現物教材 地理1

 世界001  内蒙古の岩塩                      |現物教材:目次:地理へ |                

 現在、世界中で1年間に約1億8000万トンの塩が生産されています。日本では、古来、特別な塩資源

これで1s

台所において反応を確かめた所、「うっへー、これは氷砂糖じゃないの」、「この氷、何で解けないの」。
観察力のない我が家の住人です。

が存在していませんでしたので、塩は、海水から作られてきました。しかし、世界全体では、むしろ海水から作る方が少なく、全体の僅か約1/4です。残りは、岩塩や塩湖など海水以外の塩資源から採られます。
 岩塩は、海だったところが地殻の変動で陸に封じこめられ、水分が蒸発して、濃い塩水の湖(塩湖)になり、さらに、塩湖の水分が蒸発してできた塩の結晶が地下に埋もれてできあがりました。岩塩層の近くには濃い塩水の地下水(地下かん水)が見られます。

 岩塩そのものは、塩化ナトリウムの結晶の集合体で、普通は六面体、時に八面体の結晶形を示します。純粋なものは無色透明ですが、不純物を含むため、しばしば、黄色・赤色・青色・紫色等の色合いとなります。
 主な岩塩の生産地は、次の通りです。 

  • イギリス・・・・産業革命後の18〜19世紀にかけて、イギリスが世界一の塩生産国でしたが、その当時の中心地が、チェシャー地方です。

  • ポーランド・・・・

    古くからの塩の産地、ベリチカには、地下に大きな岩塩坑がある一方、使われなくなった岩塩坑内が、塩の宮殿になっています。壁の彫刻やシャンデリアもすべて岩塩です。

  • マリ共和国・・・・タウデニで採れた板状の岩塩は、ラクダのキャラバンでトンブクツーの街まで運ばれ市場で売られます

 もっと詳しい情報は、たばこと塩の博物館のサイトに載っています。
  ※たばこと塩の博物館のサイトはこちらです。

 さて、岩塩ですが、

最近のグルメブームでは、大都会のデパートのこだわり食材売り場などではちゃんと売られているそうです。
 しかし、わが小都会の高島屋さん等には売られていないため、いろいろ当たった所、なんと大田舎の上矢作町のモンゴル村で土産物として売られていることが分かりました。それが写真の岩塩です。

 ここは、モンゴルの本物のパオがいくつかあって、宿泊したりいろいろなことができる体験型の施設です。同じような施設が、長崎県の鷹島にもあります。こちらは、元寇の弘安の役の時、その沖合でたくさんの元船が沈没したあの鷹島です。
  ※同じ岐阜県のヒロさんのサイト「はじめて物語」の中にも紹介されています。
 
 パッケージには、「モンゴル大草原の大自然の恵み」と表示されています。正確に言うと、モンゴル共和国の産ではなく、中華人民共和国内蒙古自治区の産の岩塩です。
 取り扱っているのは、モンゴル村内に店がある、有限会社アミールです。電話で注文できます。
  ※岐阜県恵那郡上矢作町3080−1 電話 0573−47−2415

 値段は以下の通りです。(送料はそれぞれ異なりますが、自分が購入した1000グラム以外は不明)
  ※300グラム=400円  600グラム=600円  1000グラム=800円(送料700円)
 
 担当の方に伺いました。
私「1000グラムというのは、ちょっとたくさんですが、記念品として売れるのですか?」
店「いえ、1000グラムというのは、業務用の場合が多いです。」
私「なんの業務ですか。」
店「おもに漬物屋さんが使われます。」
私「普通の塩ではなく、わざわざ岩塩を使うメリットはなんですか。」
店「いろいろな成分、ミネラルとかを含んでいますので、嘗めていただければ分かりますが、何とも言えないうまみのある味です。」

