部屋の中からのガラス越しでは、ヤモリ君の姿や周囲の詳しい状況は、はっきりとはわかりません。実は、数年前から、部屋の外に出てヤモリ君を撮影することを何回も試みました。しかし、窓にいることを確認して私が裏口(台所に隅にある)から外へ出ると、もう姿が見えないということが繰り返されました。
「そんなに警戒心が強いのか」
最初はちょっと疑いつつも、何回も慎重に繰り返すうちに、ヤモリ君が極度に敏感なのがわかってきました。妻に部屋側から観察してもらうと、私が裏口のドアのノブを回すと、その音か震動かに反応して、もう警戒モードに入り、ドアを開ける「キー」という小さな音がすると、もう、窓を離れて隣の物置小屋の中へ退避してしまうのです。すごい警戒心です。
そこで昨年は、思い切って、ヤモリ君が登場した場合、撮影者の私は、台所とは反対側の玄関から外に出て、家の横の道を通って家の裏手の道に回り、道から望遠レンズで撮影するという新手を考えて、実行しました。
しかし、その作戦でも撮影は失敗に終わります。
何回やっても裏に回った時はヤモリ君の姿は窓には見あたりません。
また妻に観察を依頼すると、玄関を出てしばらくはヤモリ君は何の反応も示しませんが、私が横手の道を通って、裏の道へ回っていくと、その足音を聞いて、警戒モードに入り、足音が大きくなると、退避してしますというのです。
私の方も、普通のサンダルを履いて撮影に向かっていましたので、抜き足差し足忍び足という具合ではなかったのです。これはうかつでした。
それにしても、これまたものすごい警戒心です。
今年は、しっかりスニーカーを履いて、まさにスニーク・アタック(奇襲攻撃、日本軍の真珠湾攻撃をアメリカ軍は、"sneak attack"と表現しました)をかけたのです。
この結果、まず、裏手の道からヤモリ君の姿を見ることには成功しました。
しかし、ここでまた、ヤモリ君の異常なセンサーが働いたとおもわれます。
私がカメラを構えて、オート・モードでピントを合わせようとすると、何とそれを察知したかのように、ヤモリ君は逃げてしまうのです。カメラの音を感じたのでしょうか?
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