名鉄揖斐線・廃線物語11
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 □現在の谷汲線・揖斐線(黒野-本揖斐)
    
 今は?                                

 廃線後の鉄道というのはどうなるのでしょうか?

 2001年9月31日を最後に廃線された谷汲線、揖斐線黒野−本揖斐間の現在を見ることは、今廃線されようとしている揖斐線や市内線の将来を見ることになります。

 写真を見ながら、トピック的に説明していきます。


 現在の黒野駅                              | このページの先頭へ |

 上左、雪景色の黒野駅。(撮影日 04/12/31)
 両線廃線以前に比べると、施設の縮小がなされました。前ページの写真と比べてみてください。
 画面左手が@番線ですが、@番線には、手前側からは線路が向かっていません。本揖斐行きの乗降に使われていた@番線は、すでにお役ご免の状態です。
 ただし、@番線そのものはあって、反対側からレールはつながっています。そこには砕石を運ぶ貨車が止まっていますが、駅員さんに聞くと動く予定はないそうです。

 上右、黒野駅西の線路。(撮影日 04/11/17)
 右は、本揖斐方面線路。左は、谷汲方面線路。いずれもちゃんと標識が立てられて、行き止まりになっています。


 上左、黒野駅前から出発する、谷汲行きの名阪近鉄バス。谷汲線の廃止による代替バスは、名鉄バスではなく、名阪近鉄バスでした。商売敵に譲った形です。(撮影日 04/11/03)

 上右はバス時刻表です。
 ちょっと見づらいですが、平日・土日とも、2番目の列が谷汲行きです。
 電車があった時代は、毎時間1往復でしたが、現在では、昼間は、9時から18時までに5本しかありません。バス代替とはこういうもんです。


 現在の谷汲線跡                              | このページの先頭へ |

 上左は、旧谷汲線の北野畑駅の黒野側、上右は谷汲側の線路です。(撮影日 両方とも 04/12/11)
 廃線から2年余経てもまだ線路は残っています。

 この場所は、谷汲ではなく、揖斐郡大野町内です。
 大野町の役場に電話しました。質問に答えていただいたのは、大野町企画財政課の担当の方です。

「旧揖斐線・谷汲線の跡地は、町としては購入するとかはしないのですか?」

担当

「名鉄さんと交渉しているのですが、揖斐線と谷汲線と両方にまたがっていますし、金額も安くはないものですから、交渉は進んではいません。」

「谷汲村と揖斐川町は購入したって聞きましたが?」

担当

「それは伺っております。地価も異なりますから、同じようには行きません。できたら無償で譲渡ということもお願いしているのですが・・・。」


 ということで、これはまだ名鉄の土地です。線路もあります。


 上左、廃線前の北野畑駅。(撮影日 01/09/23)
 上右、廃線から2年以上過ぎた北野畑駅。ちゃんと雑草刈り取りは行われていました。ただし、駅の部分はレールはありません。そういえば、市ノ坪の鉄道用品販売の時に、谷汲線のレールを売っていましたから、ここのレールかもしれません。単なる想像ですが・・。 


 上左、赤石駅付近の旧線路。左手の道路の左側は揖斐川です。中央奥の橋の右手に、赤石駅はありました。こうして線路がはがされてしまうと、普通の農道と区別は付きません。(撮影日 04/12/11)

 上右、谷汲駅手前の杉並木。線路がないと江戸時代の街道のようです。(撮影日 04/12/11)
 
 谷汲村では、谷汲駅以外のすべて線路がはがされていました。聞いてみたら理由は簡単でした。
 答えていただいたのは当時の谷汲村役場の総務課長さんです。(谷汲村は、2005年1月31日に、揖斐川町を中心とした他の町村と合併し、新揖斐川町の一部となりました。)


「名鉄谷汲線の跡地は、村の方で購入されたと聞きましたが?」

担当

「はい、すべての跡地を購入しました。」

「どのくらいの面積で、どのくらいの価格でしたか?」

担当

「はい、約5万平方メートルで、購入価格は約4400万円です。その時の条件で、モニュメントにする谷汲駅以外はすべてレールをはがして更地となっています。」

「跡地の利用は?」

担当

「道路にするとか、いろいろ考えています。」


 現在の谷汲駅                                 | このページの先頭へ |

 上左、廃線前、谷汲駅に入線するモ750形の3両編成。(撮影日 01/09/26)
 上右、現在の谷汲駅。ワンマンカーモ755が、記念電車として保存されています。ちゃんと雨よけの屋根も付けてもらいました。
                                                       (撮影日 04/12/11)  


 上左、谷汲駅の手前から見た保存電車モ755。(撮影日 04/12/11)
 上右、ホームから先を写した写真。(撮影日 同上)
 今にも動きそうな電車ですが、架線はなく電気はありません。レールも150mより先はありません。 


 現在の揖斐線(本揖斐−黒野)                          | このページの先頭へ |

 上左、廃線直前の揖斐駅。ワンマンカーのモ751が停車中。(撮影日 01/09/23)
 上右、すっかり更地になった揖斐駅。古い建物でしたが、きれいになくなりました。奥にあるコンクリートの建物は、WCです。これだけ残りました。(撮影日 04/12/11)

 揖斐川町の企画財政課に伺ったところ、2003年10月1日に、すべての土地を購入したとのことでした。もちろん、購入の条件として、レールも架線もはがした更地にしてということでしたので、駅もすっかりなくなりました。ここにはもはやモニュメントは何もありません。
 購入面積は、3万4000平方m。価格はおよそ1億1500万円ということでした。

 ここまで調べて、大野町の立場もわかりました。
 大野町は、これまでに廃線になっている両線の部分だけで、面積は推定8万平方m以上。しかも揖斐川町などに比べて地価はもっと高くなります。さらに、この4月の廃線分も加えたら・・。
 簡単には購入できません。


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