2003-5     

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056 2003年5月31日(土)  朝の東京            メニューへ 

 5月の29日・30日に、出張で東京へ行ってきました。ちゃんと仕事もしてきましたが、またいつものとおり、いろいろ見てきました。
 その一つが、5月10日の日記で予告した、夜明けの六本木ヒルズです。


  夜の東京タワー、右の夜景を撮影するために昇りました。夜10時までの営業です。昇ると中学生の修学旅行の一団が来てrいました。少年少女の話し言葉に違和感がありません。確かめると、岐阜県安八郡W中の生徒さん方でした。

 夜の六本木ヒルズ森タワー。せっかく東京タワーまで昇って撮影したのに、ちょっとピンぼけで悲しい。このビルは一番上のスカイデッキの部分が高さ270メートルですから、東京タワーの特別展望台250メートルよりも高いところにあります。これは、普通展望台150メートルからの撮影写真ですから、当然、向こうの方が高い位置にあることになります。


  2003年4月開業した六本木ヒルズは、東京の今評判の人気スポットですが、その中にある森タワーには、高層建築ができるとどこでもそうですが、最上階に近いところに、展望スペースがあります。
 その一つが東京シティービューです。地上52階、250メートルから東京の展望ができます。
 
 ウェブサイトで調べていたら、東京シティビューが、「日の出を見ようキャンペーン」をやっていることが分かりました。なんと、通常の昼間の時間ではなく、毎日、日の出30分前から開場し、地上52階からの日の出を見ることができるというのです。高い所+日の出、田舎から出てきたお昇りさんには、格好の観光スポットです。

 29日、出張第一日目の夜は、参加者の懇親会が東京都庁でありました。懇親会の最中に、東京シティビューに電話しました。天気によっては中止の場合もあるため、事前に確認しなければならないのです。
 ※東京シティビュー 03−6406−6652 

 「はい明日は、予定どおり実施します。日の出が午前4時27分ですから、午前3時57分には開場いたします。お待ちしております。」
 案内のおねーさんの可愛らしい声に、ますます気分が高まります。
 失敗しないように、時間とかを確かめなければなりません。

 少し酔っぱらっていてつらかったですが、夜の東京タワーに行って、六本木ヒルズの夜景を撮影し、その帰りにちゃんとビルの下まで行って、場所の下見をしました。
 地下鉄都営大江戸線・銀座線乗り継げば、宿泊しているフロラシオン青山からは25分ほどで到着できます。

「日の出が4時27分だから、逆算するとホテルを出る時間は・・・・」」
 ここで、昨年の北海道釧路湿原での失敗が、教訓となって蘇ります。(ご存じない方はこちら、
「あの時は、夕陽を撮影して、日没後に素晴らしい景色が現れた。ということは、朝日の場合は、その逆だから、日の出の時間に着いていては、いい景色は見られない。開場時間には着いて、いい場所を取らないと・・・。」

 この結果、起床は3時10分、ホテル出発3時30分という計画ができあがりました。部屋のアラームをしっかりセットして睡眠です。

 こういう時は、不思議と寝過ごしたりはしないものです。連休中の滑川でも、その昔の早朝ゴルフでも、ちゃんと起きることができました。
 また、眠りが浅いせいか、これからすることを勝手に自分で想像した夢を見たりします。みなさんはそんな経験はありませんか?

 今回も、なんかわけのわからない夢を見ていました。そして、夢の中で、とても不思議なことに、自分の失敗に気付いたのです。ここまでに書いてきたことに、大きな計画ミス・誤解があったことに読者のみなさんは気が付かれたでしょうか?

