2004-08
| 日記のメニューへ | | 一つ前に戻る  | 次へ進む |
077 2004年10月3日(日) 3男D、医学的記念写真             

 このところの「未来航路」のシリーズに対して、一部のサポーターの皆さんから、「学力だの、戦闘機だの、小難しい話題が多すぎる。もっと面白い話題も混ぜてほしい。」との要望がありました。
 そうですね。掲示板や、メールをいただいてる、特に教員でもない女性サポーターにとっては、最近はマニアックで面白くない話題が多すぎました。
 そういえば、最近、映画鑑賞記も書いていませんし。

 というわけで、今日の日記は、学問的な要素はほとんどない、単なる「雑ネタ」です。 
 
 10月1日の6時過ぎ、妻Nから携帯に電話がかかってきました。

「Dが今日学校で体育の時間に倒立の練習をしていて、頭を打ったらしく、今、調子が悪いと言っているので、医者へ行ってくるわ。」

「そりゃいかん。学校からは何か連絡があったのか?」

「なにもきいてない。本人の話では、倒れて頭を打った時、大きな音がして、体育の先生が大丈夫かと聞いたらしいけど、その先生からも、担任からも、電話はかかってきとらんよ。」

「それじゃ、その時は何ともなかったかもしれない。
 とにかく、日曜日、岐阜新聞テストだし、念のために、医者に行ってきなさい。」


 3男Dは、今中学3年生。来年春の高校受験目指して、勉強中です。岐阜新聞テストというのは、岐阜県の地元新聞が行う高校入試の模擬試験のことです。
 
 うちの、3人の息子たちは、おかげさまで、ちいさいころから内臓の病気やら喘息やらアトピーやら、他の親御さんが悩んでおられる、内科的な病気はあまりしたことはありません。

 その代わりといっては何ですが、スポーツをしているせいと、本人たちが私に似たせいか、おっちょこちょいなため、外科には、ずいぶんお世話になっています。
 最初の事件は、長男K。
 1歳過ぎの歩き始めたばかりの頃に、2階のベランダの手すりの隙間から、庭の地面まで落下するという大事件がありました。(これは、途中の松の枝に引っかかってバウンドし、擦り傷だけで生還。)

 以後、家の風呂での転倒による後頭部からの出血、小学校時代の校庭の遊具からの数度の転落、交通事故、部活動でのケガ(手術)、遊園地でのケガ(場所は浜松。帰りの新幹線の中は、血を流しながら泣いていた。)などなど、3人とも、数々の「勲章」をぶら下げています。
 面白いというか間抜けな経験をしたのは、次男Y。
 小学校6年生の時のプール当番で、Yは休憩時間が来た時にみんながプールから上がるよう知らせる鐘を、振って鳴らす係でした。ところが、その振って鳴らす鐘を、調子に乗って振りすぎて顔面にぶつけてしまい、歯を折るという珍事件を引き起こして、医者にいきました。(-.-)

 さて、遅くに家に帰ってみると、3男Dはもう普通に元気で、医者でレントゲンを撮って診断してもらったけど、何ともなかったとのことでした。やれやれです。
 
 さて、ここからが、今日の本題です。 

「大丈夫か。」

「どうもない。」

「それはよかった。」

「ところで、とーちゃん。
 頭のレントゲンを撮影したんだけど、お医者さんが、もし、その画像がほしければ、くれるっていったんで、ほしいんだけど、いい?」

「レントゲンの画像?へぇー、そんなものもらえるの。いいけど、どうやってもらうの。普通のレントゲンフィルムなら、もらってもそうおもしろくないぞ。」

「へへ、違う違う。単なるレントゲンフィルムではなくて、頭の部分を断層撮影してコンピュータに取り込んだ、ほら、よくテレビなんかで見るやつ。」

「あの、頭を輪切りにしたやつか?」

「そうそう、それそれ。面白そうでしょ。
 診察の時に、いろいろ説明を聞いて、僕が興味を示したら、先生がほしければあげるって言った。」

「で、どうやって、もらうの?」

「明日、土曜日は午前中が診察ありだから、CD−RWをもって行けば、画像をコピーしてくれるって。」


 さすが、親の血を引くおっちょこちょいの我が子です。
 頭の断層撮影の写真をほしがるなんざ、父の発想と一心同体です。

 CD−RWをもって、近くの谷村医院にいくと、すぐにコピーしてもらえました。
 先生は他の患者さんを診察中でしたので、メモをもらいました。
「画像は、普通のJPEGのファイルではないので、
DICOM(ダイコム)という特別なソフトでないと見ることができません。DICOM Viewer などフリーのソフトがあるので、インターネットからダウンロードしてください。」

