2005-08
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083 2005年01月24日(月) お騒がせしました。腸閉塞入院記F      

F 1/20(木)11:00 食事指導 そして退院    

 食事療法中、腹部の異常は起こりませんでした。
 順調な回復です。食欲もどんどん出てきました。
 
 1/18 S医師が最終的な判断を示しました。

S医師

「食事療法も順調ですね。ただし、これはあくまで、お腹にやさしい低残渣食です。つまり、カスがあまり残らない食事です。何でもかんでも食べていいというわけではありませんので、栄養士さんの指導を受けてください。
 それから、腸閉塞の原因を念のため調べるため、もう一度だけ、小腸にチューブを入れて、胃の検査と同じバリウム造影によるチェックをします。
 これで何もなければ、退院としましょう。」

「原因は不明と言うことですか?」

S医師

「そうです。
 病名上は、突発性腸閉塞、つまり、原因はよくわからない腸閉塞ということです。」

「そういうのはよくあるのですか?」

S医師

「全体の3割ぐらいは、原因不明です。脅しではありませんが、そういう場合は、再発にも注意してください。そういう意味で、食事指導は重要です。」


 1/19 10:30 また再びイレウス管を飲みました。
 第一日目は、腹の中に食物があったこともあって、3時間半もかかったですが、今回は、僅か15分で小腸に到達しました。挿入される私の方に、まったく恐怖感もなく、腹式呼吸の繰り返しもS医師の操作と絶妙のタイミングを醸しだし、あっという間の作業でした。


ここでちょっと専門的な知識です。

<腸閉塞(イレウス)の分類>

分  類

特 色

機械的腸閉塞(イレウス)

 腸管の器質的な病変により腸管内腔の狭窄・閉鎖を起こすもの。
 単純なものは
閉塞性イレウス(単純性イレウス)
 腸管内腔の閉塞のみで、腸管自体の血行障害を伴わないもの。
【原因】
○開腹手術や腸管の炎症による癒着
○大腸癌などの腫瘍や腸の炎症性病変による腸管の狭窄
○異物の誤飲や糸コンニャクなどの大量の不消化性食物の摂取 
○その他何らかの原因による腸管の屈曲・癒着・圧迫  など

 腸管の閉塞と同時にそこに栄養を補給する腸管膜もしめつけられて(専門用語で絞扼(こうやく)されて)腸管壁が血行障害を起こして、腸管が壊死している状態のものは、
絞扼性イレウス(複雑性イレウス)と呼ばれ緊急手術が必要。
【原因】
○腸管自体が捻れて絞扼される腸重積、腸軸捻転症
○ヘルニア(脱腸)の嵌頓

機能的腸閉塞(イレウス)

 腸管の器質的な原因がない場合で、腸管を支配する神経の障害により腸管の運動障害が起こり、腸管内容物が停滞するもの。
【原因】
○腹膜炎による炎症の腸管への波及
○開腹手術後による腸管麻痺
○薬物やヒステリーなど神経性因子 など

※戸田メディカルグループのサイトを参考にしました。ありがとうございました。こちらです。


 検査の結果、腫瘍や腸間膜の異常等は見つかりませんでした。S医師から、1月21日の退院を告げられました。
 あとは、食事指導です。

栄養士

「食べていい食物と調理法、控えなければいけない食物と調理法は、このパンフレットにある通りです。いちいち記憶すると言うよりは、原則を説明します。
 まず、これまで、食事再開から食べていた食事は、低残渣食というのですが、この意味はわかりますか。」

「食物カスがあまり残らない食事ですね。先生から聞きました。」

栄養士

「そうです。ここでちょっと誤解される方がいますので念を押しておきます。
 腸に負担をかけないためには、消化に悪いもの、消化できないものは控えた方がいいのは言うまでもありません。
 世の中で普通に言う「食物繊維」が多い食事というのは、実は、消化しづらくて、腸には負担がかかるものが多いのです。一般的な「腸の健康」と、腸閉塞を起こさないための厳密な「腸の健康」とは、違いがありますから、注意してください。
 たとえば、ゴボウや堅い野菜はだめです。
 こんにゃくも消化しませんからダメです。中には糸こんにゃくが腸に絡んで腸閉塞になったといった症例もあります。
 豆腐はいいですが、豆は一般に控えてください。夏の枝豆というのも控えてください。胡麻もダメです。」

「咬むのに堅いものは基本的にダメですね?」

栄養士

「そうです。普通の食事でもちゃんとかんで食べてください。」
それから、油はダメです。油を使った調理法もダメです。
 肉の脂身、テンプラ、唐揚げは控えてください。食べても少量ですね。
 うどんはいいですが、ラーメンは控えてください。油ぎとぎとのカップラーメンは、ダメです。ラーメンは、醤油味系のあっさりしたものならいいですね。」

「豚骨ラーメン大好きなんですけど?」

栄養士

「駄目なことはおわかりですね。」

「はい。えーと、ドーナツも大好きなんですけど?」

栄養士

「油で揚げたパンなどは控えてください。脂肪分が高い生クリーム、ケーキやシュークリームもダメです。」

「ポイントとして、堅い消化しづらい食物、油・油脂の多い食物・調理法はダメというわけですね。」

栄養士

「そうです。そういうの好きだったでしょう?」

「はい。」

栄養士

「一つも食べるなというわけではないですが、自分の健康のためです。注意してください。もう一度あの腸閉塞の痛みをこらえるのかと思えば・・・。いいですね。頑張ってください。」

「・・・・・頑張ります。」


 さて、退院となると、もちろん入院費用を払わなければなりません。
 ここでまた、ひと物語ありました。

 1998年に、腰部椎間板ヘルニアの治療で、岐阜赤十字病院に26日間入院した時の費用が10万4,020円だったことを確認していた私は、今回の入院費用は、10万円はこさないと予想していました。

 しかし、もらった請求書の金額は、17日間の入院でなんと
18万2,980円
 びっくり仰天の高い金額です。
 基本的な考え違いをしていました。1998年の入院の時は本人負担は1割、現在は
3割負担なのです。

 TVの宣伝のように「VISAが使える」病院ならよかったのですが、ここはまだカード支払いは導入していない病院でした。
 仕方なく、近くの銀行まで行って、緊急に引き出してくるはめになりました。

 
入院は、経済的にもとても負担になることがわかりました。(-.-)

 ともかく、1月21日午後、無事退院できました。

 17日間、いろいろな方にお世話になりました。
 山内ホスピタルのS先生、看護師Oさん、他の看護師・栄養士の皆さん、ありがとうございました。
 家族はもちろん、ご心配いただき、ご迷惑をおかけしましたみなさん、本当にありがとうございました。
 
 再発しないように、できる限り頑張ります。(^.^)

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