私 |
「船の中にある水色のスコップのようなものは何ですか?」(【写真7】の船頭さんの足下にある水色のもの) |
船 |
「ああ、あれは、水を掻き出すスコップ。夜、ひどい雨が降った時は、朝来ると船の中に雨水がたまっている。普通の漁の船(注【写真6】の奥側の船)より幅が広いもんだから雨水もよくたまる。朝8時からの運行開始のため、朝6時頃に来ることもある。」 |
私 |
「大変ですね。台風の時は?」 |
>船 |
「台風の時は、船が流れないように一晩中見張る。去年やその前はよかったが、平成16年は台風がいくつも来て大変だった。囂々と流れる川は、そりゃ怖いもんだ。
このすぐそばの一日市場に家があるから、長良川のことはこの仕事に就く前から、よく知っている。堤防が整備されたせいか、昔より豪雨の時の流れが速くなった。上流の郡上の方で豪雨があると、7時間か8時間ですぐ増水する。」 |
2006年の年末には、【写真8】の「お知らせ」にあるように、2か月ほど渡船が停止されました。
渡船の底に亀裂が入り、浸水がひどかったため、修理に出されたのです。【写真7】にあるように、船底から船側にかけてガラス塗料を塗って浸水を防ぐ措置が施されました。
費用は100万円以上だったそうです。名物渡船を残すのはなかなか大変です。
春から秋までの季節がいい時は、平日でも30〜40人の乗船客があります。
毎月21日の「弘法様」の日には、鏡島の乙津寺に参拝する人が多く利用し、船頭さんはその日だけは2名勤務となります。
上の説明板にあるように、現在は無料です。
しかし、北岸の一日市場(当時は本巣郡合渡村)が岐阜市に合併される前は、有料でした。(船頭は伝統的に一日市場の住民が務めており、一日市場の人々は無料でしたが、岐阜市の人々は有料だったというわけです。)1955(昭和30)年頃の料金は、人は10円、自転車は15円、リヤカーは20円だったそうです。
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丸山幸太郎監修『岐阜の原風景』(株式会社郷土出版 2006年)P109 |
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