これは、中学校でも授業の話題になっているネタですから、普通の学力の生徒は、たぶん知っています。
この3つの句は、信長=思い切った果断な性格=殺す、秀吉=アイデアマン=工夫する、家康=熟柿を取るように政権を握った=積極的な行動は取らず待つ、という3武将のイメージが見事に表現された俳句となっています。
もっとも、こんな句を、ホトトギスを前に3武将がそろって詠むということはあり得ません。後世の知恵者の作り事です。
この3句を紹介している最も有名な書物は、江戸時代後期の九州は平戸藩(今の長崎県)の大名、松浦静山が書いた『甲子夜話』です。
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松浦静山は、1760年生まれで、1841年に81歳でなくなりました。1775年から1806年まで藩主をつとめ、引退後の1821年から、様々な知識を本にまとめ始め、278巻という膨大な量の書を残しました。
ホトトギスの句は、その正編100巻ののうちの第53巻の8「「歴代の発句」にあります。
松浦静山著中村幸彦・中野三敏校訂『甲子夜話4』(東洋文庫 1978年)P57-58 |
ちなみに、ホトトギスの鳴き声をご存じない方は、次のページにあります。
※NHK CreativeLibrary ホトトギスhttp://www.nhk.or.jp/creative/material/81/D0002011503_00000.html
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