 やってみました。なるほどです。普通の塩は、ちょっとなめると、すぐ水が欲しくなる塩辛さですが、岩塩は、口に入れて氷砂糖のように嘗めても、あまり辛くありません。

 話は飛びますが、私は、運動するとすぐに筋肉が痙攣(けいれん)するタイプです。(足がつるっていうやつ、ひどいと、腹筋も背筋もつる、全身つる。)
 筋肉の痙攣の科学的・生理学的原因は、汗と一緒に血液中のカリウム(K)が排出されてしまって、K不足になるからです。そのため、運動中に、いつも食塩のビンを持って、塩をなめていました。
 食卓塩の中にも微量に不純物としてKが含まれているので、Kが補給されて、筋肉の痙攣が悪化しないのです。痙攣は、起きてしまったら、もうその日の運動は終わりになりますから、起きる前に、ちょっとずつ塩をなめるのです。

 食卓塩のかわりに、これ岩塩が痙攣防止に採用できます。車やカバンに入れておいて、今度のサッカーの試合からすぐ「活躍」です。
 今回は、一石二丁の、買い物でした。


2003年9月8日追記

 市販されていて簡単に手に入る岩塩を見つけました。
 岐阜市・大垣市周辺の方は、業者用の食材を売っている、「グルメプラザ アミカ」に右の商品を売っています。
  ※「グルメプラザ アミカ」茜部店 058−272−3332
 上記のものと同じ、内蒙古の岩塩で、岐阜県恵那市長島町の有限会社「丹羽久」が販売元です。
  ※0573−25−5201
 
 写真でも少しうかがえますが、色は透明と言うよりは、薄茶色く濁っていて、いかにも、自然な岩塩という感じです。
 価格は600円です。 


 世界002  でかい岩塩                              |現物教材:目次:地理へ |          

 上の内蒙古の岩塩は、初めて手に入れた岩塩で、しかも、この現物教材の地理部門のデビュー作でしたので、とりあえず載せました。
 しかし、載せてみたものの、ちょっと不満でした。写真のように、岩塩一つ一つが利用できるようにコンパクトにしてあり、実利的に利用する人には便利ですが、「これが岩塩だ!」と授業で生徒を驚かすのが趣味の私としては、ちょっと小さすぎます。
「これは何だと思う。」と言って生徒に見せると、「先生ー、それって氷砂糖?」って言われてしまいそうです。
 つまり、地歴公民科の学習としては、教室を驚かすだけの量感が必要なのです。
 何とかならないかと思っていたら、そのあと、南アジアに旅行に行った友人の先生から、ヒマラヤの岩塩というピンク色の岩塩をもらいました。
「こういうのは、例によってインターネットオークションに出ているかもしれない。」
とひらめいて検索したところ、ありました、ありました。

「当方、値段をおやすくして提供するため、細かく砕く等の余分な作業は一切していません。丸ごとお送りしますので、ご利用の際に購入者の方で割ってください。」
 これは、嬉しい説明です。こうやって書いてあって、氷砂糖みたいなやつなら、そりゃサギです。しかも、販売は、キロ単位。
 早速、1キロ1000円で落札しました。送料は610円。
 それがこれです。


 写真だけを無理矢理大きくしたわけではありません。下の定規と比べていただければ、大きさがおわかりいただけるとともいます。画面と実物がほぼ同じ大きさになるようにしました。(15インチ画面の場合)

 これならかなりの量感です。
 少なくともTVの「土曜サスペンス劇場」かなんかでは使えそうです。
「BともみあいになったAは思わず机の上においてあった岩塩を手にして、Bの頭を強打。Bを頭部挫傷で死に至らしめる。その後、Aは風呂場の浴槽のお湯で凶器の岩塩を溶かしてしまい、警察は、凶器が特定できず困り果てる。そこで、名探偵の登場・・・。なぜ風呂場の水が、塩っからい。」ってな、もんです。
 題して「現物教材殺人事件ー溶けた凶器のなぞ」。(だめかな?)

 このヤッフー・オークションの売り主は個人ではなく、恒常的に出品している業者さんのようですので、比較的簡単に入手できます。

 塩については、今後、死海の塩も取り上げるつもりです。