学校は今「黄金週間」(ゴールデンウィーク)の中にあります。てなことをいうと、「4月の半ばだぜ。早いんじゃない。」といわれてしまいそうです。しかし、ここでいう黄金週間は、いわゆる通常の4月末から5月上旬の休暇を意味するものではありません。
日本の学校は、当たり前ですが、4月に始まって3月に終わるというの通常のサイクルとなっています。そうであるなら、最初の1週間・2週間に生徒とどう接するか、つまり、学級の経営をどうはじめるか、授業をどうはじめるかは、教師にとって、1年間の他の1・2週間とは比べようもない大事な期間であるはずです。それを名付けて、教師にとっての「黄金週間」としました。これをいかにうまくやるか、たくさんの種をいかにまくかによって、「収穫」に大きな影響が出ます。
この発想は、山形県寒河江市を中心にサークルを作っていらっしゃる小学校の先生方からお聞きしたものを、自分なりに改良したものです。
※寒河江市の太田昭夫先生 ak1230@seagreen.ocn.ne.jp http://www1.ocn.ne.jp/~skip/
※同 小林正樹先生 koba52@ic-net.or.jp http://www3.ic-net.or.jp/~koba52/
これまで私は、「黄金週間」の中で次のような実践をしてきました。
<学級経営>
生徒の名前の把握
最初のHR活動、自己紹介、HR役員の決定等を通しての、担任の「所信表明」
日本の首相の「所信表明」演説は、文書読み上げ型で魅力はありませんが、担任のそれはそんな無感動なものでは、1年が台無しになります。それぞれのキャラクターに合わせていかに担任を売り込むかが大切です。
その中に、いろいろの細かい約束も盛り込まなければなりません。「掃除は、最も重要な活動のひとつだと思っている。誰もが必要をわかっているけど、そう楽しんでやりたくはない代物だ。小学生ではないんだ、先生が言うからではなく、自分の意志で、きちんと実行する人間になって欲しい。さぼってクラスメートに押し付けてしまう人間は、許さない。」と、少しはすごんで見ることも絶対必要です。
遅刻や欠席に対して、担任がどんな態度をするのかは、生徒が担任を「値踏みする」重要な要素です。「遅刻は、始業のベルが鳴った時に、教室にいるかどうか。例外はない。」この当たり前のルールを維持できるかどうか。欠席の連絡の重要性を生徒を通して保護者に伝えること及び、無断で欠席があった時や、報告があった場合でも欠席が続いた時、どれほど真剣に心配できるか、生徒とそして、自分自身に宣言しなければなりません。
席替えは、クラス経営の最重要要素のひとつです。高校生ぐらいになると、席替えをしても、うまくごまかして自分の都合のいいようにしたり、勝手に席を替わってしまうなどの、わがままな行動をする生徒もいます。年度の最初に、席の配置は、「担任の学級経営権」に属する最重要なもので、生徒の自由にはならないことを宣言しておかなければなりません。クラス経営がうまくいけば、どんな風にでも改良はできます。これまでの経験の中でうまくできた例では、いじめ・授業妨害・私語等をまったく心配しなくていい、すごくうまくいったクラスの場合、2月・3月に、「席は朝早く来たもん順に決めていい。」というルールにして、最後の1ヶ月間を大いに楽しくやったこともありました。
その他、1年のHR活動、球技大会・文化祭等の活動などについて、「担任が指導しながら生徒諸君に積極的に主役を演じてもらう」という自分の考えを、最初から、すり込みのように、生徒に訴えはじめなければなりません。
<教科指導>
どんなテーマで1年間の学習を進めるか
どんな方法で生徒主体の授業を進めるか
最後に、寒河江市太田先生から配信されたメールに掲載されていた校長先生のメッセージを紹介して、この項目を閉じます。
教師とは 出会いの感動を演出する芸術家
教材との出会い 知識との出会い 考え方との出会い その感動
汗との出会い 涙との出会い その感動
学ぶ楽しさ 仲間と学べる喜び
考える楽しさ わかる喜び その感動
人は 出会いの感動の中で 新しい自分を発見する
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