場の場所と説明です。


 市ノ坪      | このページの先頭へ |

 まずは、市ノ坪駅・市ノ坪車両検査場の場所と説明です。


 市ノ坪駅は、名鉄各務原線新岐阜駅(2005年1月から名鉄岐阜駅と改称)から東へ1.6kmの所にあります。

 1967年、新岐阜駅すぐ東にあった市内線等の車両検査場が、市ノ坪に移転しました。これが現在の市ノ坪車両検査場です。
 市内線、揖斐線、美濃町線の岐阜市内近郊の架線電圧が600Vの線区を走る車両の検査をしています。
 車両検査場開設のあと、美濃町線から市ノ坪への引き込み線を利用して、1970年に美濃町線電車の新岐阜駅直接乗り入れのための新路線がつくられました。これが田神線です。

 市ノ坪駅は、市ノ坪車両検査場の北側に隣接して設けられています。


 左の写真は、名鉄各務原線の新岐阜駅の美濃町線専用ホーム。写真の左の電車は、美濃町線車両モ880形。写真の右の電車は、各務原線の1500V電車、7000形。(撮影日 04/11/21)
 美濃町線車両は、ここから、架線電圧1500Vの各務原線を1.1km走り、田神駅の東で分岐して、600V線区の美濃町線に入ります。そのため、ここから出発するモ600形、800形、870形、880形は、600Vと1500Vとの両方の電圧で動くことができる「複電圧車」という特別な車両です。
 
 右の写真の左側(南側)が市ノ坪車両検車場、右の線路の奥、線路が分岐しているところが市ノ坪駅です。市ノ坪駅の東側から撮影した写真ですから、新岐阜駅は、この写真の奥(西方)、1.6kmの所にあります。
 留置線に、複電圧車のモ600形、600V専用のモ590形と570形が止まっています。(撮影日 04/10/24)
 
 物品販売は、真ん中の電車の奥にある検査場の建物や駐車場を利用して行われました。


 それでは、一体何を販売するのでしょうか。販売するのもは、大きく分けて次のようになります。

  1. 電車の行き先表示板などのプレートの類

  2. 車輪止めなど駅の装置類

  3. 乗務員などがつかう時刻表の類

  4. ポスター、カレンダーなどの類

  5. 駅の忘れ物類の廉価販売

  6. その他

 担当の名鉄の方(通常は、乗務員・検査場の作業員などをやっておられるかたとと思われます。)に聞きました。

「こういう販売会は、ここでは毎年行われるのですか?」

「いえ、市ノ坪で毎年というわけではありませんが、名鉄のどこかの検査場等では必ず行われます。もっとも、来年は、この市ノ坪では絶対にあり得ません。」

「3路線が廃線になると、ここも廃止ですか?」

「もちろんです。電車が走っていないのに検査場だけあっても仕方ありません。」


 以下、当日の模様を写真と説明にて紹介します。


 左は、会場の1時間も前からひたすら待つ鉄道ファン。うしろに、モ510形が止まっている。南からの写真、背景の山は金華山とその東の峰々。 

 同じ動くものでも、鉄道ファンと飛行機ファンは少々違います。
 10月17日の航空自衛隊岐阜基地の航空祭には、家族連れ以外、男女のカップルも多く見られました。しかし、鉄道ファンは、ほとんど男です。しかも、上記のような物品を購入する目的でこの会場に来るのは、まず女性はいません。

 しかし、この会場には、右の写真のように、中年かまたは少々年配の女性もちらほらいました。
 目的は、いわゆる鉄道グッズの購入ではありません。右の写真の中央のラックや、手前の青いシートの上の品物は、実は、忘れ物品なのです。
 引き取り手がなく所有権が名鉄のものとなった忘れ物品を、格安で売るというのもこの会の売りの一つです。
 ラックの上には、傘が山ほどあって、どんなブランド品もすべて300円です。
 
 右下は、鉄道グッズに混じって、なぜか、「富有柿」の販売。

「なぜ、富有柿ですか?」

「はい、沿線の名物ですから。」

 

柿については、次のテーマで特集します。


 これも販売品。
 左は、美濃町線岩田坂駅構内にあった年号付きの貴重レール。限定10個販売、1個3000円。
 右は、普通のレールの切断販売。200円 


 これは私が購入したもの。左は、名古屋本線の時刻表。右は、3路線の時刻表と揖斐線のレールの文鎮。

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 マニアの購入品の中心は、左の写真に並んだ行き先表示板などのプレート類です。
 右は、左の写真の一番手前の表示板のアップです。2003年11月のモ510形デビュー77周年の記念電車の行き先表示板で、本日の価格は15,000円です。

 左の写真のプレート類は、皆、1万円から2万・3万という価格の「貴重品」です。
私は「いくら貴重品でも、そんなに売れるのかな?」とはじめは思っていました。
 販売は、朝早く来た順に配布された整理券に従い入場していく方法がとられました。いつも同じ方法のようです。
 私は、それほど早く来たわけではなかったので、整理券をもらうこともあきらめました。上の2枚の写真は、正式な販売の前に、「どんなものがあるか一覧する時間」に撮影したものです。さて、結果は・・
・。


 下の左の写真が、販売開始1時間半後の状況です。

 左の写真に残ってるのが、売れ残り品です。
 ということは、大半は売れてしまったということです。原価はいくらかしれませんが、アクリルの板に印刷してあるものですから、そう高いものではないでしょう。まったくうまい商売です。

 右の写真は、係の人が「何故売れ残ったのかなー」というプレートです。これいくらだと思います?なんと30,000円ですよ。


 左の写真は、同じく売れ残った津島駅の信号・ポイント切り替え制御装置です。15,000円です。しかも、横は80cmぐらいある巨大なものです。いかがですか?インテリアには・・・・、ならんならん。

 右の写真は、同じく行き先表示板等のプレートですが、こちらは、午後からオークションの出品物です。オークションというのくらいですから、上のプレートの1万円から2・3万円以上の価格になるのでしょうか。
 残念ながら午後のオークションは見ることもできませんでした。

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 この販売会の主たるねらいは、もちろん物品の販売ですが、鉄道ファンにとってはもう一つ楽しみにしているものがあります。
 いわずとしれた、電車の撮影です。

 左の写真をご覧ください。
 大人から子どもまで、みんな撮影に夢中です。
 奥に見える赤い電車は、名鉄各務原線の普通電車です。

 群衆が撮影している写真が下の写真です。
 


 

(写真をクリックしてください。拡大写真と解説が出ます。)
590・574・510 590・600・510 880・590・600・510
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