現物教材 経済2 |
005 インフレ ジンバブエ・ドル セット |現物教材:目次:現代社会・経済へ | |
インフレ紙幣教材シリーズの3番目です。 |
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経済学用語でいうハイパー・インフレーションというのは、我が国の第二次世界大戦後のそれも含めて、国が戦争に敗れたり政治が極度の混乱に陥った時、何度か発生しました。 |
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ジンバブエ中央銀行(Reserve Bank of Zimbabwe http://www.rbz.co.zw/)の発表によると、2008年7月の時点で、ジンバブエのインフレ年率は、231,150,888.87%となりました。
これだけ値上がりすると、ジンバブエ国民の買い物も大変なことになります。 |
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この紙幣は、ヤッフー・オークションで入手しました。 |
1000億ジンバブエドル紙幣の裏側には、2頭のキリンと、おそらくは穀物貯蔵施設だと思われる巨大な施設がデザインされています。 |
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さてさて趣味の世界では紙幣を紹介したところで終わって何ら差し支えありませんが、このサイトは、あくまで教材研究サイトです。授業でハイパー・インフレーションの現物教材を使った以上、どうしてそのインフレーションが生じたかを説明しないで過ぎるわけにはいきません。 |
年 代 |
月 |
事 項 |
説 明 |
1890年代 |
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植民地南ローデシア成立 |
イギリスの南アフリカ会社の経営植民地をイギリスが直接支配、南ローデシアと称される。「ローデシア」は「ローズの家」の意味。ケープ植民地の首相で南アフリカ会社の設立者のセシル・ローズ(世界史の教科書にも出てきます)の名前に由来します。 |
1965年 |
11月 |
ローデシアとして独立 |
白人勢力がイギリス植民地から独立を宣言。このあと南隣の南アフリカ共和国と同じように白人政権による黒人差別政策が続けられます。 |
1980年 |
4月 |
ジンバブエ誕生 |
反政府武装闘争を行っていた黒人勢力が新政権樹立、ムガベ氏が首相に就任。国名をジンバブエと改称。 |
1987年 |
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ムガベ氏、大統領に就任 |
議院内閣制が廃止され、大統領制に移行。ムガベ大統領は、当初は、白人勢力との融和政策をとっていたが、次第に独裁化し、白人弾圧政策へ移行。 |
2000年 |
8月 |
白人農場を強制収容開始 |
白人が所有していた大農場を強制収容し、農場で働く黒人再分配する仕組みが行われました。このため、白人勢力の支配は崩壊したものの、それまで安定して農業生産を行っていた白人勢力が国外退去したため、技術的なレベルダウンから農産物生産は大幅ダウン。それまで同国の有力な外貨獲得手段が消滅しました。 |
2002年 |
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ジンバブエ大統領選挙 |
ムガベ大統領、4選。選挙の際、大統領が野党勢力を弾圧。以後、欧米諸国との関係が悪化。 |
2003年 |
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インフレ率600% |
農業生産の低下に飢饉、欧米諸国の経済制裁等の複合要因によりインフレが発生。 |
2007年 |
9月 |
外資系企業の株式強制譲渡法 |
ジンバブエ国内の外国資本系企業に対して株式の過半数をジンバブエの黒人に譲渡するよう義務付ける法案が国会で可決されました。 |
2008年 |
3月 |
大統領選挙 |
3月に行われた大統領選挙の結果は5月末によってようやく公表されましたが、得票率はムガベ大統領43%、野党対立候補のツァンギライ候補は47%でした。選挙法では過半数の得票を得た候補がいない場合は決選投票となっており、6月末に行われることになりました。 |
2008年 |
7月 |
欧米諸国の経済制裁 |
ムガベ大統領のこの乱暴なやり方に対して、欧米諸国は大統領派人物の資産凍結などの経済制裁を実施。ジンバブエ国内経済もますます混乱を極め、極端なインフレが進行。 |
簡単に言えば、独裁者ムガベ大統領の強引な経済政策による経済の混乱と反対派弾圧に対する欧米諸国の経済制裁などが要因となったインフレーションといえます。 |
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下の紙幣は、額面が10ジンバブエドルとなっています。これは何でしょうか? |
国名のジンバブエとは、国民の70%以上を占めるショナ人が話すショナ語で、「石の館(家)」を意味する。ジンバブエの国土の東部中央にはグレート・ジンバブエ遺跡があり、東西1.5km、南北同じく1.5kmの広さに、石造建築物群が数多く残されています。紙幣の裏面のテーマは、やはり農業です。 |
2008年8月1日、あまりにもインフレが進んでしまったジンバブエ経済を再建しようと、中央銀行はデノミネーションを実施しました。デノミ率は100億分の1です。つまり、旧100億ジンバブエドル=新1ジンバブエドルとするデノミです。 |