名鉄揖斐線・廃線物語20
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 □廃線後その6 最後の電車 そして再生への動き
    
 記念式典                               

 移設から3週間。
 モ513の保存のための施設も、屋根を除いて概ねできあがりました。
 
 というわけで、
6月17日に記念式典が挙行されました。


 
 移動後3週間の間に、フェンスも設置されて、モ513の保存場所が整備されました。


 記念式典。
 上左は、丸窓電車を保存する会の広瀬会長(岐阜高専助教授)の挨拶です。

 上右は、岐阜市長の細江氏の挨拶です。(市長は、名鉄への援助を実施しない決断を行って、廃線にいたらしめた張本人といえば、そうです。)


 左は、岐阜ジュニア吹奏楽団の励ましの演奏です。


 「お帰りなさい丸窓電車」のテープを、綱引き隊にひかれて、テープカットし、式典は終了です。


 
 上左 保存場所のモ513、このあと屋根の取り付け工事が行われます。

 上右 モ513の車内。窓枠や天井はレトロです。

 下左 運転席


 誰もいなくなった                                  | このページの先頭へ |

 かくて、2005年3月31日まで岐阜市周辺で活躍していた電車は、すべて、市ノ坪の車庫を去りました。


<2006年6月18日現在の車両>

車両名

>移動先・時期

モ591・592

2両

高知県の土佐電鉄に譲渡。

モ770形

2×4編成=8両

全4編成が福井鉄道へ。

モ780形

7両

全7両が豊橋鉄道へ。

モ800形

3両

1両は豊橋鉄道へ。2両は、福井鉄道へ。

モ880形

2×5編成=10両

全5編成が福井鉄道へ。

モ513

1両

大正時代製の丸窓電車。岐阜市金公園で保存。

モ514

1両

モ513と同型。谷汲駅で保存。

モ570形(モ571・572・574)

3両

市内線線用だった赤電車。すべて解体。

モ593

1両

旧塗装車両。旧美濃町線美濃駅で保存。

モ606

1両

名鉄最初の600V・1500V併用車両。解体。

モ870形(モ871・872、875・876)

2×2編成=4両

札幌市電出身。すべて解体。


 もう電車は1両もいない市ノ坪。
 
 線路も、一部はがされはじめました。
 


 
 車庫の中も、がらんどうです。


 
 車庫の西側を通過する、名鉄各務原線普通電車。

 3線の線路のうち、一番左は車庫への引き込み線。

 真ん中は、屋外留置用の待避線。

 そして、黄色い柵の右側は旧美濃町線市ノ坪駅です。

 赤い電車の手前の青い橋は、600Vから1500Vに電圧が変化する、「死区間」の橋です。


 「復活」へ向けて                             | このページの先頭へ |

 さて、これで、名鉄揖斐線・廃線物語も終わりを迎えることになりました。

 最後に、岐阜市内及び周辺の600V線区の復活へ向けての動きの現状を報告します。
 廃線直後の2005年5月、岐阜県関市にある
ショッピングセンター、マーゴを経営するサン・ストラッセの代表広瀬武男氏が、旧名鉄3線区を引き継いで、新しい鉄道事業をはじめることを発表しました。

 その構想によると、
新岐阜鉄道株式会社を設立し、運行業務は岡山電気軌道に委託し、以下の予定で「復活」をさせようとするものです。

年 度

内     容

2007年度内

関−JR岐阜駅にLRTを走らせる。長良川鉄道を経由して郡上八幡までの直通運転を目指す。

2010年

旧名鉄揖斐線を利用して、揖斐方面線の開業を目指す。

近未来

岐阜市内循環線の実現

  ※サン・ストラッセによる岐阜地区新鉄道準備室のサイトはこちらです。
    http://gifu-newrail.com/

 また、路面電車実現のための基金「路面電車エンジェル基金」も設立され、寄付金の募集も進んでいます。
  ※エンジェル基金のサイトはこちらです。http://www.mirai.ne.jp/~design/

 しかし、岐阜市などの自治体の協力は得られそうもなく、また、名鉄も自治体が絡まない場合の資産譲渡は考えていないため、問題は簡単には進みません。

 「復活」の道のりは、長い長いものとなりそうです。


 それよりももっと現実的なことがあります。
 他の路線の廃止です。

 岐阜県内では、飛騨市にある第三セクター
神岡鉄道が、2006年内に廃止されることが決まっています。
 美濃地方でも、旧名鉄揖斐線と交差していた第3セクターの
樽見鉄道、近畿日本鉄道の養老線・揖斐線の赤字問題が深刻となり、存続か廃止かで駆け引きが続いてます。

 「
名鉄揖斐線復活物語」ではなく、再び「○○線廃線物語」の方を書く方が先だったりして・・・・。


 
 大垣市から瑞穂市へ揖斐川橋梁を渡る
樽見鉄道のレールバス。
 東大垣−横屋間
(撮影日 05/05/01)


 岐阜県安八郡神戸町地内の菜の花畑の脇を通る近鉄揖斐線
 広神戸−東赤坂間
(撮影日04/03/22)


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