現物教材 日本史13

戦後 004 でかい石炭                            |現物教材:目次:日本史 |

 「でかい岩塩」は現物教材地理のコーナ^−に掲載しましたが、こちら「でかい石炭」は、日本史のコーナーで登場です。
 石炭そのものは、地歴公民のどこでも登場するものですから、どこに掲載してもいいものです。
 しかし、この「未来航路」では、すでに次の所に石炭を紹介していますので、そのつながり上、いろいろな思いがあって、日本史での紹介となりました。
  ○戦後の石炭の増産に関するクイズ「クイズ日本史戦後編
  ○日本の石炭採掘の現状に関するレポート「北方領土・北海道訪問記 石炭が取れた所 北海道」

 2002年に釧路の太平洋炭坑の展示館に行った時、いろいろ説明を聞いて、今は日本には商業用の炭坑は一つもないことを学びました。
 そのため、日本産の石炭を手に入れることはなかなかできません。
 
 研修用に政府の援助で続けられている
太平洋炭坑の後継炭坑の釧路コールマイン社の担当の方に、電話で頼んでみました。

 釧路に行ったこと、岡の上の炭坑展示館を見たことなどを説明し、
「学習用に石炭を購入したいんですが」
 とお願いしてみました。
「いいですよ、無料でお送りしましょう。但し、あなた限りの話としてください。これがあちこち広がって、申し込みが殺到すると、本来の業務ができなくなってしまいますから。お願いします。」
 そうですね、今のコールマイン社は、あくまで研修業務を行う会社ですからね。
 
↓今は販売しています。下の追記参照。

 ということで、方法を変えて、ヤッフー・オークションに品物が出るのを狙っていました。
 そして手に入れたのが、右の巨大な石炭2個です。

 下の二つの写真は、スケールが入れてありますからおわかりと思いますが、横幅25センチ以上、高さ20センチ前後、厚さ10センチ前後の大きな石炭です。
 重さは、意外と軽くて、大きい方が3.6s、もう一つが2.8sです。
 オークションと言っても、こんなものを買う人は私以外にはなく、入札者は一人だけで、値段は二つで1500円と意外と安かったんです。(^.^)
 しかし、送料も1500円かかってしましました。(--;)
 
 オークションの出品者のコメントには、「置物に最適」となっていましたが、玄関に置いておくと、またまた、殺人事件の凶器になってしまいます。
 今度のは、凶器の石炭は、証拠隠しに燃やすのです。
 題して、「現物教材殺人事件2ー燃えた凶器のなぞ」。
  ※このギャグは、前のこれの続きです。

 さて、石炭については、高校日本史Bの教科書の戦後の部分では、

  1. 戦後復興のところの傾斜生産方式

  2. 石油から石炭へのエネルギーの転換が進む中での三井鉱山三池炭坑の労働争議=三池争議1960年

の2箇所に記述があるだけです。
 2の説明の終わりには、「以後、九州や北海道で炭坑の閉山が相次いだ。」と書かれています。

 しかし、石炭が主役の時代もあったのです。

【追記】05/08/27 くしろ石炭.comHPで、石炭が購入できます。
 
 久しぶりに、釧路コールマイン社のサイトを捜していたら、関連サイトで、石炭塊を販売していました。
 
6.5kgの巨大な石炭塊もあります。ただし、値段は、15000円です。ちょっと高いかな。
 しかし、今は、普通は見ることができない石炭ですから、大きくて生徒を驚かすものを、教室へ持っていきたいものです。
  ※くしろ石炭.comのトップページは、こちらです。
    同じサイトの石炭関連グッズ販売のページはこちらです。 


 下は、同じく、ヤッフー・オークションで手に入れた、「目で見る社会科43 石炭産業」です。昭和27年に毎日新聞社が発行した副教材です。
 ※昭和27年=1952年です。著作権の保護期限50年間が過ぎていますから、コピーしても大丈夫です。


表紙は、狭い切り羽での作業の様子。この時点ではまだ大がかりな機械の導入は少ない。

 昭和24・25年度の地域別出炭量。今の中年以上の方は学校で習った。懐かしい4つの地域、北海道(夕原炭田など)・本州東部(常磐炭田など)、本州西部(宇部炭田など)、九州(筑豊・三池炭田など)の出炭量が示されている。1950年の日本全体の出炭量は、3932万トン。 


ちなみに、石炭の国内出炭量は、三井三池争議が起こった次の年の1961年に5541万トンを記録し、これが最高記録となりました。


この道具はコール・ピック。圧搾空気の力で先のとがったハンマーを打って石炭の壁に穴をあける。

4人一組で作業する坑夫。右から、コール・ピックを使って穴をあけ、次の爆破用のダイナマイトをしかける。前の爆破で崩した石炭をシャベルで運搬機フェース・ローダーに積み込む。次は、フェース・ローダーの運転手。一番左の坑夫は、天井が崩れないように、鉄の柱を立てる。