○旗の意味
この旗を授業で使うのは、もちろん、南部連合の州の数を教えるのが主たるねらいというわけではありません。
この旗は、今でもアメリカでは、現在も、特別なものとして扱われています。たとえば、南部諸州の中では、今でも、この旗を州の旗のデザインに使っている州があります。また、南部の市民の生活の中には、今もこの旗が息づいています。
その意味は、以下のように集約されます。
南軍旗は、南北戦争を戦った南部の誇りある歴史を象徴するものとなっている。それはまた、白人の保守的な伝統ある生活意識を象徴するものでもある。礼儀正しさ、父権の強さ、強い名誉心、親切さ、厚い信仰心などがその特色である。
さらには、南軍旗は、白人優越主義・人種差別主義のシンボルとなっている。今のその残党が活動するKKK(クー・クラックス・クラン)や、ユダヤ人差別主義者のネオナチグループなどが南軍旗をその人種差別主義の象徴としている。
旗には、「物わかりがいい北東部的インテリのリベラル」像に反逆する意味が込められており、「過激」で「反社会的な」ロックバンドなども、好んでこの旗をシンボルとする。
これらは、井出義光著『南部 もう一つのアメリカ』(東京大学出版会 UP選書1978年)P12などや、また、映画『メラニーは行く』(リース・ウィーザスプーン主演 原題Sweet Home Alabama、2002、アンディ・テナント監督 TouchStone Picture)などからまとめました。
映画は、ラブ・コメディーですが、アメリカ南部社会をステレオタイプに描いています。ギャグと言えばギャグですが、そのコメディータッチの描写が、かえって、心象的には、南部人の原点に迫っていると思われます。
これらの旗が、アメリカの現在の政治や社会の中で、どのような意味をもち、どういう「事件」になっているのでしょうか。
詳しくは、現代社会クイズ「2004年大統領選挙に向けて民主党候補が支持を広げるためにしたことは?」をご覧ください。
また、現物教材ケネディ暗殺時のリンカン・コンチネンタルもご覧ください。
※現代社会クイズ「2004年選挙へ向けて民主党大統領候補が南部の支持を得るためにしたことは?」
※現物教材「ケネディ暗殺時の大統領専用オープンカー・リンカーンの模型 輸入版」
以下、関連する項目があります。ご覧ください。
※世界史クイズ「アメリカでその誕生日が国の祝日となっている大統領は?」
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