 看護婦さんにもうひとつ、確かめてもらいました。
「あのー、これを、インターネットのホームページに掲載するようになった場合、被写体はうちの子どもですから問題ないですが、画像の著作権とかは問題が生じませんか?」
 看護婦さんは、もう一度先生に聞いてくれました。
「問題ありません。」

 持ち帰って、CD−RWのファイルを確かめると、なるほど、「*.CTI」という知らない拡張子のファイルで、エクスプローラーや「ペイントショップ・プロ」などの画像処理ソフトでも、まったく見ることはできないファイルでした。

 そこで、先生の指示のとおり、インターネットから
DICOMに関するフリーのソフトを捜しました。

 DICOM Viewerは、名古屋工業大学の岩田先生他が開発されたものです。
 お医者さん使うソフトとコンパクトにしたもので、拡大・縮小、スライスの連続表示、画面分割などの機能もあって、本格的です。
 ただし、ダウンロードした後の設定がちょっと難しく、現時点ではまだ使用していません。
  ※DICOM Viewerのダウンロードはこちらでできます。

 単に画像だけを見ることができるもっと簡単なソフトがないかと捜したところ、見つかりました。
 puntoexe というサイトがあります。(こちらです。http://www.puntoexe.com/
 これは、画像処理のソフトウエア扱う外国のサイトです。(英語表記のみ)
 その中に
、Dicom Viewer と  Dicom Drive というソフトがあります。
 どちらも、有料ソフトですが、うまいことに、お試し版があります。
 
 このうち、Dicom Driveは、ペイントショッププロやフォトショップなどの画像処理ソフトや、ワードやパワーポイントで、Dicom画像を取り込むためのソフトです。
 このお試し版は簡単にダウンロードでき、我が家のペイントショッププロで画像が取り込めました。
  ※お試し版のダウンロードページはこちらです。http://www.puntoexe.com/dicomviewer/
 
 技術的な話が長くなってしまいましたが、かくて、3男Dの脳の画像の一般公開となりました。


 医院からもらった画像は全部で12枚。
 Demo Version という文字は、
Dicom Drive のお試し版を使っているため、表示されている文字です。
 

「いろいろ説明をしてもらったことを教えてくれ。」

「12枚の写真は、脳を下の方から上の方に輪切りにしてある。
 1の画像の真ん中の黒い穴が、脊髄の方へつながるところ。
 2のDemo Version の文字のしたの両側に、耳の穴と中につながる通路が見える。
 3は脳の一番下の部分。」

「なるほど、なるほど。」


 

「5・6・7・8と脳の中心部の画像だけど、きれいな写真で問題ないって。」

「外側の白い部分は、骨か?」

「いや、頭蓋骨は、外側のほんの数ミリだけで、その内側の白い部分は、筋肉とか脳を包む膜だって。」

「ほう。
 とにかく、何ともなくてよかった。結果的にいい記念写真になったわけだ。
 とうさんも、この写真を撮影してもらおうかな。これ結構面白そうだ。」 

「ケガもしてないのにレントゲンは必要ないよ。倒立してこける?」

「やめときゃー。
 こんなきれいな脳じゃなくて、スカスカだっったらどうするの。みっともないよ。」


 悔しいけど、あたってたら惨めなので、やめときます。

「ホームページで、自分の脳の中味を公開している中学生って、日本にそういないよね。」

「たぶんね。」

「いない、いない。絶対いない。時間かけて、そんなバカなことする親子はあなた達だけです。断言できます。
 検査料金は、3400円もしたんだから。」


 かくて、貴重な記念写真となりました。

実はこれには続編があります。このあと3週間後、私も本当にこの断層撮影を経験するはめになりました。こちらです。


| 日記のメニューへ | | 一つ前に戻る  | 次へ進む |