2014-03
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153 2014年02月23日(日) 59歳の誕生日を祝ってもらいました。いくつになっても勉強です。    

 2月22日に59歳の誕生日を祝ってもらいました。
 年齢だけはずいぶん重ねたものです。


 教師としての定年が近づいてきました。それでも、「勉強する」という、「前向きのベクトル」だけは今も旺盛にもっているつもりです。このサイトで何度も言っていますが、それでこそ、教師などという「横柄な存在」が許される理由と考えています。

 おかげさまで、このサイトもなんとか続けて、13年余り。いろいろな方から、「面白いネタ・発想ですね」「すごくよくわかる説明ですね」という激励してもらえることが、私の大きなモチベーションになっています。本当にありがとうございます。

 この2月も、休日に、外部の2つの行事に参加して、勉強してきました。


 1つ目は、岐阜大学教職大学院の第5回開発実践報告会です。  


 写真−01 岐阜大学教職大学院の発表 大垣桜高校のA教諭の発表です(撮影日 14/02/01)


 そのうち私が面白いと思った発表をいくつか取り上げます。
 発 表 者   研究テーマ 

 大学院生K氏 

 生徒が主体的に「数学T」の内容を身に付ける数学的活動の在り方 −類推的・帰納的な思考活動を中心として− 

 大学院生G氏

 生徒が主体的に歴史的思考力を培うための平素の授業の在り方 −高校世界史を中心に−

 大垣桜高校A教諭

 授業研究を核とした協働的組織風土の醸成

 岐阜北高校N教諭

 学校組織Gelモデルを用いた高等学校の組織改善 −校内研修の改善を通して−

 このうち、大垣桜高校のA教諭の発表は、異なる教科間の連携授業、名付けて「ジョイント授業」の実践によって協同的組織風土の醸成を図るものでした。
 私は、この活動は、高校全体として、生徒の学力をアップするにはとても重要な視点だと思います。
 小学校の担任なら自分の力で全ての教科を教えるわけですから、勉強は大変ですが、各教科の相互の連携は十分に取ることができます。算数の時間に、「ほらこの前、理科の時間に勉強したことと同じ発想」とか言えるわけです。
 高校では、それぞれの教科の専門性が生かされているという点では、小学校の担任が全教科教えるよりは格段の強みを発揮します。
 しかし、その反面、各教科がバラバラに事を進めていくと、生徒側から見ると、その
関連性知識のつながり・応用発想の類推性に気が付かず、まったく狭く浅い学習になってしまう危険性があります。
 それを克服するのはが、「ジョイント授業」です。
 もっとも、発表者の実践校は、専門学科5クラスの中規模校であり、同じことを9クラス・10クラスの大規模校で同じように実施するのは、大変無理があります。
 したがって、教科間の連携の強弱、回数の多少など、大きな負担にならないように注意しつつ、生徒には、「高校レベルの高い教養というのは、いろいろな知識と発想の連携によって獲得できるものなのだ」という意識をしっかりと埋め込みたいものです。

 
岐阜北高校のN教諭の発表は、自由討論形式のグループ協議による問題意識の確認や、グループによる頻度の高い相互授業参観と意見交換など、校内の研修の改善を通して、組織の活性化を図った実践です。
 高校では、ややもすれば、研究授業や他者による授業評価が、まったく形式的に終わってしまう危険性もあります。この実践は、それを活性化させようとしたもので、これもまた重要な課題です。


 2014年2月22日には、ちょっと遠くに勉強に行きました。(普通なら写真が登場するところですが、デジタルカメラの電池切れで、撮影できませんでした (-.-) )
 
京都教育大学附属高等学校の教育実践研究集会です。

 場所は京都市伏見区深草越後屋敷町です。
 西岐阜駅を朝、06:12発のJR大垣行きで出発し、JR東海道線で大垣・米原で乗り換え京都まで行き、京都からJR奈良線に乗って東福寺で京阪電鉄に乗り換え、墨染駅から歩いて12分です。
 岐阜県からの参加者は、私と岐阜大学の院生さんだけでした。普通はこんな所まで来ません。

 主な内容は次のとおりです。
 研究テーマ   多角的な視点からの解決力を培う −科学的思考力を基盤として− 

 内  容   研究テーマ 

@研究授業 日本史
 高 正樹教諭
 

 幕藩体制の成立:史料を用いて、幕藩体制の構造について考察する。 

A研究授業 政治経済
 高田 敏尚教諭
 

 現代社会の諸課題 ―合意形成をどう図るか―:グループ別の課題研究発表

B講演 
 劇作家 平田オリザ氏

 わかりあえないことから(演劇的手法を取り入れたアクティブラーニング)

C教科別研究会

 地歴公民科におけるシチズンシップ教育の可能性


 公民地歴科の研究授業も たくさんのネタを集めることができましたが、格別面白かったのは、劇作家・演出家の平田オリザ氏の講演です。

「学校の先生というのは、『考えなさい』とかいいながら、なぜ生徒が自主的に発想したり発言したりすることを待てないんでしょう?思考力・判断力・表現力を発揮するよい教材を開発することと、生徒がそれを自分で示すまで待つこと、この二つが
アクティブラーニングの両輪だと思います。」
 
 その他もろもろ、90分の講演で、A4版ノート3ページ分もメモってしまいました。大変示唆的なお話でした。往復6時間、JR往復料金+駐車場代=4980円を払っても、価値のある自費研修でした。(^.^) 


 定年退職まであと1年と5週間。
 やりたいことはまだいっぱいあります。


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