 なんと夢の中でそのことに気が付いて、ぱっと目が覚めました。
「そんなに朝早くには、地下鉄は動いていない。」

 時間を見ると3時ちょうどです。
 急いでコンビニで買っておいたおにぎりを食べて、シャワーを浴びて、フロントへ出ました。

 時間は3時20分です。フロントにはちゃんとガードマンの方がいて、真夜中に何か言い出す無茶なお客さんにも対応してもらえます。東京のホテルは立派なものです。
「あのー、こんな時間にすみませんが、タクシーお願いしたいんですが・・。」
「わかりました、見つけてきましょう」

 ガードマンさんは、文句一ついわずに外へ出ていき、ほどなく、タクシーを捕まえてきました。
 六本木ヒルズまでは、早朝のタクシーでは、10分とかからない時間で着けました。
 
 かくて、無事4時ちょうどには、52階、250メートルに到着できました。
 チケット(代金750円)販売のお兄さんに聞いてみました。
「平日は毎日どのくらいの人が日の出を見に来るのですか?」
「ここのところ、毎日20人〜30人ぐらいのお客様です。」


  ここが1階の入り口 テラスの部分

 上がってみて分かりましたが、ここの展望スペースには、東西南北それぞれ1箇所ずつ「テラス」があって、「外」へ出ることができます。つまり、ガラス窓越しではなく、直接外が見られるのです。
 5月の早朝の高度250メートルの外気は、なかなか爽快です。


 夜明け前 04:15 シルエットはシオサイトビル群  夜明け前 04:17 東京タワー

 この日は、地平線近くに雲がたなびき、日の出は直接は見ることはできませんでした。

 
  夜明け時 04:28 シオサイト方面  夜明け後 04:45 シオサイト方面

   しばらく待って、地平線にたなびく雲の上に太陽が現れた時、一瞬神々しい光が差し込みました。それが、右上の写真です。
 しかし、もはやこの時点では、写真に撮影できる美しい光景とかは、どうでもよくなりました。
 この日は、チケット売り場のお兄さんの予想を超えて、4時35分段階で、46名の客が昇る太陽を見つめていました。
 若いカップル、大学生らしいギャル集団、年輩のカップル、みんな日が昇る前はガヤガヤしゃべっていましたが、日が昇る頃から、静かになりました。

 だんだん明るくなって、眼下に大都市東京の町の一つ一つが浮かび上がっていきます。
 その光景が、とても感動的なのです。何も、特別美しくなくても、だんだん明るくなる東京を地上250メートルから眺めることそれだけで、感動的なのです。
 私の左隣にいた若いカップルは、思わず互いの肩を抱き寄せあいました。
 私の右隣にいた、中年のご婦人(珍しく一人)は、そっとハンケチで涙を拭かれました。

「おーい、東京、朝だぞー。」
 そう叫びたくなる、感動の朝です。


次第に浮かび上がる東京の街 朝日を浴びるレインボーブリッジ

   心地よい思いを抱いて六本木ヒルズをあとにしたのは、4時50分。
 下に降りた私は、もう一つの、あまり心地よくない驚きの東京を味わいました。
 タクシーを拾おうと六本木の交差点へ向かうと、そこには話には聞いていましたが、現実に見るとなるとびっくりする光景が展開されていました。
 朝5時だというのに、交差点付近はすごい人だかりです。


午前5時過ぎの六本木交差点近く 森ビルタワー270メートル

 どっからともなく出てきた人、その人々を乗せようとするタクシー。
 大学生から、20代後半ぐらいまでの若者が圧倒的です。外国人の割合が結構多いのが特色です。
 写真だけ見ると、時計が示している5時過ぎは、午前ではなく午後だといっても、不自然ではありません。 

 当初の予定ではタクシーを利用して帰る積もりでしたが、人混みの動きに誘われて地下鉄の駅の方へ行ってみました。
 地下鉄日比谷線、大江戸線の始発は、いずれも5時過ぎです。
 改札口までグループで来た人たちは、誰もが、「バイバイ、またねー」と言って、帰っていきます。ところどころに、人目をはばからず別れの抱擁を続けるカップルもいます。
 みんな、一晩中どこかで飲み明かしたか、別のことをしたか?、とにかく朝帰りの人たちなのです。

 タクシーの運転手に聞いてみました。
「この人だかりって、もちろん毎日ですよね。」
「六本木は不夜城だからさ。夜の間中は、どこかで時間つぶしていて、地下鉄の始発の時間にこうやって出てくるって訳さ。」

 東京はやっぱり大都会です。


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