さて最後は、この春に見た映画の感想です。妻や子どもたちと3本みました。
「ドラえもん/新のび太の宇宙開拓史」
お薦め人 |
お薦め度
(3点満点) |
コ メ ン ト |
私 |
★ |
また途中で寝た。だんだんドラえもんにつきあえなくなっている。 |
妻(52歳) |
★ |
去年の緑の巨人伝の方がおもしろかった。 |
3男D(19歳) |
★★★ |
手放しでおもしろい。
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今年は、西部開拓史ならぬ、宇宙開拓史でした。「活劇」ではありましたが、妻の感想のように、昨年の「緑の巨人」の環境問題のような、「大人が考えさせられる映画」ではありませんでした。まあ、ドラえもんにそこまで期待するのは、お門違いかもしれませんが。
「米沢守の事件簿」(映画「相棒」からの派生版)
お薦め人 |
お薦め度
(3点満点) |
コ メ ン ト |
私 |
★★ |
昨年の「相棒劇場版」よりすっきりした筋です。夫婦の思い等含蓄があっていい。 |
妻(52歳) |
★★★ |
いいお話でした。わかりやすくていいです。 |
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相棒の脇役、鑑識課の米沢守さんが主役のいわば本編からの派生版です。昨年の「相棒劇場版ー絶体絶命東京シティマラソン 42.195km」は、政治問題と絡んだりして、ちょっと舞台が大きくなりすぎて、本来の「相棒」とは違和感がありました。
しかし、こちらの方は、もっとわかりやすい「刑事物」で、意外性もあって、なかなかおもしろかったです。TVの2時間ドラマよりは良質でした。妻と私で「★★+★★★」ですから、これも、DVDレンタル開始の時はお薦めです。
「おくりびと」
お薦め人 |
お薦め度
(3点満点) |
コ メ ン ト |
私 |
★★★ |
さすがアカデミー賞。様式美、命、そして山形県庄内地方。この三つで成功。 |
妻(52歳) |
★★★ |
舞台が山形県庄内としたのが、よかった。 |
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アカデミー賞外国映画賞を獲得し、世間の評価もほぼ固まっている作品ですので、今更という感じですが、あえて感想を書きます。
上にも書いたように、この映画の高い評価の要因は、様式美、命、そして山形庄内地方を舞台としたことだと思います。
第一の様式美ですが、これは、たぶん外国人にもっともわかりやすく感動を与えたものだと思います。死体を清め、死に装束を着せる納棺師の所作は、いかにも日本的な美しさを持っています。なんと「凛々しい」ことと、感動してしまいます。これは長く培われてきた日本の伝統文化です。
第二の命には二つの内容があります。
ひとつは来世観です。火葬場の職員役の笹野高史が言う台詞、「また会おうのー」は、「死は来世への門」という考えと並んで、亡くなった人と来世でまたあえるという思わず心を癒してくれる名台詞です。
もう一つは、命のリレーです。人間から死の恐怖を和らげてくれる要素は、一つは非現実的な来世観であり、もう一つは、自分の命が次々とリレーされていくという現実的な安心感です。この映画では、一つの小石を通して見事にそれを表現しています。
第三は山形県庄内地方の持つ独特の雰囲気です。すでに、藤沢周平原作の映画化、『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼の爪』などで定番となっている山形県庄内地方の独特のやわらかい方言は、雪景色と重なって、何ともいえない美しく温かな世界を醸し出しています。雪景色なのに温かいとは一見矛盾していますが、外の雪景色があればこそ、心の温かさがより鮮烈に描かれます。
また、遠くの山々、鳥海山でしょうか、これが時々映像として登場し、まるでサブリミナル効果のように、威厳を感じさせています。
以上、言わずもがなの映画評ですが、まだごらんになっていない方は、是非映画館へ。まだ間に合います。
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