2009-06
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114 2009年08月30日(日) 衆議院議員選挙の投票に行ってきました    

 投票所は朝からたくさんの人です。2009年8月30日(日)07:08撮影  

 いよいよ運命の衆議院議員選挙の日がやってきました。
 2009年8月30日、小選挙区比例代表制のもとで、初めての政権交代が起こるかもしれないという、大事な選挙の日です。
 右は、2日前の朝日新聞の見出しです。国民の関心も高まりました。

 

 私も、今回の選挙でも、事前にちゃんと予習をして頑張りました。
 もちろん、各政党のマニフェストはしっかり読みました。最高裁判所国民審査も、事前に新聞の記事を読み、いろいろ分析しているウェブサイトを研究して、×を付ける人を決めました。
 
 そういうこととは別に、もう一つ大きな狙いを持って、投票所へ向かいました。
 今日の起床は、日曜日にもかかわらず、6時20分。
 そうです、朝早く投票所へ行って、例の規則の体験をしようと思ったのです。

 例の規則とは?そうです。あの有名な、「
零票確認」(ゼロ票確認)です。
 選挙のルールを定めた、公職選挙法の施行令には、次のように書いてあります。

「投票管理者は、選挙人が投票をする前に、投票所内にいる選挙人の面前で投票箱を開き、その中に何も入っていないことを示さなければならない。」

※公職選挙法施行令第34条


 投票所には、当たり前ですが投票箱がおいてあります。
 選挙民が投票中は、その箱に鍵がかけてあって、上部の細いスリットからのみ投票用紙が入るようにしてあります。投票終了後は、投票管理者が封印して鍵をかけたままの投票箱をそのまま開票所まで持っていきます。不正がないようにきちんとなされているわけです。
 
 ところが、もう一つ確認しなければならないことがあります。
 もし、初めから投票箱の中に不正な物が入っていては、それからあといくら厳重に処理しても、何の意味もありません。
 そのため、投票管理人ではない一般選挙人(有権者)が、投票開始の際に、投票箱の中にあやしげなものが何も入っていないことを確認しなければなりません。それがこの、「
零票確認」(ゼロ票確認)です。

 では、この役を誰がやるのか?
 誰かをあらかじめ指名するのではありません。
 朝7時の投票所の開場後、
一番早く投票箱の前に来てまさに投票することになったとある有権者が、その役をすることになるのです。


 多くの方は、「そんなことは知らなかった。」とおっしゃるでしょう。
 しかし、これは選挙のために、毎回行われている行為です。
 この岐阜・愛知・三重の3県でも、今回の選挙の投票所の数はなんと3966カ所もありました。したがって、今日の朝も、午前7時過ぎに、その数の分の有権者がその役を果たしました。
 正確に言うと、一人だけではなく、1番の方と確認の意味で2番の方の二人がこの役をやりますので、3県では、3966×2=7932人の方が、けなげにこの役をやったのです。

 さて、私です。
 朝食も取らずに、自転車に飛び乗り、急いで投票所に向かいました。
 午前6時45分に投票所の小学校体育館前に到着しました。
「しまった。遅かった。」
 すでに、3名の方が、体育館の入り口の階段に腰を下ろしてお待ちになっています。そして私のすぐあとに、もう一人おいでになりました。6時48分の時点で、5人が入り口前に陣取りました。
  1 中年のお母さん
  2 1の息子さん
  3 おじいさん
  4 私
  5 私より少し年上のおばさん


 私はこれで4番目ですから、「確認をする有権者」になれないのでしょうか?
 いえいえ、早合点してはいけません。
 確認をする人は、投票所前に並んだ順の1番・2番でも、投票所に入った1番・2番でもないのです。
 
投票箱の前にまさに投票しようとする1番・2番なのです。
 
 つまり、投票所に入ってからの勝負なのです。
 
 7時ちょうど、投票所の扉が開きました。すでにこの時は、上記の5人も含めて総勢20人程が入場を待っていました。
 余談ですが、投票所の開場・閉場は、時間どおりにやることはもちろんですが、他にももう一つ、小道具が使われます。
 公職選挙法の公職選挙事務取扱規程には、
「第29条 投票所及び期日前投票所の開閉は、ひようし木、振鈴、口頭による宣言等によりこれを報じなければならない。」
とあります。
 係の若い市役所職員が、20人の有権者に見守られながら、携帯電話で時刻案内の「ピ、ピ、ピ、ポー」の音で時間を確かめ、古風な
振鈴を慣れない手つきでじゃらんじゃらんと鳴らして、扉が開きました。(ほんとですよ。)
 



 さて、入ってからの数十秒が確認者になれるかどうかの分かれ道です。
 上の見取り図をご覧ください。
 小選挙区の投票箱前に行くには、
  
選挙人名簿確認場所での名簿の確認
  
小選挙区投票用紙の受け取り
  
小選挙区投票用紙の記入
  
の3つを速やかに処理しなければなりません。

 ところが、最初の
の場所で、早くも明暗が分かれました。入場1・2の1 中年のお母さん2 1の息子さんはCの名簿のところで確認をすませました。当然、1 中年のお母さんは最も早くへ向かいます。
 3 おじいさんは@の所で、4 私も@の所での確認となりました。そして、5 私より少し年上のおばさんはBでの確認となりました。
 この結果、動きがゆっくりだった3 おじいさん4 私の行動を邪魔する形となり、なんと、Dの投票箱前には、1 中年のお母さん・5 私より少し年上のおばさん・4 私の順に並ぶことになりました。
 私は、残念ながら第3位となり、二人の後ろで見ているだけで、小選挙区の投票箱の中までは見ることができませんでした。


 しかし、まだ次のチャンスがあります。
 
の間に、前の二人を追い抜いてしまえばいいのです。そうすれば、比例区投票箱・国民審査投票箱の確認ができるかも知れません。

 ところが、これもダメでした。
 最高裁判所裁判官の国民審査の投票用紙の記入に戸惑ったからです。
 ちゃんと予習していた私は、幾人かに×を付けましたが、その確認に手間取って、Gの前に着いたときは、1 中年のお母さん・5 私より少し年上のおばさん・2 1の息子さんについて、4番目となってしまいました。
 
 う〜ん難しいものです。

 零票確認」(ゼロ票確認)の有権者になることは、また次に機会に挑戦です。


 さて、これを書き終わった時間は、8月31日(月)の午前1時30分過ぎですが、選挙は、予想どおり民主党の大勝利に終わりそうです。
 
この選挙から何を考え、どのように地歴公民科の授業につなげていくか?
 次週は、もう少し難しい分野での考察です。
  →クイズ現代社会:政治制度「中選挙区と小選挙区はどちらが民主的か」(2009・09・06掲載)


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